インターネット
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1983年、ARPANETがプロトコルをそれまで利用していたNetwork Control ProgramからTCP/IPに切り替える[注 1]

1984年9月、村井純がテープメディアの物理的な配送の代わりとして電話回線を用いた300bpsの速度の回線で慶應義塾大学東京工業大学を接続した。同年10月に東京大学が接続され、日本のインターネットの始まりであるJUNETに拡大する。[22]これはインターネットの研究をするため、3大学での研究を重ねる意図もあった[23]

1986年、アメリカの「全国科学財団」による学術研究用のネットワーク基盤NSFNetが作られ、インターネットのバックボーンの役割がARPANETからNSFNetへ移行する[24]

1988年、アメリカで商用インターネットが始まる。同年、日本でWIDEプロジェクト開始[25]

1989年、商用ネットワークとNSFNetとの接続が開始される。

1990年、スイスの素粒子物理学研究所・CERNの研究員であったティム・バーナーズ=リーは、当時上司だったロバート・カイリューらの協力によりWorld Wide Webシステムのための最初のサーバとブラウザを完成させ、世界初のウェブページが公開された。

1992年、米国ではWindows 3.1 for Workgroupの発売もあり(日本語版は発売されていない)、一般にもインターネットが普及する。

1994年7月、アメリカのタイム誌で、「インターネットは核攻撃下でのコミュニケーションの生き残りを想定して開発された」[26]という記事が掲載される。以降、ARPANETは核戦争時のための軍事ネットであるという俗説が流布するようになる。一方、ARPANET立ち上げ時のIPTO責任者であったロバート・テイラーは、この記事に対して事実とは異なる旨、正式な抗議をタイム誌に対して行った。

1995年、NSFNetは民間へ移管された。

1999年にInternet of Things(IoT)という用語が提唱された。

1999年にはADSLによるインターネットへの接続サービスが開始される。

2001年にはFTTHCATV無線通信によるインターネットへの接続サービスが開始される。

2002年から2005年に掛けて、友人紹介型のソーシャル・ネットワーキング・サービスが提供され始める。

2004年にWeb 2.0の概念が提唱される。

2005年は2010年代に一般的な日常生活で使われるようになる様々なサービスが提供開始した時期である。Google マップのサービス提供開始、iTunes Music Storeの日本へのサービス提供開始、2005年末にはYouTubeがサービスを提供を開始した。特にWebサービスに関わる重要な出来事が集中している。この年に人類史上初めて巨大知の基盤が成立したと考えられる。

1998年末にはドリームキャストが、2004年末にはニンテンドーDSが、2005年末にXbox 360が、2006年末にはPlayStation 3Wiiがオンライン機能を標準搭載し発売された。2005年以降、オンライン対戦の一般化が進んだ。

2005年からネットレーベルの音楽業界への台頭が始まる。

2000年代後半にはYouTubemixiFacebookTwitterなどが流行し、インターネットにおけるコミュニケーション活動が活発化した。

2000年から2010年に掛けて、インターネットに接続される計算機やセンサーが加速度的に増えるに従って、インターネットを介して膨大な実世界データが収集可能となり、そのようなデータを処理する専門の職業まで現れた。(データサイエンティスト)

2020年には新型コロナウイルスのパンデミック対策として世界的にテレワーク化が行われ、従来とは比較にならない程に高度なオンライン生活が始まりつつある。パンデミックの状況では自由に行えない外食やイベントや観光などのサービスがオンラインに集約され始めたが、今後はテレワークを前提とした全く新しいサービスが登場する可能性がある。
日本

1980年代、インターネット接続が非常に稀で、かなりの技術的な困難があった時代には、UUCPによる研究機関大学や一部の企業などの間でのメールネットニュースの交換がしばしば行われていた。専用線が高価だったための苦肉の策であった。

1980年代では、まだ技術系の学部がある一部の大学がインターネットにサーバを接続し、メールアドレスを設定し、ほんの一部の限られた人々がそれを使ってメールのやりとりをしたり、ファイル転送をしたり、少数のインターネット利用者に公開していた、という程度であった。PCとPCをつなぐ場合でも、ほとんどは(インターネット・プロトコルではない、メーカー依存的な、あるいは特定のネットワーク専門企業への依存的な)通信プロトコルで社内のPCを繋いだ程度であった。

