イングロリアス・バスターズ
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家族を殺された復讐に、上映会に集うナチス高官をニトロセルロースフィルム[6]を使って劇場もろとも焼き尽くすことを思いつく。(第3章『パリにおけるドイツの宵』)

ドイツ軍およびナチス党高官が一堂に会するプレミア上映会の情報は英軍もつかんでいた。フェネク将軍はドイツ語と映画史に堪能なヒコックス中尉を呼び出し、チャーチル首相もいる場で、ドイツ人高官ごと劇場を爆破するキノ(映画館)作戦について説明する。ヒコックスはドイツ語のできるバスターズのメンバーとともに、フランスの田舎町にあるバーをドイツ軍将校に扮して訪れる。そこで作戦を手引きするドイツ人人気女優でイギリスのスパイでもあるブリジットとランデブーする手はずであったが、バーにはその日に限って子供が生まれたドイツ軍兵士とそれ祝う仲間が集っていた。ブリジットはドイツ軍兵士から息子の誕生祝いにと、サインをせがまれる。ヒコックスは、その不自然なドイツ語訛りをドイツ軍兵士に不審がられ、さらに飲み物を頼む仕草が決め手となって、その場に居合わせたゲシュタポのヘルシュトローム少佐にドイツ人ではないことを見破られてしまう。ヒコックスが開き直ると、バーのマスターとウェイトレスも巻き込んだ銃撃戦になり、足に銃弾を受けながらもブリジットだけが生き残る。ブリジットに裏切られたと思ったレインは、近くの動物病院で拷問を加えるが、ドイツ軍兵士達が居合わせたのは単なる偶然だという説明に納得する。さらに、ブリジットはレインたちに、プレミア上映会にはヒトラーも出席するという新情報を伝える。ドイツ語ができるメンバーを失ったバスターズは、レイン、ドニー、オマーが、ドイツの同盟国のイタリア人の振りをしてブリジットを上映会にエスコートすることを決める。後にバーを捜索したランダは、ハイヒールとブリジットのサイン入りナプキンを発見する。(第4章『映画館作戦』)

『国家の誇り』プレミア上映会に続々とドイツ人高官が集まってくる。警備に当たるランダは、疑いをかけるブリジットの「イタリア人」エスコートたちに堪能なイタリア語で話しかける。ランダはブリジットを別室に連れ出していすに座らせると、バーで見つけたハイヒールを試着させる。サイズが合うことを確かめたランダは、ブリジットに飛び掛り、絞め殺す。さらに、ロビーで待つレインと外で待機していたウティヴィッチを逮捕して連行すると、無線でレインの上官と掛け合い、劇場に残るドニーとオマーにナチス高官の暗殺を許す代わりに、ランダの恩給を認めた上で訴追せずに米国へと亡命させることを呑ませる。劇場ではフレデリックがショシャナがいる映写室に押しかけていた。フレデリックを追い払えないと悟ったショシャナは、映写室のドアに鍵をかけようとしているフレデリックの背中をピストルで撃つ。死んだと思ったフレデリックがうめき声を上げ、ショシャナが近づく。フレデリックは最後の力を振り絞って体の向きを変えるとショシャナを射殺する。ショシャナが事前に編集していた『国家の誇り』は、連合軍へのメッセージを伝えるフレデリックの顔からショシャナの大写しへと切り替わり、観客はこれからユダヤ人に殺されると伝える。これを合図に、ショシャナの映写技師で恋人のマルセルが、劇場の出口にボルトをかけて観客が逃げられないようにした上で、スクリーン背後に積まれたフィルムに火を放つ。ドニーとオマーはバルコニー席のヒトラーに飲み物を運ぶ振りをして護衛を射殺すると、マシンガンを奪って、ヒトラー、その場に居合わせたゲッベルス、さらには炎から逃げ惑う一階の観客たちを滅多撃ちにする。最後はドニーとオマーが仕掛けた爆弾が爆発して全員が死ぬ。

レインらを載せたトラックで米軍の支配地域までたどり着いたランダは、事前の打ち合わせ通り、レインに投降する。銃とナイフを受け取ったレインはその場でランダの通信兵を射殺し、ウティヴィッチに頭皮を剥ぐよう命令する。混乱して怒鳴るランダ。レインはランダに、アメリカではナチスの軍服を脱いでナチスだと分からないようにして暮らすつもりなんだろう、と尋ねる。映画はレインがランダを押さえつけてナイフで額に鉤十字を刻み、ウティヴィッチに語りかけるシーンで終わる。「どうだいウティヴィッチ、こりゃダントツで最高傑作だ。」(第5章『巨大な顔の逆襲』)
登場人物・キャストイーライ・ロスメラニー・ロラン、プロデューサーのローレンス・ベンダー2009年カンヌ映画祭にて)ショシャナ役のメラニー・ロラン(2009年)2009年カンヌ映画祭に出席するキャストとスタッフ
バスターズ
アルド・レイン中尉
演 -
ブラッド・ピット、日本語吹替 - 山寺宏一隊長。自称アパッチ族の末裔。
ドニー・ドノウィッツ軍曹
演 - イーライ・ロス、日本語吹替 - 後藤敦「ユダヤの熊」という通称を持つ隊員。バットでナチスを撲殺することが趣味。
ヒューゴ・スティーグリッツ軍曹
演 - ティル・シュヴァイガー、日本語吹替 - 横島亘元ナチス兵の隊員。一度キレると手が付けられない。
ヴィルヘルム・ヴィッキ伍長
演 - ギデオン・ブルクハルト、日本語吹替 - 楠大典オーストリア生まれの隊員。
スミッソン・ウティヴィッチ上等兵
演 - B・J・ノヴァク、日本語吹替 - 浜田賢二背が低く華奢な隊員。
オマー・ウルマー上等兵
演 - オマー・ドゥーム、日本語吹替 - 後藤哲夫隊員。
ヒルシュベルク上等兵
演 - サム・レヴァイン、日本語吹替 - 勝杏里隊員。
マイケル・ジマーマン上等兵
演 - マイケル・バコール隊員。
ユダヤ人
ショシャナ・ドレフュス
演 -
メラニー・ロラン、日本語吹替 - 松谷彼哉パリの映画館の館主。過去にナチス(ランダ)に家族を殺害され、「エマニュエル・ミミュー」という偽名で暮らしている。
フランス人
マルセル
演 -
ジャッキー・イド、日本語吹替 - 宮内敦士ショシャナの映画館の映写技師。黒人。
ペリエ・ラパディット
演 - ドゥニ・メノーシェ、日本語吹替 - 宮内敦士フランスの田舎に三人の娘と共に暮らす男性。ショシャナと彼女の家族を匿っていたが、ランダの尋問に耐えられず居場所を明かしてしまう。
エリック
演 - クリスチャン・ベルケル、日本語吹替 - なし(原語流用)ドイツ軍人が集う地下酒場の主人。
バルベット
演 - ジャナ・パラスキー、日本語吹替 - なし(原語流用)
シャーロット・ラパディット
演 - レア・セドゥペリエの娘。
アメリカ人
無線の声(司令部)
声 -
ハーヴェイ・カイテル(クレジットなし)、日本語吹替 - 藤本譲
イギリス人
アーチー・ヒコックス中尉
演 -
マイケル・ファスベンダー、日本語吹替 - てらそままさきバスターズへの協力を命じられたイギリス軍人。


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