インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説
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インディの名前がルーカスの愛犬に因んで名付けられたように、ウィリーはスピルバーグの愛犬から、ショート・ラウンドはハイクの愛犬から因んで名付けられた[17]

宣教師役でシド・ガニス、ルーカス、アンソニー・パウエルが、空港の旅行者役でフランク・マーシャルとスピルバーグがカメオ出演している。

前作と同じく荒唐無稽な作品になることから、「観客に理屈を考える暇を与えない」ほどテンポの良さを目指したという。そのため、最初は約115分の作品となったが、試写でルーカスとスピルバーグは逆に「速すぎる」と感じたため、観客の「呼吸の余地を元に戻す」場面を加えたりアクションを少し遅くするなどして、上映時間は118分となった[29]
評価

1984年の公開後、興行は成功したが評価は賛否両論であった。その後も、その優れた作品内容と共に論争と問題のあるコンテンツとして知られている[30]

ロジャー・イーバートはこの映画に「レイダースより明るくエキサイティングで、奇妙で、間抜けで、ロマンティックなアドベンチャー映画であり、続編というよりも対等な作品であると高く評価しています」と評している[31]ポーリン・ケイルは「この映画でスピルバーグがやっているような方法でスリルと笑いを融合させた人は誰もいない」と述べ「私がここ数年見た中で最も純粋に楽しいフィジカルコメディである」と評した[32]

一方で、ピープル誌のラルフ・ノヴァクは「親が幼い子供にこの心的外傷を与える映画を見せてはならない。それは映画を使った児童虐待になるだろう」と不満を漏らし、「ハリソン・フォードでさえ、クアンを平手打ちし、キャプショーを虐待している。映画内にヒーローはいません。スティーブン・スピルバーグとジョージ・ルーカスという悪役が2人いるだけです」と低評価を与えた[33][34]

ウィリー・スコット役に関しては、前作のヒロインであるマリオンと異なる「絶え間なく叫び、頻繁に救助が必要であるキャラクター」であることに対する批判もある。ウィリー役のケイト・キャプショーも、ウィリーを「頭の悪い、叫ぶ金髪にすぎない」と呼んだことがある[33]

スピルバーグ自身は、後に「シリーズの中で最悪の出来」と評している[35]。スピルバーグは、キャリアの中でシリーズの続編を監督するのが初挑戦であったことから、すべての観客を喜ばせようと強く意識するあまり自分にとって魅力的な映画を作ることを忘れていたといい、1989年に「ダークすぎます。地下のシーンが多すぎる上、怖すぎるのです」「超常現象のない『ポルターガイスト』のようだと思いました。『魔宮の伝説』に対する思い入れなど、これっぽちもありません」と述べている。ただし、監督として製作に参加したこと自体は、妻となるケイト・キャプショーと出会えたことから一切後悔していないという[16]

ルーカスは本作について「トーンが少し暗いだけで、私はこの映画が大好きです」と述べている[29]
論争・影響

作品中での暴力シーンや残虐な場面が多く、モーション・ピクチャー・アソシエーションからR指定にするよう求められたが、スピルバーグは「これは子供向けに作ったんだ」とその要求を拒否。その結果、今作がアメリカにおけるPG-13制定のきっかけになった[注釈 2][37]

本作でのインド文化に関しての描写は論争を引き起こし、インドでは否定的なステレオタイプが描かれているという理由で上映禁止となった[37]。特にインド料理のシーンに登場した冷えたサルの脳みそなどの料理は「実際のインド料理ではない」と激しく批判された[38]。また、作家のシャシ・タルールは、この映画がインドに対する偏見を助長しており、「ある村の貧困が、偉大な白人の英雄の救いで解決した」というストーリーになっていることも批判している[39]

なお、チャター・ラルを演じたロシャン・セスは、料理に関する批判に関して「スティーブンはその場面を一種のジョークとして撮影した」「だが、そのジョークは微妙であまり通じなかった」と語った[40]アムリッシュ・プリは、これらの論争自体が「ばかげている」とし、「丘を滑り降りてインドに到達することが現実にありますか?ファンタジーはファンタジーです」と自伝の中で述べている[41]
受賞・ノミネート

賞部門対象結果出典
アカデミー賞作曲賞ジョン・ウィリアムズノミネート[42]
視覚効果賞デニス・ミューレン
マイケル・J・マカリスター
ローン・ピーターソン
ジョージ・ギブス受賞
サターン賞ファンタジー映画賞N/Aノミネート[43]
監督賞スティーヴン・スピルバーグノミネート
主演男優賞ハリソン・フォードノミネート
若手俳優賞キー・ホイ・クァンノミネート
脚本賞ウィラード・ハイク
グロリア・カッツノミネート
衣装デザイン賞アンソニー・パウエルノミネート
メイクアップ賞トム・スミスノミネート

脚注[脚注の使い方]
注釈^ リライト部分
^ 本作公開時のアメリカのレイティングシステムは、PG の次が R になっており、その中間がなかった[36]

出典^ a b c “Indiana Jones and the Temple of Doom (1984)” (英語). Box Office Mojo. 2010年2月6日閲覧。


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