インディー・エレクトロニック(Indie electronic)は、サンプラー、シンセサイザー、ドラムマシン、コンピュータープログラムを使用した電子音楽に対して、親和性を持つロック系のアーティストを指すジャンル[4]。主なアーティストにマウス・オン・マーズ、グライムス、メトロノミーらがいる[5]。
インディー・エレクトロニックは、1990年代初頭に生まれ、2000年代初頭に自宅での録音やソフトウェア・シンセサイザーが一般化するにつれて、インディー・エレクトロニックの勢いが増した[4]。これらのアーティストは、いくつかの例外を除き、ワープ・レコーズ、モール・ミュージック、サブ・ポップ、ゴーストリー・インターナショナルをはじめとしたインディー・レーベルに在籍している[4]。 80年代、90年代から徐々に見られた現象だが、2000年代以降にはR&Bやヒップホップがアメリカ音楽シーンの主流になり、さらにロックの勢いが失われてくる。そこに登場したのが、ザ・ストロークスやザ・リバティーンズを始めとする、新鋭インディー・ロック勢である。2000年代初頭、彼等の影響でガレージロックに注目が集まった。その後も、80年代のニュー・ウェイヴやポストパンクから影響を受けた、アークティック・モンキーズやフランツ・フェルディナンドの登場によって、イギリスを中心に小規模なインディー・ロックのムーブメントも発生した。 2000年代後半からは、音楽ウェブサイトのピッチフォークが老舗の音楽雑誌を凌ぐ影響力を持つようになりはじめ、ピッチフォークが推していたUSインディーシーンのバンドが世界的な人気を獲得するようになる[6]。モデスト・マウス、スプーン、アーケイド・ファイア、LCDサウンドシステム、アニマル・コレクティヴ、ダーティー・プロジェクターズ、グリズリー・ベアといったバンドが支持を集め、繊細で実験的なアート性の高い音楽が評価されるようになる[6]。 2000年代後半から続くUSインディー人気は凄まじく、大型音楽フェスティバルで多くのスロットを埋めたり、グラミー賞の主要部門にさえ食い込む程となっていた[7]。2010年代前半にはヴァンパイア・ウィークエンド、テーム・インパラ、ビーチ・ハウス[8]といったアーティストが登場し、ゴールドディスクやアルバム・チャート上位などの実績をあげるようになった。しかし、当時のインディー・ロックの主流だったアート指向の強い音楽性を、メインストリームのアーティストが取り入れる現象も見られるようになっていった。こうして全盛期を迎えていたインディー・ロックは、2010年代中盤にはすっかり勢いを失くしてしまった。 1990年代以降になると、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインなどのノイジーなギターサウンド・バンドの一部は「シューゲイザー」、ペイヴメントなどのバンドは「ローファイ」、ベル・アンド・セバスチャンなどのアコースティックサウンドを奏でるバンドは「インディー・ポップ」「インディー・フォーク」、モグワイなどは「ポストロック」、フガジなどのバンドは「ポスト・ハードコア」など、インディー・ロックには、さまざまなジャンルが登場した。
2000年代
2010年代:全盛期と凋落
サウンドとファッション
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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