1980年代後半に入って、商用のインターネット利用が、一部でようやく始まった。1990年代の前半では、大学以外では、わずかな人数の個人で、電子メールの利用を試みたり、ウェブページを実験的に作成するために、テキストエディタでHTMLファイルをベタに打って作成し、数ページ?数十ページ程度の素朴で文字ばかりのページを作ったりする程度のことであった。

1990年代末期までは、個人向け回線接続サービスの大半は低速なダイヤルアップ接続で、従量制で、かなりの高額の課金がほとんどであった。実験的に接続した一般人がいても、試行錯誤しているだけでも課金の額が膨らんでしまうので、短時間で切り上げなければならないことがネックとなり、結果、利用の時間は限られ、利用の質もほとんど向上せず、参加者もなかなか増えなかった。

1990年代に入り、Apple社やMicrosoft社などのOSメーカーがパソコン向けOSをインターネット接続可能な仕様とし、メールクライアントやウェブブラウザもOSに組み込んで提供するようになった。これによって、一般のパソコン(PC)ユーザも、インターネットを意識するようになり、かなりのスピードで普及が進むことになった。このころ、通信会社間の競争が激しくなり、電話回線への接続費用が安くなる傾向にあったことも、インターネット普及の後押しをした。インターネットプロバイダーが多数、設立されるようになり、宣伝合戦が行われるようになった。

2000年代に入ると、毎月定額のブロードバンド接続サービスが低価格で提供されるようになり、爆発的に普及しはじめた。[注 2]

2017年の内閣府の0歳から満9歳までの子供の保護者を対象とした青少年のインターネット利用環境実態調査によると、全体の39.2%の子供がインターネットを利用していて、0歳児で3.1%、2歳児で28.2%、5歳児で36.8%、9歳児で65.8%、と利用する割合が増えており、平日1日当たりの利用時間は平均で1時間余りとなった。[27][28] 総務省が発表した2017年の通信利用動向調査によると、個人がインターネットを利用する機器はスマートフォンが54.2%と、初めてパソコン(48.7%)を上回った。日本でもスマホがネット利用の主役となっていることがわかった。[29]

2019年、文部科学省GIGAスクール構想という取り組みが始める。
社会的影響

WWWが発明された1990年から2010年までの20年間に、インターネットは学術ネットワークから日常生活のインフラへと変革を遂げた。それに伴い情報の流通量の激増と取得コストの大幅な低下が起き、世界の在り方そのものが大きな変革を遂げ、ユビキタス社会となった。この変革はIT革命デジタルトランスフォーメーション(DX)などと呼ばれてきた。
グローバリゼーションの加速

1990年代からグローバリゼーションの急加速は、インターネットや情報技術の進歩による部分が非常に大きい[30]

たとえば文化的グローバリゼーションに関しては、2007年より動画共有サービス[注 3]、2010年よりSoundCloudなどの音声ファイル共有サービスを用いて、国境を越えて音楽を発信したり発見したりすることが活発化した。一般のリスナーでも音楽関係者でも、国境や文化圏を越えて異ジャンルの音楽に触れることができるようになり、隔たっていた様々な音楽の融合も加速した。政治的グローバリゼーションでは、国境の向こう側の政治的状況もよく伝わり、容易に連絡も取り合えるので、自国の状況も他国と比較しつつ把握できるようになり、グローバル規模での民主化も促進された[31]。2010年から2012年にかけてのアラブの春において、インターネットによって連絡を取り議論を深めていった市民が独裁政治を倒したのは、ひとつの例である[32]。なおこの政治的グローバリゼーションは民主化の方向にばかり進んだわけではなく、例えばイスラーム圏のイスラーム教徒同士も国境を越えて容易に交流できるようになり、それを利用してISIL(イスラム国)などの原理主義軍事勢力がグローバル規模で戦闘員の募集を行うなどの弊害も起こった。
従来型メディアの位置づけの低下


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