インディアン
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また、エスキモーも、近年はカナダで「イヌイット」、グリーンランドで「カラーリット」と呼ばれている。(後述)

現代では白人種や黒人種、アジア人種等との混血が進んでいる。

インディアンやエスキモー、アレウトの場合、アメリカ連邦政府が「インディアン部族」、「エスキモー部族」、「アレウト」として認める部族のみが、アメリカ内務省の指定保留(reserve)した保留地(Reservation)を領有している。内務省が条約関係を打ち切り「絶滅部族」として認定しない部族は、保留地を持てず、各州に散って暮らしている。カナダ連邦におけるインディアン、イヌイットも同様である。
分類
エスキモー、アレウト

エスキモー・アレウト語族を話す諸民族。インディアンとは起源(アメリカへの移住時期)が異なると考えられる。新モンゴロイドに属す。「エスキモー」、「イヌイット」、および「アレウト」を参照
インディアン、インディオ

インディアン(: Indian)は、アメリカ先住民のうち、エスキモー・アレウト人を除く諸民族の総称。スペイン語ポルトガル語ではインディオ(西: indio)。日本語では、メキシコ以北の諸民族をインディアン、ラテンアメリカの諸民族をインディオと呼び分けることが多い。

「インディアン」(英語)と「インディオ」(スペイン語・ポルトガル語)ともに、本来はインド人を指す言葉である。「インディアン」、「インディオ」がこのように二義的な意味を持つのは、クリストファー・コロンブスアメリカ大陸に到着したときに、その地をインド(当時は東アジア全体を指した)と誤解したことに由来する。スペイン人が先住民をインディオス(インド人の意)と呼んだことから、そのまま英語のインディアンに引継がれ、以降アメリカ先住民(の大半)をインディアンと呼ぶようになった。
インディアン(北米)

英語のインディアンは直訳するとインド人の意味であり、歴史的な文脈や広義では、旧イギリス領インド全域や東南アジアの住民を含むこともあることから、本来のインド人をイースト・インディアン[原 1] 、アメリカ先住民をアメリカン・インディアン[原 2] と区分して呼称する場合がある。

おもに平原部族が正装の際に顔や上半身を赤く塗装したことから、また、赤褐色の肌色を持つことからレッド・マン[原 3] という呼称もあり、彼ら自身も使用しているが、コロンブスがタイノ族を同じ理由でこう呼んだことによる。公民権運動やブラック・パワー運動の影響でインディアン達もレッド・パワー運動を展開した1960年代以降、侮蔑的な呼称として問題化されることがあり[注 1]、イギリスでもレッド・インディアン[原 4] と呼ぶことがあるが、この語は差別的とみなされることが多い[6]

また「インジャン」という呼び方[注 2] は現代アメリカにおいては「ニガー」などと同様の差別的な蔑称であり、ほか、「アンクル・トマホーク[原 5][注 3]」、「トント(英語版)[注 4]」などは、現在では同じく「白人におもねるインディアン」の代名詞となっている。

イギリスの作家アガサ・クリスティによる小説「Ten Little Niggers」はイギリス国内ではこのまま出版されたが、アメリカ版ではNiggerが不適切として「And Then There Were None」に修正され、作中に登場するNigger IslandもIndian Islandに変えられたが、こちらも差別的として変更された。

人類学言語学では、アメリンド[原 6] と呼ぶこともある。ただしこの語は厳密には、アメリカ先住民のうち、起源が異なるという説があるナ・デネナヴァホなど)やイヌイットを除いたグループに対する呼称である。

他に以下の呼称があるが、これらの中には定義が不明確なものも多い。

ファースト・ネーションズ[原 7]

ファースト・ピープルズ[原 8]

インディジェナス・ピープルズ・オブ・アメリカ[原 9]

アボリジナル・ピープルズ[原 10]

アボリジナル・アメリカンズ[原 11]

アメリンディアンズ[原 12]

ネイティブ・アメリカンズ[原 13]

ネイティブ・カナディアンズ[原 14]

なお、アメリカ合衆国のインディアンについてはネイティブ・アメリカンの記事に詳しく、またカナダのインディアンについてはファースト・ネーションの記事に詳しい。
インディオ(中南米)笛を吹くインディオ系民族の男性

スペイン語indio・ポルトガル語indio(ブラジルではインジオ、あるいはインヂオと発音する)は、アメリカ州の先住民族のうちエスキモーアレウト族などを除いた民族を総称する(英語のインディアンと同義である)ことが多いが、日本語では北米中南米の先住民族を区別して後者のみをインディオと呼ぶことが多い。

インド人と区別するためにスペイン語ではアメリンディオ(amerindio)と呼ぶこともあるが、逆にインド人をインドゥ (hindu)と呼ぶことで区別することが多い。

先住民と白人との混血をメスティーソ(mestizo)、ラディーノ(ladino)などという。ボリビアペルーなどでは、先住民として位置づけられる者を含めてチョロとも呼ばれる。先住民(インディオ)と黒人との混血をサンボと呼ぶ。なお、サンボという呼称と差別についての話題がちびくろサンボにあるので、そちらも参照されたい。インディオ出身のメキシコ大統領ベニート・フアレス

人種的に純粋なインディオであっても、都市部の住民を中心にインディオ的な文化を喪失し、白人やメスティーソに文化的に同化した人はインディオと呼べないのではないかという議論がある。そのような人はインディオと称されることを忌避し、メスティーソなどと自己規定することが多い。しかし日常会話では、厳密にはメスティーソであるがインディオの人種的特徴を強く持つ人もまとめてインディオと呼ばれるのが一般的である。一方で、逆に人種的には混血であっても、先住民としてのアイデンティティを持ち、農村部を中心に先住民系の言語を日常的に用い、伝統的な文化を守る人々も決して少なくない(チョロ又はチョリータを参照)。 
近年の呼称
イヌイット、カラーリット

エスキモー」という言葉は、アラスカエスキモーと居住域が隣接していた亜極北のアルゴンキン系インディアンの言葉で「かんじきの網を編む」という意味である。これが、東カナダに住むクリー族の言葉で「生肉を食べる者」を意味する語と誤って解釈されたことから、「エスキモー」という呼称はある時期においてしばしば侮蔑的に使用された。これには、生肉を食べる行為[注 5]を野蛮であるとみなす人々の偏見が背景にある。

カナダでは1970年代ごろから「エスキモー」を差別用語と位置付け[注 6]、彼ら自身の言葉で「人々」を意味する「イヌイット」[注 7]が代わりに使用されている。


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