多くのスピルバーグ映画と同じように、ジョーンズもまた一部彼の自伝的要素を持っている。インディアナは父親ヘンリー・ジョーンズとの緊張した関係のため理想の父親像がなく、彼の内なる怒りはマリオン・レイヴンウッドとシカゴ大学の恩師アブナー・レイヴンウッドとの関係を悪化させた。マーカス・ブロディはインディを導く役割を持つ。インディの不安は幼いころに母親を失ったことに由来する。『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』ではウィリー・スコットとショート・ラウンドを守って一時的に父親になる。彼がカーリーの魔術に陥った時にはショート・ラウンドが助け出した。その後インディアナは大勢の子どもを救出している。 インディアナ・ジョーンズはジョージ・ルーカスとスティーヴン・スピルバーグが少年時代に愛した昼興行の連続活劇とパルプ・マガジンがモデルになっている(例えばリパブリック・ピクチャーズの映画やドック・サヴェジシリーズ)。サー・H・ライダー・ハガードの『ソロモン王の洞窟
由来とインスピレーション
このキャラクターは当初、“インディアナ・スミス”と名付けられていたが、1970年代にルーカスが飼っていたアラスカン・マラミュート(“インディアナ”)から名前が付けられた。スピルバーグも“スミス”は気に入っておらず、ルーカスの代案“ジョーンズ”に賛成した。
ルーカスはショーン・コネリーが演じた世界的に有名な秘密諜報員ジェームズ・ボンドがジョーンズに大きなインスピレーションを与えたと発言している。このことから『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』の父親役はコネリーになった。
衣装デザイナーデボラ・ナドールマン・ランディスは、インディの衣装がチャールトン・ヘストンが『インカ王国の秘宝』で演じたハリー・スティールを参考に決められたと述べた(「私は何度もスタッフと一緒にこの映画を見た。そして私はいつも、スタッフがこの映画を参考にしなかったらおかしいと思っていた」)[23]。 多くの人物がインディアナ・ジョーンズの創造に影響を与えたと言われている。しかしルーカスとスピルバーグが認めたわけではない。 スピルバーグとルーカスはシルエットを見ただけで誰だか分るようなコスチュームを求めた。そこでてっぺんが高く、つばの広いフェドーラ帽子(インディ・ジョーンズ・ハットも参照)を選んだ。『レイダース』のドキュメンタリーで指摘されたようにフェドーラ帽は実用的な役割も果たした。それは『インディ・ジョーンズ』シリーズが参考にしたかつての“B”級映画と同じで、スタントマンを必要とする危険なシーンでは代役の顔を隠してくれるということである。 また、この帽子はスタッフの間ではジョークのネタにもなった。撮影中に帽子が落ちればそのシーンは撮り直しになる。『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』のドキュメンタリーでは、ハリソン・フォードが冗談で帽子をホッチキスで頭に固定する真似をしている[34]。 映画の衣装に関する話は以下の通り。
実在のモデル
ベロイト大学の教授であり古生物学者のロイ・チャップマン・アンドリュース[24]
イタリアの考古学者でありサーカスの芸人ジョバンニ・ベルツォーニ(1778年?1823年)[25]
イェール大学の教授であり歴史家・探検家のハイラム・ビンガム3世。
彼は失われた都市マチュ・ピチュを発見し[26]1948年の『失われたインカの都市』はベストセラーになった[27]。
シカゴ大学の考古学者ロバート・ジョン・ブレードウッド
シカゴ大学の考古学者ジェームズ・ヘンリー・ブレステッド(英語版)[29]
イギリス人考古学者パーシー・フォーセット
彼はブラジル北部の探索に多くの時間を費やした。1925年に失われた都市Zを探しにアマゾン盆地に入って行方不明になった。彼は小説『インディ・ジョーンズ/第七の魔力』でジョーンズと会う[7]。
イギリス人考古学者で軍人のトーマス・エドワード・ロレンス[30]
ノースウェスタン大学の人類学者で教授・冒険家のウィリアム・モンゴメリー・マクガヴェン(英語版)[31]
フレデリック・アルバート・ミッチェル=ヘッジズ(英語版)[32]
ドイツ人考古学者オットー・ラーン(英語版)[33]
衣装
最初の3作品では、フェドーラ帽はイングランドのハーバード・ジョンソン・ハットの物が使われた。それは“ポエット”と呼ばれていた帽子だった。『クリスタル・スカル』の帽子はミシシッピ州コロンバスのアドベンチャービルト・ハット・カンパニーのスティーヴ・デルクとマーク・キッターが作った。
レザージャケットは“タイプ440”と“A-2 ジャケット”のハイブリッドのように見える、創作されたオリジナルであり『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』と『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』ではレザー・コンセンショナーズ(現在はウエステッド・レザー)が製作した。『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』のジャケットはロンドンのバーマンズ&ネイサンズが『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』の物を基に作った。『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』ではアメリカ、カリフォルニアのトニー・ノワックが製作した。ウエステッド・レザーを始めとして、現在では映画のファンが様々なインディタイプのジャケットを製作しており、一般に購入が可能である。
バッグはマーク7イギリス軍ガスマスク用バッグで、通常はジャケットの下に掛けている。『クリスタル・スカル』ではジャケットの上からバッグを掛けていた。
鞭は2.4m?3.0mのブルウィップと呼ばれるカンガルーレザーで編まれた鞭で、最初の3作品で使用されたのはデイヴィッド・モーガンによって製作された450シリーズであり、現在でも一般に購入が可能である。ただしモーガンの鞭は年代と共に形状が変化しており(より頑丈に、太く重くなっている)、現在の形状は劇場公開時とはかなり異なる。『クリスタル・スカル』では3名のウィップメーカーに製作が依頼された。テリー・ジャッカ、ジョー・ストレイン、モーガンである(長さが違うムチはシーンやスタントによって使い分けられていた)。テリージャッカが製作した鞭は前3作で使用されたモーガンの鞭とは構造が大きく異なる。「よりバリエーションのある鞭捌き」ができるようにハンドル根本が硬く補強され、オーストラリアスタイルに近い形状である。一方で4作品で共通している鞭の構造は、コア、2ベリー(4本編み、8本編み)、2ボルスター、オーバーレイ、と6層で編み込まれていること。そしてオーバーレイは12本編みである。
ピストルはたいてい第一次世界大戦時のものでウェブリー・ガヴァメント(『最後の聖戦』と『クリスタル・スカル』)やスミス&ウェッソンM1917リボルバーハンド・エジェクター・セカンド・モデル・リボルバー(『レイダース』)、コルト・オフィシャルポリス(『魔宮の伝説』。