インシテミル
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ホストに依頼され、彼らの望む実験を代わりに運営している団体。「クラブ」と表記される。単行本では「実務連絡汎機構」または「機構」と表記されている。
主人
〈実験〉の企画者。作中では、スピーカー越しの声のみ。結城曰く「空気の読めないミステリ読み」。
解決
事件に関しての推理を皆の前で披露し、探偵役(および助手)と犯人を除いたその場にいる人数のうち半数以上が賛成した場合、犯人が決定するというもの。

午後10時から午前6時までのこと。この間は自分の個室から出てはならないというルールがある。
ガード
「暗鬼館」内で、12人のモニターの他に活動するロボット。死傷者の回収や現場の清掃、暴力的な混乱を鎮めるような場合に呼ぶことができる。「監獄」に入ることが決まった者が抵抗した場合や、危害を加えられると、モニターに反撃することが可能。夜の間の見回りで自分の個室から出ている者に対しては、警告が行われ累積すると殺害が可能となる。最大速度は時速20キロメートル。
躊躇の間
施設内にある隠し通路から続く、外に通じる部屋。ここに1人でも入れば、館内のエネルギー供給は停止する。
実験の舞台

地下に作られた、洋館風の施設〈暗鬼館〉(あんきかん)が、実験の舞台となる。12人のモニターは、随所に仕掛けられた監視装置にて、常に行動を記録されている。実験開始時や、ルールについての説明、〈解決〉開始の宣言など、スピーカーから〈クラブ〉の指示が流れる。

暗鬼館は円状になっており、中央には、ラウンジ (Lounge)、レストルーム (Rest Room)、ダイニング (Dining Room) とキッチン (Kitchen) の4部屋がある。ラウンジから出る3つの出入り口は、円周上の17の部屋につながっている。部屋は1から12までナンバリングされた人数分の個室 (Private Room) と、霊安室 (Mortuary)、娯楽室 (Recreation Room)、監獄 (Prison)、守衛整備室 (Guard Maintenance Room)、金庫 (Vault) の5部屋がある。
ラウンジ
円型の部屋。ダイニングに通じる扉と3つの出入り口がある。深い飴色の円卓があり、そこには12体の
ネイティブアメリカン人形[注 6]が並んでいる。ラウンジの天井には外部と繋がる出口があり、終了条件を満たすと梯子が降りてくる。
ダイニング
ラウンジの白木の扉から通じている、食堂として使われる部屋。
キッチン
コンロやシンクなどは無い。コーヒーや紅茶、酒類などの飲み物が置かれているほか、〈クラブ〉から供給される食料をランチボックスから取り出すことができる。
個室
12ある個室。部屋のドアは引き戸で鍵がかからない。ベッド、クローゼット、洗濯機、洗面室、ジャグジーがある。唯一ジャグジーだけは鍵がかかるようになっているが、室内の温度はサウナ並に高く、長時間中に籠もることはできないようになっている。扉の開閉は静かで、閉め切ると内側の音が聞こえない完全な防音となっている。"TOY BOX"と書かれた箱が置いてあり、部屋のナンバーが書かれたカードキーでのみロックを解除できる。その箱の中にあるものが、各人に与えられる武器で、「○殺」との言葉から始まる解説書(メモランダム)が添えられている。実験に関するルールブックも入っている。
霊安室
中には10個の棺桶が並んでいる。隣には12号室がある。
娯楽室
ビリヤードやトランプなどの遊具や、タイプライター風のワープロが置かれている。
守衛整備室
〈ガード〉が停留する部屋。夜になると巡回のために〈ガード〉が解放される。傷病者が発生すると〈ガード〉は傷病者を守衛整備室に運びこみ治療を行う。
監獄
〈解決〉で半数以上の賛成により犯人と認定された人物が、実験の残りの日数を過ごす部屋。
金庫
全員のカードキーをかざすと開けることができる。隣は1号室となっている。死亡または監獄に入ったモニターの所持武器を入れて使用不可能にする。
凶器
TOY BOXの中にあらかじめ用意されている。それぞれ、火掻き棒手斧ニトロベンゼンスリングショット(パチンコ)、マンドリンボウガン、自殺用の赤い丸薬吊り天井の動作スイッチ、氷のナイフ空気ピストル、爆薬が仕掛けられたゴルフクラブ、である(原作版)[注 7]
ルール
行動に関するルール
モニターは、〈夜〉の間は、自分の個室から出てはならない。外や別人の個室にいるところをガードに発見された場合、3回までは警告を受ける。3回警告を受けた者が次に発見された場合、ガードによって殺害される。

