当地を含む周辺では、ユーラシアプレートやオーストラリアプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートなどがせめぎあっており、環太平洋火山帯(環太平洋造山帯)の一部を構成している。そのため国内に火山が多く、活火山が129ある[43]。スマトラ島北部にあるカルデラ湖のトバ湖を形成したトバ火山は、有史前に破局噴火を引き起こしたほか、クラカタウ大噴火に代表されるように古くから住民を脅かすと共に土壌の肥沃化に役立ってきた。火山噴火によって過去300年間に15万人の死者を出しており、この数は世界最多とされる。スマトラ島のクリンチ火山が最高峰(3805m)である。スメル山はジャワ島の最高峰(3676m)で、世界で最も活動している火山の一つである。
また、地震も多く、2004年のスマトラ島沖地震、及び2006年のジャワ島中部地震は甚大な被害を与えた。スマトラ島とジャワ島は、約60,000年前は陸続きであったが、11,000年前の大噴火があり、スンダ海峡ができて両島は分離した[44]。これらの島々の全てが北回帰線と南回帰線の間に位置しており、熱帯気候である[45]。
主な島[ソースを編集]詳細は「インドネシアの島の一覧」を参照
ジャワ島 - 首都ジャカルタのある島。
スマトラ島 - マレー半島の南西に横たわる島。特に北部は天然資源が豊富。
スラウェシ島(旧称セレベス島)
カリマンタン島(「ボルネオ島」はマレーシア側の呼称。)
バリ島 - 観光で有名な島。住民の大半はヒンドゥー教徒。
ロンボク島 - バリ島の東隣の島。近年になって、観光開発が進み始めた。
スンバワ島 - 1815年に、島内のタンボラ山が有史上最大の噴火を起こしている。
コモド島 - コモドオオトカゲ(コモドドラゴン)が生息する島。
フローレス島 - 住民の多くはカトリック教徒。
ハルマヘラ島
テルナテ島 - 香辛料産出地として南隣のティドーレ島とともに、大航海時代に西洋列強の収奪の拠点となった。
ティモール島 - 西側半分がインドネシア領。
マルク諸島(モルッカ諸島)
クラカタウ島 - 1883年に大爆発した火山島。ジャワ島とスマトラ島の中間に位置する。
ニューギニア島 - 西側半分がインドネシア領。天然資源が豊富。インドネシア国内では「パプア」「イリアン」などと呼ばれている。
ビンタン島、バタム島、レンパン島 - リアウ諸島の一部で、シンガポール海峡を挟んでシンガポールと向かい合う。両国の海上国境は2014年9月3日に調印された条約で確定した[46]。
ナトゥナ諸島
森林[ソースを編集]
国土を「林業地区」(国有林)と「その他の地区」に区分している。大気中の二酸化炭素を吸収する役割を担う森林は、適切な利用・管理により地球温暖化防止に役立つ[47]。
環境[ソースを編集]
同国における環境問題は国の人口密度の高さと急速な工業化に関連しており、深刻さを増しているために今も改善策が求められている。「インドネシアの環境問題(英語版)」も参照
地方行政区分[ソースを編集]詳細は「インドネシアの地方行政区画」を参照インドネシアの州
2層の地方政府が存在し、第一レベルの地方政府が州(Provinsi)であり、その下位に第二レベルの地方政府である県(Kabupaten)と市(Kota)が置かれている。
第1レベル地方政府(便宜上4区域に分ける)は2022年時点で以下のとおり、ジャカルタ首都特別州と4の特別州、33の州が設置されている[48]。下記リストで名称右に*付きが、首都ジャカルタと4特別州。
スマトラ島: アチェ*、北スマトラ、西スマトラ、リアウ、リアウ群島、ベンクル、ジャンビ、南スマトラ、ランプン、バンカ=ブリトゥン
ジャワ島?ティモール島: ジャカルタ首都特別州*、ジョグジャカルタ特別州*、バンテン、西ジャワ、中ジャワ、東ジャワ、バリ、西ヌサトゥンガラ、東部ヌサ・トゥンガラ
カリマンタン島: 西カリマンタン、中カリマンタン、東カリマンタン、南カリマンタン、北カリマンタン
スラウェシ島?パプア: 西スラウェシ、南東スラウェシ、中スラウェシ、南スラウェシ、ゴロンタロ、北スラウェシ、マルク、北マルク、西パプア*、南西パプア、パプア*、中部パプア、山岳パプア、南パプア。
第2レベルの地方政府は、2006年時点で349県・91 市が置かれている。県と市には行政機能上の差異はなく、都市部に置かれるのが市で、それ以外の田園地域などに置かれるのが県である。なお、県・市には、行政区としての郡(Kecamatan)とその下には区(Kelurahan)が置かれる。なお、都市以外の地域には村(Desa)が置かれているが、これは区の担う行政機能に代わり、地縁的・慣習的なコミュニティであり、行政区ではない。
スハルト政権の崩壊後、世界で最も地方分権化が進んだ国の一つに数えられている。しかし、逆に言えば中央政府の力が弱く、地方政府が環境破壊を進める政策を実施していても、中央政府には、これを止める力は存在していない[49]。
主要都市[ソースを編集]詳細は「インドネシアの都市の一覧」を参照
経済[ソースを編集]詳細は「インドネシアの経済(英語版)」を参照水牛を用いて稲田を耕している様子。インドネシアは伝統的に農業国である。
IMFによると、2018年のGDPは1兆225億ドルであり、世界第16位である。