奴隷貿易によってイングランドには少なくとも16世紀ごろから黒人がいた。また19世紀半ばより、イギリス領インド帝国があったため、インド人もいた[53]。この移民の一つの結果として、ブリクストン暴動やブラッドフォード暴動など、民族間の緊張や遺恨による事件が起こり、また少なからぬ人種間結婚もあった。2001年の国勢調査では、イングランドの総人口のうち31%が自らを混血 (Mixed) であると答えている[54]。また、2007年、サンデー・タイムズは混血の人々が2020年までにイギリスで最も大きな少数民族になると報じた[53]。 1990年後半には、イングランドの国民アイデンティティ (English national identity
イングリッシュ・ナショナリズムの復活
2005年に設立されたイングランド協会 (The England Society) は、イングランド人らしさを政治的・宗教的概念ではなく文化的・市民的な考え方としてアピールしている。イングランド協会は、主にweb中心の多くのキャンペーンを展開しており、2008年10月の時点でおよそ800人の登録会員を有している。
イングリッシュ・ナショナリズム (English nationalism) 活動の結果は様々である。世論調査に寄れば、イングランド分権議会はウェールズ・スコットランドのナショナリストに加えて、イングランド居住者の3分の2からも支持されているという[56][57][58]。だがこれとは逆に、イングランド民主党 (English Democrats、イングランドのナショナリスト政党) は2005年のイギリス総選挙で14,506票しか得票できなかった。 古来より、イングランド人はイングランドを離れ、ブリテン諸島外に定住してきた。だがこの移住者の数を特定することは不可能である。なぜなら、イギリスと国勢調査では回答者に対して自らが「イギリス人」とする回答を求めなかったからだ[59]。しかしながら、国勢調査には出生地の記録があり、スコットランドの総人口のうち8.08%[60]、北アイルランドの3.66%[61]、ウェールズの20%がイングランド生まれだと回答している[62]。同様に、アイルランドの国勢調査も民族性についての情報は集めていないが、アイルランド居住者のうち20万人以上がイングランド・ウェールズで生まれたと記録されている。 ⇒[6] イングランド人の移民およびイングランド民族起源のコミュニティは世界中に存在し、場所によってはかなりの人数が定住している。イングランドの植民者・移民を祖先に持つ人々が多数存在しているのは、 アメリカ合衆国、カナダ、オーストラリアそしてニュージーランドである。これらの国々では、イングランド人は居住者の大多数を占めている。 2000年のアメリカ合衆国国勢調査では、24,509,692人は、先祖すべてがイングランド人 (English)、もしくはイングランド人が含まれると回答した。さらに、1,035,133人がイギリス人 (British) 起源と答え、またアメリカ人(American カナダの2006年国勢調査での民族起源の質問では、「イングランド人」が最も多く記録されている。6,570,015人は先祖すべてがイングランド人 (English)、もしくはイングランド人が含まれると回答した[64]。また、イングランド人ではなくカナダ人 (Canadian
地理的分散
イングランド人の国外移住
オーストラリアでは、2006年の国勢調査で、6,298,945人の人々が「イングランド人」だと答えた。これらのうち1,425,559人は、両親どちらも海外生まれであると答えた。
イングランド人を先祖・民族的起源とする人々は、スコットランド・ウェールズ、その他にもアイルランド島・ニュージーランド・南アフリカ共和国・チリ・アルゼンチンに多く住んでいる。
1980年代より、多くのイングランド人が気候や安い住宅価格に惹かれてスペインやフランスに永住・半永住している。その数は3万人以上とみられ、増加傾向にある[66][67][68][69]。