2002年公開を目指し、最初はM・ナイト・シャマランが脚本を書くため雇われた。しかし、彼はファンである本シリーズの続編を書くプレッシャーに圧倒され降板[24]。その後、フランク・ダラボンによって「1950年代を舞台に、元ナチスがインディを追う」という内容の脚本が書かれスピルバーグがそれを気に入ったが、ルーカスは「脚本に問題がある」と自分で脚本を書くことを主張したため降板。2005年秋にジェフ・ナサンソンによるドラフトが完成し、その後デヴィッド・コープによる最終脚本が完成した。 インディアナ・ジョーンズ役は、ハリソン・フォードが続投。『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』のカレン・アレンが27年ぶりにシリーズ再出演した。 インディの相棒であり息子であるマット・ウィリアムズ役には、『穴/HOLES』での演技に感銘を受けたスピルバーグによって、シャイア・ラブーフが起用された[25]。 当初はインディの父であるヘンリー役の登場も予定され、ヘンリーを演じたショーン・コネリーにも出演オファーがあった。だが、既に引退状態で隠居生活を楽しんでいたコネリーは、悩んだ末に出演しないことを発表[26]。後に「この物語でのヘンリーはそれほど重要な役割では無い」と感じ辞退したことを明かし、またコネリーの提案からヘンリーは死亡したと脚本が変更され、額に入った写真のみの出演となった[27]。 マーカス・ブロディを演じたデンホルム・エリオットは1992年に死去しており、銅像や肖像画での登場となった。また、彼の演じたブロディの後継者としてチャールズ・スタンフォース学部長の登場が決まり、ジム・ブロードベントが演じている。 前3作全てに屈強な男の役で出演していたパット・ローチは2004年に亡くなっていた。そのため、彼に代わる屈強な軍人アントニン・ドフチェンコを登場させ、それはイゴール・ジジキンが演じることになった[28]。 撮影監督は、前3作のダグラス・スローカムから『シンドラーのリスト』以降のスピルバーグ作品を全て手がけたヤヌス・カミンスキーに交替。「コミックのような前3作のルックスを変えたくない」というスピルバーグの意向を請け、カミンスキーは常套の撮影スタイルを封印し、前3作のテイストを研究することになった。 前3作と異なり、スピルバーグの「家族から離れたくない」との意向から、ロケを含めた撮影は全てアメリカ国内で行うこととなった[29]。 HD24Pの導入など映画撮影の電子化を推進して来たルーカスに対する「フィルムによる撮影・編集」を旨とするスピルバーグの意向は、従来通りスコープ・サイズのフィルム撮影+デジタル・インターミディエイトを採用して解決。前3作はフィルムのデジタル修復・修正が行われたほどだが、撮影以後のデジタルプロセッシングはもちろんシリーズ中初めてとなった。 今作は東京ディズニーシーにあるアトラクション『インディ・ジョーンズ・アドベンチャー:クリスタルスカルの魔宮』とは一切関連がない[30]。 インディに子供がいるというアイデアは『インディ・ジョーンズ/若き日の大冒険』からあり、当時は13歳の娘にする予定だった[31]。だが製作中、このアイデアにスピルバーグは自身が監督した『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』と似すぎていると感じたために、息子へ変更された[18]。また、息子をオタクにするというアイデアもあったが、ルーカスはそれを拒否し、1953年の映画『乱暴者』のマーロン・ブランドをモデルにしたキャラクターとなった[18]。 スピルバーグは制作開始前、「前3作との一貫性を維持するため、特殊効果にCGはほとんど使わない」と述べていたが、結局は予想よりもはるかに多い、約450の場面でCGが使われた。 総制作費は1億8500万ドルとなった。これは制作費が安いことで知られるスピルバーグ監督作品において、過去最高額の制作費である[32]。 ハリソン・フォードが出演したジョージ・ルーカスからのオマージュもみられる。
キャスティング
撮影
エピソード
オマージュ
シリーズからのオマージュ
映画の冒頭はシリーズ共通のイメージである、パラマウントのロゴマークと実景とのオーバーラップで始まる。
保管庫からインディが逃げ出す際、壊れた木箱から『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』に登場した聖櫃が顔をのぞかせている。
マットが名乗った際インディが「犬みたいな名前」と言いマットが「自分で付けた」と語るが、これはインディが普段名乗っている『インディアナ』は父親に本名の「ジュニア(ヘンリー・ジョーンズ Jr.)」と呼ばれることを嫌い、自分で飼い犬の名前を取って付けたという設定の再現。また、マット(息子)がインディ(父親)に「ジュニア」と呼ばれることを嫌うこともオマージュになっている。
マリオンとインディが最初に出会う際、マリオンが言う「インディアナ・ジョーンズ…」のセリフの口調は、『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』でマリオンとインディが出会ったときにマリオンが言った「インディアナ・ジョーンズ…」のセリフと同じイントネーションで再現されている。
図書館に迷い込むシーンにて、インディが居合わせた学生たちに「図書館なんかに真理は無いぞ」「真理は現場にある」と言う台詞があるが、これは19年前の前作『最後の聖戦』での講義中に「真理は図書館にある」「宝の地図のX印を掘って宝が出たためしは無いのだ」と生徒に説いていた台詞に対応しており、過去3作での経験を踏まえてわざと全く逆のことをしゃべらせている。
また図書館の前のシーンでKGBの車両がブロディの銅像に激突、首が取れるときに、マットは笑うがインディは無表情である。これは『最後の聖戦』のインディと父ヘンリーの父子描写の再現となっている。
ルーカス作品からのオマージュ
本作の終盤でインディが「嫌な予感がする(I've got a bad feeling about this.)」と言っているが、これはルーカスの代表作「スター・ウォーズシリーズ」で毎回登場するシリーズお馴染みのセリフで、ハリソン・フォードが演じたハン・ソロは『エピソード4/新たなる希望』でデス・スター内のゴミ処理施設内と、『エピソード6/ジェダイの帰還』でイウォークに捕まってC-3POへの供え物として丸焼きにされかけた時に発している。
冒頭、偽装アメリカ陸軍にスピードレースをけしかける若者たちは、『アメリカン・グラフィティ』へのオマージュである。
他作品からのオマージュ
バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズの脚本で知られるボブ・ゲイルによれば、ジョーンズが核実験場で冷蔵庫に入るのはバック・トゥ・ザ・フューチャーの初期脚本が基になっているという。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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