イルカ
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フランス政府は2023年、動物福祉の観点から水族館でのイルカ繁殖を禁止、同時に捕獲も禁止した[16]アメリカの複数の州、カナダはイルカ飼育を禁止している[17]

ただし、野生のイルカと飼育下のイルカを実際に比較した研究では、野生のイルカの半数以上が何らかの病気に罹患しており、飼育下のイルカの方が遥かに健康的であるとされている。研究では360頭以上の野生のイルカが検査されたが、野生のイルカからは「新興感染症や腫瘍、抗生物質耐性菌、驚くほど高いレベルの汚染物質」が検出され「臨床的に正常」とされるイルカは半数にも達せず、厳格に管理された飼育下のイルカの方が健康であるとされた[18]。詳細は「イルカショー」を参照



イルカとの触れ合い

水族館でジャンプをすることもよく見られる(沖縄美ら海水族館にて)


軍用米海軍海洋哺乳類利用計画のもと、発信機を着け、訓練を受けるイルカ

アメリカ海軍においては動物兵器(軍用イルカ)として、機雷の探知・ダイバー救助などに利用されている。米海軍が和歌山県太地漁港からハナゴンドウを購入した事例もある。
文化
季語

海豚」は季語
日本武内宿禰に連れられた太子(応神天皇)はイザサワケと名の交換を行ったとする(易名説話)。説話によれば、太子が角鹿(敦賀)の仮宮を営んでいると、夜の夢にイザサワケが現れて名を交換するよう告げられた。太子が承諾するとイザサワケは翌朝に浦に出るように言い、太子が言われたとおりにすると浦には一面にイザサワケの献じた入鹿魚(イルカ)があった。これにより太子はイザサワケを「御食津大神(みけつのおおかみ)」と称え、のちにその名が「気比大神」となったという。この伝承からはイルカが当時より食料(「御食(ミケ)の魚(ナ)」)とされていた事が分かる。また古事記では、鼻を怪我したイルカの血の臭いから座礁した浦を「血浦(ちうら)」と名付け、これが転じて「都奴賀・敦賀(つるが)」という地名が生まれたという(日本書紀では都怒我阿羅斯等(つぬがあらしと)に由来するとしている)。『太平記』流布本巻23「大森彦七が事」では、悪七兵衛景清が持つ「癡」という妖刀が壇の浦の戦いで海に落ちたのを、イルカが飲み込んで、讃岐国香川県)の宇多津沖まで運び、100年余りのちに漁師によって引き上げられたその刀を、楠木正成を倒したという武将大森盛長が手にしたという伝説が描かれる(楠木正成#怨霊伝説)。クノッソスにあるイルカのフレスコ画

上述のように、食用のイルカ漁がおこなわれる一方で、イルカの姿態や習性が人間に近いことから、イルカ供養も盛んにおこなわれている[19]
シュメール/バビロニア神話イルカ信仰=魚信仰(注:古代人にとって、クジラ・イルカ類は「魚」に分類される)の起源を遡ると、最古の物としては、シュメールの「アプカルル」/「アダパ」に辿り着く。バビロニアの「オアンネス」も同じ存在を指しているとされ、これらは、エンキ (エア)やダゴンと同一視される。これらは「賢者=知恵の神」とされ、「イルカが賢い」とされる言説は、根源的にはこれに由来する[要検証ノート]。アプカルルは、アッカド語で「偉大な水の人」の意味で、「偉大な」という意味の形容詞「カル」を取ると、「アプル」すなわち「水の人」という意味になる。この「アプル」は、冥界の太陽神ネルガルの称号であり、この「アプル」がアポローンアプロディーテーの語幹「アポロ」「アプロ」の語源であると考えられている。
ギリシア神話イルカはアポローンアプロディーテーディオニューソスポセイドーンアムピトリーテーの聖獣である。ポセイドーンの息子トリートーンは上半身が人間で下半身がイルカとされる。古代ギリシアにおいてイルカを殺すことは、重大な罪であった。
ユダヤ教

@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}ユダヤ教では、クジラ・イルカ類は、カシュルート(食事規定)の「海や川の住民のうち、ヒレ、ウロコのないもの」に該当し、ウロコのない「魚」なので、食べてはいけない。[要出典]
キリスト教古代西洋世界において、「魚」の中でもっとも強く速いとされたイルカは、魂を冥界に運ぶ使者と考えられた。初期キリスト教でも、イルカはクジラとともに「救済と復活の象徴」となった。また、魚であることから、「キリストの象徴」ともされ、しばしば三つ又の矛(ともに三位一体の象徴)と結びつけられて、カタコンベの壁画などで表現された。クジラ・イルカ類の捕獲(捕鯨)・屠殺に対する西洋人のヒステリックな反対運動の背景には、こうしたクジラやイルカを「神聖動物=神の使い=天使=救世主」と見做す、西洋世界の宗教的心性の伝統がある。シンボル(象徴)としては、大きな「クジラ」が神で、小さな「イルカ」が救世主に相当する。クジラ=神、イルカ=救世主。
イルカを題材とした作品
小説・童話


『ライオンとイルカ』(
イソップ童話

『イルカと海へ還る日/HOMO DELPHINUS]』(ジャック・マイヨール Jacques Mayol)


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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