インターネット百科事典には、使用している言語から、取り扱っている主題、運営方法まで様々なものがある。以下、いくつかの基本的な属性を列挙する。 ウィキペディアやコロンビア百科事典、スカラーペディアなどは、インターネット経由で誰もが無料で閲覧できるスタイルを採用している。これはオープンアクセスモデルなどと言われる[35]。 一方で、ブリタニカ・オンラインやラウトレッジ哲学百科事典などは、一定期間ごとに決められた金額を支払った者のみが全文を閲覧できる、購読型のモデルを採用している。 この場合、個人で料金を支払う方法を個人購読 (Personal Subscription)、大学図書館や研究所などが組織単位で料金を支払う契約方法を機関購読 (Institutional Subscription) と言う。機関購読で契約した場合、特定のIPアドレスからのアクセスに対して閲覧を許可する、といった方法が取られる。 百科事典の内容を再利用できるかどうかで、サイトごとに様々な違いがある。各国の著作権法や条約で定められているすべての権利を主張する All rights reserved の状態で公開されているものと、クリエイティブ・コモンズ、GNU Free Documentation License (GFDL) といった再利用可能なライセンスの元で公開されているものがある。 例えばウィキペディアでは CC BY-SA というライセンスが採用されており、著作者表示など一定の要件を満たしさえすれば、サイトの内容を書籍の形で有償で販売することも自由に可能である。一定の条件の元で自由に再利用が可能であることはオープンコンテントとも言われる[36]。 専門家が執筆する百科事典では、編集委員が各分野の専門家に依頼して各項目を執筆してもらうのが一般的である。珍しい例として、スカラーペディアには利用者の投票で執筆者を選定する選挙システムがある。 原稿を執筆した専門家に対して謝礼を支払うかどうかはサイトによって異なる。ブリタニカは執筆者に金銭を支払っているが、スカラーペディアやスタンフォード哲学百科事典は支払っていない[40]。 ウィキペディア、雑学ペディアや Vikipedia などの百科事典サイトでは執筆者は自由参加となっており、無給でかつ参加が自発性に基づく事からボランティアと表現されることもある[41][42]。こうしたサイトではコンテンツの利用者と作成者は近い位置にあるか、または重なっている。こうした作り手と受け手が重なった状態にあることは Web 2.0、またそうして生み出される媒体やコンテンツは Consumer Generated Media (CGM、消費者生成メディア)、User Generated Content (UGC、ユーザー生成コンテンツ)などと言われる[43][44][45]。 匿名で参加できる自由参加型プロジェクトにおける投稿者像は、それほどはっきりしない。2009年にウィキペディアで13万人を対象に行われたアンケート調査では、投稿者の75%が30歳以下、そして投稿者の87%が男性であった[37][38][39]。
オープンアクセス/購読
ライセンス
執筆者参加型百科事典の利用者分布の例。2009年にウィキペディアで13万人を対象に行われた調査では、投稿者の75%が30歳以下、そして投稿者の87%が男性であった[37][38][39]
資金源
Size:71 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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