インディーズレーベル
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アメリカにおけるインディーズ・レーベルの歴史で重要な会社に、アトランティック・レコードやチェス・レコード[6] がある。黒人向けのレイス・ミュージック(人種の音楽)としてメジャー・レーベルが避けていたリズム・アンド・ブルースや、ロックンロールなどの音楽を積極的に取り上げ、アメリカ全土でポピュラー音楽としての地位を固めることに成功した。アトランティックには、ルース・ブラウンらが、チェスにはチャック・ベリーマディ・ウォーターズなどがいた。他にもスタックス・レコード、モータウン・レコードをはじめとするインディーズ・レーベルが、多くのヒット曲をリリースした。

この後も欧米ではエルヴィス・コステロらが在籍したスティッフ・レコードスペシャルズらが在籍した2トーン・レコードなど有力なインディーズ・レーベルが誕生し、メジャー/マイナーという垣根は低いものとなっている。IFPIの報告によると、インディーズ・レーベルによる音楽関連の売上高は全体の28.4%に達している(2005年8月)。

映画界においては、制作費を出資・調達するプロデューサーや映画会社などの圧力を避けるために自己資金で製作を行うことがある。その最も極端な例が『スター・ウォーズ(SW)』シリーズで知られるジョージ・ルーカスで、キャラクタービジネスで巨万の富を築いた彼は、『SW』新3部作では制作費を自ら出資、製作において絶対的な権限を握ったことから、「世界で最も贅沢なインディーズ映画」と言われている。
日本のインディーズ

日本の音楽業界における「インディーズ・レーベル」とは、日本レコード協会に加盟する「メジャー・レーベル」のレコード会社と対比する形で、同協会に加盟していない独立系レーベルを指す[注釈 1]。「レコード会社#日本の主なレコード会社(メジャー・レーベル)」も参照

なお、日本の音楽業界で「インディーズ」という用語が一般化するのは1980年代以降で、それまでは「自主制作盤」などと呼ばれていた。
日本のインディーズ・レーベルの特徴

この節には複数の問題があります。改善ノートページでの議論にご協力ください。

出典がまったく示されていないか不十分です。内容に関する文献や情報源が必要です。(2013年5月)


独自研究が含まれているおそれがあります。(2023年6月)


正確性に疑問が呈されています。(2023年6月)



流通形態

日本の音楽流通においては、レコード店などの小売店での販売条件として、メジャー・レーベルは多くの商品で返品を受け付けるが、インディーズ・レーベルは商品の返品を受けない買い切り(売り切り)、あるいは委託販売といった形態を取ることもある。

日本のインディーズ・レーベルのCD流通経路は、CDショップなど小売店への直接交渉、ライブ会場などでの手売りやミュージシャンによる直接通販、同人音楽の場合はコミックマーケットM3といった同人即売会での出展といった小規模のものから、ダイキサウンドSPACE SHOWER MUSICといったディストリビューターへの販売委託、あるいはタワーレコードによるT-Palette Recordsのように全国的に流通可能なものまで含まれる。

また、上記メジャー・レーベルがインディーズ・レーベルに業務委託をすることにより、メジャー・レーベルが販促、営業、流通機能を担う場合がある。その場合、レーベルがインディーズ扱いであっても「メジャー流通」と呼ばれる場合がある[注釈 2]
ブームの変遷

日本の音楽産業は、全て日本語によって歌詞が制作されている、あるいは日本語が歌詞の相当割合を占める楽曲が多いため、その販路の大半が日本国内(または日本人)であり、英語やスペイン語で製作された海外レーベルのコンテンツの様な時差や情報の広範な拡散を巧みに利用した業績維持による営業戦略は困難である。そのため、日本のメジャー・レーベルには、ジャンル単位で売り上げが急激に上昇してゆく時期と、対照的に売り上げが一気に低迷し販売実績が悪化する時期が発生しやすい。また、これに応じてメジャーとインディーズの間で短期間で多くの人材・バンドの流入流出や消長盛衰が起きる。

ジャンル単位で見た業績の急落や市場の急激な縮小は、数年間に渡り急激に伸びたセールス実績がピークを迎えた直後から、数年後までに起きることが多い。例としては、1960年代後半のテンプターズやタイガース、スパイダース、ゴールデン・カップスなどのグループ・サウンズがあげられ、ブームは数年で終焉した。

ある特定の音楽ジャンルで業績が伸びブームや「黄金時代」が到来すると、メジャー・レーベル各社の経営資源や資金・人材が同じジャンルに集中的に投入され、2匹目のドジョウを狙った類似アーティスト・楽曲が次々と登場して乱立状態となる。この中では「質より量」という風潮が見られることも多々あり、短期間で市場は供給過多の様相を示していく。そうなると、メジャー・レーベルが供給する膨大な量の同種の音楽が次第にマンネリ化し消費者が聞き飽きてしまい、売り上げの低下が起き、その後を年単位の長期スパンで見ていくと最終的には俗に「冬の時代」「暗黒時代」などと形容される市場低迷期に至る。この「冬の時代」が到来した時、一時のブームに乗ってメジャー・レーベルと契約した者が次々に契約を打ち切られたり、あるいは契約満了後に契約を継続できないなどの事態に陥ることが多分に起きる。その経緯はいずれにしても、メジャー・レーベルとの販売契約を失ったバンド・ミュージシャンの少なからぬ割合が、音楽活動と新作発表を継続するためにインディーズ・レーベルへの移行を行うことになる。

なお、1990年代のヴィジュアル系のブームは、XエクスタシーレコードCOLORフリーウィルの成功をモデルケースにした数多くのヴィジュアル系専門インディーズ・レーベルの存在が背景になったブームであった。その為、ヴィジュアル系ではブーム到来と共にそのままバンドが立て続けにメジャーデビューを果たすのではなく、バンドの登場と並行してインディーズ・レーベルの乱立が起きた。ただし、これもブームの終焉とともに市場が縮小したことは同様で、多くのレーベルが消滅・整理の道を辿った。

インターネット普及以後に台頭してきたネットレーベルも、知名度や活動規模を考えるとインディーズ・レーベルに属すると言える。


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