事件が起きたら、モニターはそれを解決することができる。〈解決〉においては、直感によらない理由で犯人を指摘し多数決で決定する。

1人以上のモニターが館内にある秘密の通路から外に出た場合、残りの人数が2人になった場合、7日未満で実験を終了することがある。

報酬に関するルール

基本給は時給11万2000円であり、期間は最大7日間、毎日24時間分給与が発生する。一定の条件を満たすと、報酬が増減する。なお被験者が死亡しても報酬は支払われ、その場合は「被害者ボーナス」を加えた額が直近の家族へと送金される。
増額する条件


犯人ボーナス - 他の参加者を殺害したものは、総額が2倍となる。累積する。

探偵ボーナス - 殺人事件に対して、〈解決〉の場で正しい犯人を指摘したものは、総額が3倍となる。累積する。

〈解決〉にあたって、証言が根拠として認定されたものは10万円のボーナスが与えられる。

被害者ボーナス - 他の参加者に殺害されたものは総額が1.2倍となる。

助手ボーナス - 〈解決〉の際に、助手として指名され役に立ったものは総額が1.5倍となる。

ガードの攻撃によって死亡した場合、3億円が支払われる。

減額される場合


〈解決〉の際に、探偵として殺人を犯していない相手を犯人と指名してしまいそれを自身で訂正できなかった場合、探偵ボーナスを全て取り消しかつ総額が0.5倍になる。累積する。ただし〈実験〉終了までに自ら訂正した場合はこの限りではない。

監獄に入れられた者は、以降の時給が780円となる。

殺人を行おうとする際に第三者に見つかり制止されても従わなかった場合、全額没収となり、以降監獄に収容される。

映画

インシテミル
7日間のデス・ゲーム
監督
中田秀夫
脚本鈴木智
原作米澤穂信
製作ウィリアム・アイアトン
堀義貴
宮崎洋
製作総指揮小岩井宏悦
菅井敦
奥田誠治
出演者藤原竜也
綾瀬はるか
石原さとみ
阿部力
平山あや
石井正則
大野拓朗
武田真治
片平なぎさ
北大路欣也
音楽川井憲次
主題歌May'nシンジテミル」 (flying DOG)
撮影林淳一郎
編集高橋信之
制作会社ツインズジャパン
製作会社「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」製作委員会
配給 ワーナー・ブラザース映画
公開 2010年10月16日
上映時間107分
製作国 日本
言語日本語
興行収入12.2億円[4]
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『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』(インシテミル なのかかんのデス・ゲーム)のタイトルで、ホリプロ50周年記念作品として2010年10月16日に松竹系ほかで公開された。キャストは全員ホリプロ所属者である。

2010年10月16、17日初日2日間で興収2億573万7600円、動員は15万1558人になり映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第3位となった。ワーナー・ブラザース映画初の日本映画海外配給作品としてフランス、オランダなど世界28か国地域で配給。

2010年8月16日よりTSUTAYAで『インシテミルをもっと楽しむメイキングDVD』付前売券が発売。aja.jpでは映画を記念した時給112,000円のアルバイトが実際に募集された[注 8]

2010年10月15日にはテレビ特番・金曜スーパープライム『天国と地獄ツアーin香港・超豪華&超珍品料理に絶叫!』と『映画情報シネマガ拡大版「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」公開記念SP!!』が放送、10月18日には『藤原竜也のオールナイトニッポンインシテミルスペシャル』がオンエアされた。
原作との相違点


釜瀬と箱島が登場せず、実験の参加者は10人となっている。

一部を除き、人物設定や配布された凶器が異なっている。ネイルガン筋弛緩剤が登場する。

西野が遺体で発見されるのが実験の2日目である。

「躊躇の間」は存在せず、生存者2名となるか7日目のタイムアップまで出入り口は封鎖されている。

キャッチコピー


究極の心理戦。参加者10名決定!

時給112,000円の心理戦、参加者10名。

死ぬか、稼ぐか。

死の推理ゲームを制し、生き残って大金を得るのは、誰だ?

俺を殺すのは、誰だ?

登場人物

結城理久彦 -
藤原竜也

須和名祥子 - 綾瀬はるか

渕佐和子 - 片平なぎさ

関水美夜 - 石原さとみ

橘若菜 - 平山あや

大迫雄大 - 阿部力

西野宗広 - 石井正則

真木雪人 - 大野拓朗

岩井荘助 - 武田真治

安東吉也 - 北大路欣也

声の出演


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