インテリジェンス
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予測的インテリジェンスは大きな価値を持つ一方[37]、より難易度とリスクが大きい[38]。予測は原理的に確定不可能であり、必要な情報の幅がより広く、情報の欠損・偽情報・早期警戒のパラドックスからより大きな影響を受けることに起因する[39][40]。ゆえに適切な範囲でリスクを取り有用な予測的インテリジェンスを生成し[41]、利用時にその特性を認識していることが求められる[42][43]。また予測的インテリジェンスの事後評価は早期警戒のパラドックスによる困難さが伴う。
保護・妨害

自らが保護するインテリジェンスを他者のインテリジェンスから守る(参考: 情報漏洩)・他者のインテリジェンスを妨害することもインテリジェンス活動に含まれる。これを防諜という。
活動

インテリジェンス活動は情報の収集・評価・普及(: dissemination)など[18]、様々な過程からなる。
情報収集

情報収集は対象や環境に関する情報を集める活動である。例えば戦場では、ISRやISTAR(英語版)という語が示すように、インテリジェンスのための情報収集プロセスとして監視偵察がおこなわれる。システム運用における異常監視もビジネスインテリジェンスにおける情報収集である。非公然に機密へアクセスする諜報からSNSを総ざらいするOSINT情報収集まで、様々な手法が存在する。詳細は諜報活動を参考。
脚注^ a b "インテリジェンスは「判断・行動するために必要な知識」である。" p.@ of 北岡. (2009). インテリジェンス入門 第2版. 慶応義塾大学出版会.
^ "「情報」に該当する英単語は information と intelligence であるが,両語は対立する言葉ではない.intelligence は information から何かを理解しようとして得るものであり,得た知識は information の1つのモードである." 小野. (2021). インフォメーションとインテリジェンス?情報という言葉をめぐるその後の探索?Information and Intelligence. 情報処理 62(8), e26-e34, 2021-07-15.
^ "集められた多くの情報を分析することで、価値ある情報、つまりインテリジェンスが創出されます。" 菅澤. (2010). 第1回 「情報とインテリジェンスの基本的な違い」. 連載 情報の価値とインテリジェンス, 情報システム学会.
^ "インテリジェンスとは ... 知的に加工・集約された情報等を意味する" 小泉純一郎. (2006). 内閣衆質一六四第一六〇号. 衆議院.
^ "intelligence. 1. The product resulting from the collection, processing, integration, evaluation, analysis, and interpretation of available information ... 2. The activities that result in the product. 3. The organizations engaged in such activities." アメリカ統合参謀本部. (2013). Joint Publication 2-0 Joint Intelligence.
^ a b "戦後の, 軍用語ないしはそれにかかわる用語として英語の information と intelligence のとらえ方を見てみると, 両者を区別する場合には前者を「情報資料」, 後者を「情報」と訳し, 原材料である「情報資料」の中で確度, 意義, 重要性を評価したものを「情報」とみなしている." p.478 of 小野. (2005). 情報という言葉を尋ねて (2). IPSJ Magazine Vol.46, No.5.
^ "インテリジェンスとは、単なる情報ではない。" p.C of 北岡. (2009). インテリジェンス入門 第2版. 慶応義塾大学出版会.
^ "インテリジェンスとは … 個人まで助けてくれるものだ。" 北岡. (2009). インテリジェンス入門 第2版. 慶応義塾大学出版会.
^ "米国では「競合情報」(コンペティティブ・インテリジェンス)という形で、企業のためのインテリジェンスを教えることが盛んになっている" 北岡. (2009). インテリジェンス入門 第2版. 慶応義塾大学出版会.
^ a b "「結局、日本の陸海軍情報は不十分であった … 情報関連のポストに人材を得なかった。 … 情報任務が日本では第二次的任務に過ぎない結果として現れた。" pp.327-328 of 堀. (1996). 大本営参謀の情報戦記 - 情報なき国家の悲劇. 文春文庫.
^ "戦争となると、お互いが命と国運を賭けて争うのであるから、相手の企んでいることを探ることは、勝敗の最重要事となってくる。" p.4 of 堀. (1996). 大本営参謀の情報戦記 - 情報なき国家の悲劇. 文春文庫.
^ "インテリジェンスは … 利害関係が複雑化して、情報そのものの重要性が急速に高まっている現代社会において、企業も、さらには個人もが、自らの利益を守り、高めていくために真剣に向き合うべき対象となっている" p.3 of 北岡. (2009). インテリジェンス入門 第2版. 慶応義塾大学出版会.
^ "クラウゼヴィッツ(Clausewitz)も指摘しているように, 戦時において得られる情報の多くは事実と異なり, 嘘や偽りだったり, すこぶる不確実なものが多い." 小野. (2005). 情報という言葉を尋ねて(1). 情報処理 46(4), 347-351, 2005-04-15.
