インベーダーゲーム
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他にもこの種のエピソードには事欠かない(本作が業界及び社会に与えた影響の詳細については、#ヒットと社会現象の節で解説)。
後続のシューティングゲーム群の始祖

敵弾を回避しつつ敵を撃つ、というゲームシステムには他社も着目し、ナムコの『ギャラクシアン』などに受け継がれ、後に日本で数多く登場したシューティングゲームの始祖のひとつとされる。当時はまだゲーム業界でも著作権という概念が今ほどには根付いておらず、第一印象が「よく似た」ゲームが複数のゲーム会社から同時多発的に登場することがしばしば起きた。とりわけ本作はあまりにも記録的な大ヒットをしたため、中身はほぼ同じでせいぜいタイトルを少し変えた程度のコピーゲームが氾濫した(詳細は#亜流「インベーダーゲーム」及びその関連の節を参照)。なお、本作のコピーゲームを制作した会社の中には、後に家庭用ゲーム機向けコンシューマーゲームのソフトハウスとなり、世界的に有名になった会社も少なくない。

2018年、発売から40周年を迎えた年に、タイトーは本作を発表会で初御披露目した6月16日を「スペースインベーダーの日」に制定、日本記念日協会に正式に認定された[10]
オリジナル品・ライセンス品および各バージョン詳細
オリジナル

スペースインベーダー (アップライトタイプ)

1978年8月中旬発売[5]。定価59万円。

実際のゲーム画面と月面のイラストをハーフミラー(マジックミラー)で合成させたもの。L型に配置された2枚基板構成。

筐体にはゲーム中に登場しない「モンスター」が描かれている[11]

コントロールパネルが左右移動+発射の3ボタン仕様。後述のT.T.スペースインベーダー発売後、2方向ジョイスティック+発射ボタン仕様に改められた。このため、両者でイラストの寸法に若干違いがある。

アップライトタイプはほとんどが白黒だったが、直接カラー画面をはめ込んだ筐体も少数作られ、コントロールパネルが朱色になっている特徴がある。現在もタイトーで保管されているこの個体は、1P2P選択ボタンが、本来白なのを赤で修理した点が特徴。

コピーゲーム対策として、1P・2P・発射・左移動・右移動の5つのボタンを全て押すと、メッセージが表示される。その方法は開発者自身も忘れていたものの、2018年にフランスのハッカーにより再発見された。


T.T.スペースインベーダー(テーブルタイプ・モノクロ版)

1978年9月中旬発売[12]。定価46万円。

アップライトタイプのものをテーブル筐体に収め、2方向ジョイスティック+発射ボタン仕様に改めたもの。3枚の基板を折りたたんだ構成。

スコア表示が4桁表示の初期版と、スコアが9990点を超えて再び1500点に到達すると再度砲台が増えてしまうことに対策をほどこし5桁表示となった後期版が存在する。

後述のカラー版発売後も併売された。


T.T.スペースインベーダー・カラー (テーブルタイプ・カラー版)

1978年12月発売[13]。定価58万円。

上記T.T.スペースインベーダーをカラーTVモニター仕様に改めたもの。画面もカラー表示となった。3枚の基板を折りたたんだ構成。


スペースインベーダーM (アップライトタイプ)

1978年12月発売[13]。定価64万円。

米国ミッドウェイ社製造のスペースインベーダー筐体の逆輸入版。キャビネットのデザインが国内版と異なる。日本国内の需要急増に合わせて輸入販売された。L型に配置された2枚基板構成。

白っぽい色のアップライト筐体が特徴。アメリカでも5万台をこえるヒット作となった。

なおコンピュータゲーム黎明期に活躍した技術者のデイブ・ナッチングによると、ミッドウェイ社のIntel 8080搭載基板をタイトーがコピーしたため、和解条件としてミッドウェイが『スペースインベーダー』等のゲームのライセンスを受けたのだという[14]


正規ライセンス版

約30万台と言われる売上を記録したことでタイトー自体の生産が追いつかなかったため、国内では以下の5社が許諾を得て生産していた。なお、当時の業界では違法コピーに対し、契約金などの条件を付け、後付けで許諾をするというケースもあった。

スペースインベーダー(
新日本企画

インストレーションカードの社名表示のみ異なり、筐体も2Pボタンが緑色と異なる以外は全て同じであることが特徴。


スペースインベーダー(サミー工業

当時はライセンス生産のみを行い、コピーゲームを含む自社開発をすることはなかった。


スペースインベーダー(LOGITEC)

タイトーと同じだが筐体のデザインが異なり、点数表示が6桁のものもある。


スペクター(ジャトレ)

難易度の切り替えが可能で、Bはタイトーと同じ、Aは敵のミサイルが増える。また基板は3枚でなく2枚に収められている。


IPMインベーダー(IPM

カラー版。オリジナルとハードウェア構成が異なり、キャラそれぞれに固有の色がある、動きもなめらか等の特徴を持つ。

続編としてUFOが敵を補充したり、面クリアするとコーヒーブレークタイムがある『カプセルインベーダー』を出している。


ゲーム画面とゲーム内容

画面の中央やや上方に、縦5段 横11列の、計55のインベーダーが現れる。インベーダーは、軍団状で、隊列状態でまとまって横移動をしながら、端にたどり着く度に一段下がり、下がり終えると進行方向を逆方向変えて再び移動しはじめる。これを繰り返すことによって、段々と下に降りてくる。インベーダーが画面最下部のプレイヤーの位置まで降りてきたら、自陣が占領されたことになり、残機があってもゲームオーバーとなるために、それまでにインベーダーを全滅させなければならない[15]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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