インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国
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だが製作中、このアイデアにスピルバーグは自身が監督した『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』と似すぎていると感じたために、息子へ変更された[18]。また、息子をオタクにするというアイデアもあったが、ルーカスはそれを拒否し、1953年の映画『乱暴者』のマーロン・ブランドをモデルにしたキャラクターとなった[18]

スピルバーグは制作開始前、「前3作との一貫性を維持するため、特殊効果にCGはほとんど使わない」と述べていたが、結局は予想よりもはるかに多い、約450の場面でCGが使われた。

総制作費は1億8500万ドルとなった。これは制作費が安いことで知られるスピルバーグ監督作品において、過去最高額の制作費である[32]
オマージュ
シリーズからのオマージュ

映画の冒頭はシリーズ共通のイメージである、パラマウントのロゴマークと実景とのオーバーラップで始まる。

保管庫からインディが逃げ出す際、壊れた木箱から『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』に登場した
聖櫃が顔をのぞかせている。

マットが名乗った際インディが「犬みたいな名前」と言いマットが「自分で付けた」と語るが、これはインディが普段名乗っている『インディアナ』は父親に本名の「ジュニア(ヘンリー・ジョーンズ Jr.)」と呼ばれることを嫌い、自分で飼い犬の名前を取って付けたという設定の再現。また、マット(息子)がインディ(父親)に「ジュニア」と呼ばれることを嫌うこともオマージュになっている。

マリオンとインディが最初に出会う際、マリオンが言う「インディアナ・ジョーンズ…」のセリフの口調は、『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』でマリオンとインディが出会ったときにマリオンが言った「インディアナ・ジョーンズ…」のセリフと同じイントネーションで再現されている。

図書館に迷い込むシーンにて、インディが居合わせた学生たちに「図書館なんかに真理は無いぞ」「真理は現場にある」と言う台詞があるが、これは19年前の前作『最後の聖戦』での講義中に「真理は図書館にある」「宝の地図のX印を掘って宝が出たためしは無いのだ」と生徒に説いていた台詞に対応しており、過去3作での経験を踏まえてわざと全く逆のことをしゃべらせている。

また図書館の前のシーンでKGBの車両がブロディの銅像に激突、首が取れるときに、マットは笑うがインディは無表情である。これは『最後の聖戦』のインディと父ヘンリーの父子描写の再現となっている。

ルーカス作品からのオマージュ

ハリソン・フォードが出演したジョージ・ルーカスからのオマージュもみられる。

本作の終盤でインディが「嫌な予感がする(I've got a bad feeling about this.)」と言っているが、これはルーカスの代表作「
スター・ウォーズシリーズ」で毎回登場するシリーズお馴染みのセリフで、ハリソン・フォードが演じたハン・ソロは『エピソード4/新たなる希望』でデス・スター内のゴミ処理施設内と、『エピソード6/ジェダイの帰還』でイウォークに捕まってC-3POへの供え物として丸焼きにされかけた時に発している。

冒頭、偽装アメリカ陸軍にスピードレースをけしかける若者たちは、『アメリカン・グラフィティ』へのオマージュである。

他作品からのオマージュ

バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズの脚本で知られるボブ・ゲイルによれば、ジョーンズが核実験場で冷蔵庫に入るのはバック・トゥ・ザ・フューチャーの初期脚本が基になっているという。初期脚本ではタイムマシーンはデロリアンではなく冷蔵庫を改造したものでそのエネルギー源が核爆弾という設定であった。

評価

本作は否定的な評価が多い。これは、19年ぶりの新作ということに対するファンからの期待値の高さも影響しているとされる[33]

ロジャー・イーバートは、「『最後の聖戦』と同じ古さだ」と高い評価をし、「私が作品に求めるのは間抜けなアクションです。人食いアリ、高速ジープの後ろでバランスのとれた2人の剣の戦い、金の洞窟、凶悪なファム ファタール、3つの滝の落下、空飛ぶ円盤、たくさんのサルと、それがたくさんあった」と述べている[34]エンパイア誌のデイモン・ワイズはCGの使用を批判したが、フォードの演技を称賛した[35]

AP通信によると、本作の試写会に参加したシリーズのファンからは「敬意を表する」が「熱烈とはほど遠い」歓迎を受けていたといい、「定型的な高評価の言葉を述べながらも、19年間新作を待った価値はないと言う人もいた」という[33]

本作に落胆した一部のファンによって、映画シリーズがピークを過ぎてつまらなくなったことを意味する「nuking the fridge」(冷蔵庫を核攻撃する)というフレーズが生みだされた。これは、本作でインディが冷蔵庫に隠れることによって核爆発から逃れるシーンから来ている[36][37]。「:en:Jumping the shark#Nuking the fridge」を参照

シャイア・ラブーフは、2010年9月に行ったインタビューで「人々に愛されている名作を失敗させてしまった。脚本家やスティーヴン・スピルバーグ監督のせいにすることもできるけど、与えられたものをよく見せるのが俳優の仕事。僕はそれができなかった。ハリソンとも話したけど、彼も出来栄えには満足していなかったよ」と語っている。その後、ハリソンはこの発言について言及し「あいつはとてつもないバカだと思う。俳優は出演した映画を支持するのが義務だ。シャイアは野心的で、注意深く、才能のあるヤツで、自分の置かれている立場でどう対処するかを学んでいるところなんだ」と、シャイアの若さゆえの失言と考えている趣旨のコメントをした[38]
受賞・ノミネート

賞部門対象結果出典
第29回ラジー賞最低リメイク及び続編賞N/A受賞[39]
サターン賞SF映画賞N/Aノミネート[40]
監督賞スティーヴン・スピルバーグノミネート
主演男優賞ハリソン・フォードノミネート
助演男優賞シャイア・ラブーフノミネート
衣装デザイン賞メアリー・ゾフレス受賞
特殊効果賞パブロ・ヘルマン
ダニエル・サディックノミネート


映画館大賞「映画館スタッフが選ぶ、2008年に最もスクリーンで輝いた映画」第34位

興行収入

北米では5月22日に4260館で公開され、23日には3100万ドルを記録。これはメモリアルデイの週末に公開された作品の中で歴代3位に入る金曜日記録でもある(1位は『X-MEN:ファイナル ディシジョン』の4510万ドル、2位は『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』の4290万ドル)[41]


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