^ "ブラック・プロパガンダとは対敵情報活動の一環であり、最近の表現でいうところのディスインフォメーションである。" 吉田. (2002). 東京新聞、中日新聞(2002年6月23日朝刊).
^ "黒板の戦果は次々と膨らんでいく。「わっ」という歓声が、そのたびごとにピストの内外に湧き上る。...「戦果確認機のパイロットは誰だ?」「………」返事がなかった。... 戦果はこんなに大きくない。... これが今までの○○島沖海軍航空戦の幻の大戦果の実体だったのだ。" 堀. (1996). 大本営参謀の情報戦記 - 情報なき国家の悲劇. 文春文庫.
^ "指揮官はできるだけ多方面から多くの情報を集め, 真実か偽りかを判断した後でなければその情報を作戦の指導に利用できない." 小野. (2005). 情報という言葉を尋ねて(1). 情報処理 46(4), 347-351, 2005-04-15.
^ "情報の分析解明は ... 霧の中に隠れた実像を解明すること" p.4 of 堀. (1996). 大本営参謀の情報戦記 - 情報なき国家の悲劇. 文春文庫.
^ a b "Military and naval intelligence comprises the gathering, evaluation, and dissemination of information regarding enemy strength ,capabilities, and intentions required for combat operations." 米国戦略爆撃調査団. (1946). Japanese military and naval intelligence division. U.S. Government Printing Office.
^ "日本ではスパイ、盗聴、暗殺といった物騒なイメージが先行しているのだが、あまりにインテリジェンスを狭く解釈している" p.B of of 北岡. (2009). インテリジェンス入門 第2版. 慶応義塾大学出版会.
^ "Intelligence is not an exact science; intelligence analysts will have some uncertainty" アメリカ統合参謀本部. (2013). Joint Publication 2-0 Joint Intelligence.
^ "It is therefore important that intelligence analysts communicate the degree of confidence they have in their analytic conclusions. Such communication of analytic confidence helps intelligence consumers in deciding how much weight to place on intelligence assessments when making a decision. " アメリカ統合参謀本部. (2013). Joint Publication 2-0 Joint Intelligence.
^ "One methodology intelligence personnel may use to assign a confidence level to their analytic conclusions or intelligence assessments is discussed in Appendix A, “Intelligence Confidence Levels in Analytic Judgments.” ... Confidence levels are stated as Low, Moderate, and High." アメリカ統合参謀本部. (2013). Joint Publication 2-0 Joint Intelligence.
^ 英: good or marginal
^ 英: proven
^ 英: Glaring
^ "It draws on the complementary strengths of all intelligence disciplines ... All-source, fused intelligence results in a finished intelligence product that provides the most accurate and complete picture possible of what is known about an activity." p.U_12 of アメリカ統合参謀本部. (2013). Joint Publication 2-0 Joint Intelligence.
^ "あるインフォメーションやインテリジェンスを他のインフォメーションやインテリジェンスと付き合わせると、当初のインフォメーションやインテリジェンスでは分からなかったことが、分かるようになることがある。これを「収集の相乗効果」という。" p.174 of 北岡. (2008). インテリジェンス入門 -利益を実現する知識の創造-. 第2版. 慶応義塾大学出版会.
^ "fusion. In intelligence usage, the process of managing information to conduct all-source analysis and derive a complete assessment of activity." p.GL_7 of アメリカ統合参謀本部. (2013). Joint Publication 2-0 Joint Intelligence.


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