イリノイ州の2008年州総生産(Gross state product)はアメリカ合衆国内で5番目に位置する6,340億米ドルだった[35]。2008年の一人当たり総生産は40,006米ドル[35]、一人当たり収入は41,411米ドルと推計された[36]。
イリノイ州の所得税は純利益に、現在は3%の均一税率を掛けて求められる[37]。消費税には2種類あり、一般商品は6.25%、限定食品、薬品および医療器具には1%である[38]。イリノイ州では資産税が最大の州税であり、地方政府課税地区では主要な歳入源となっている。資産税は州税ではなく地方税であり、郡、郡区、市町村、学区および特別の課税地区を含む課税地区によって課されている。資産税は固定資産にのみ課されている[17][29][19]。
2010年3月時点で、州内の失業率は11.5%である[39]。 イリノイ州の農業生産品はトウモロコシ、大豆、豚、牛、酪農製品、及び小麦である。大豆の生産高では通常国内第1位あるいは第2位となっており、2008年では4億2,770万ブッシェル (1,164万 トン) であり、アイオワ州に次いで第2位だった[40]。トウモロコシでは毎年15億ブッシェル (4,000万トン) 以上を生産して、国内第2位である[41]。州内の大学は代替収産品として他の農作物を積極的に研究している。 イリノイ州は国内でも工業生産の中心であり、2006年には1,070億ドル以上を生産して付加価値生産性を誇っている。製造業の約4分の3は北東部機会返還地域にあり、州内約18,900工場のうち38%はクック郡内にある。2006年時点で付加価値に基づく製造業の分野は、化学(183億ドル)、機械(134億ドル)、食品(129億ドル)、金属製品(115億ドル)、輸送機器(74億ドル)、プラスチック・ゴム製品(70億ドル)およびコンピュータと電子機器(61億ドル)となっている[42]。 2000年代初期までにイリノイ州の経済は、金融取引、高等教育、法律実務、物流および医療といった高付加価値サービス業への依存度が高くなってきた。これらのサービス業はイリノイ州の以前の経済を牛耳ってきた機関の周りに集まってきた。例えば、世界的なデリバティブ商品を扱うシカゴ・マーカンタイル取引所は農製品の先物市場として始まった。その他の非製造業で重要な分野には、出版、観光およびエネルギー生産・分配がある。 イリノイ州は石炭の大きな埋蔵量や小さな油田があるもののエネルギー用燃料は輸入超過である。電力は輸出しており、発電量では国内第5位、消費量では同7位の州となっている[43]。 イリノイ州の石炭産業 最近マトゥーン市がアメリカ合衆国エネルギー省によるフューチャージェン計画の場所に選定された。これは275メガワットのゼロ・エミッション石炭焚き実験発電所であり、エネルギー省より2期目の予算を得たところである。 イリノイ州は中西部では石油精製の盛んなところであり、原油を1日に90万バレル (143,000 m3/d) 近く精製できる能力がある。しかし、確認埋蔵量はアメリカ合衆国全体の1%にも満たない。住宅の暖房は81%が天然ガスであり、灯油は1%未満である。2005年の石油生産量は国内第14位であり、1日あたりの生産量は約28,000バレル (4,500 m3) となっている[45]。 原子力発電は、シカゴ大学キャンパスに建設された世界初の原子炉で世界初の人工で自己持続する核連鎖反応を成功させたシカゴ・パイル1号で始まったとされている。現在州内には6つの原子力発電所が稼動している。すなわち、ブレイドウッド、バイロン、クリントン、ドレスデン、ラサールおよびクアッド・シティズの6ヵ所である。クリントンは単一炉だが、その他は反応炉を2基ずつ持っている。ドレスデン1号炉とザイオン1号炉、2号炉の3つの原子炉は恒久的に稼働停止され、閉鎖のための様々な段階にある。50州の中で、イリノイ州は原子力発電能力と発電量で第1位となっている[46]。2007年にイリノイ州発電量の48%は原子力で生産された[46]。 イリノイ州は発電に風力を利用することに興味を持つようになってきた[47]。州内の大半の地域は2009年にエネルギー省によって風力発電に「最低限あるいは有望」と判定されており、西部の幾らかは「良好」、南部の一部は「見込みなし」とされた[48]。これらの格付けは支柱高さ50mに風力タービンを置いたときのものであり、より新しい風力タービンは背が高くなるので地表面から離れたより強い風を受けることが可能になる。その結果、イリノイ州のかなりの地域が風力発電の場所として有望になった。2009年9月時点で、低格出力1,116.06メガワットの発電能力があり、さらに741.9メガワットの発電所が建設中である[49]。イリノイ州の風力発電能力では国内第9位であり、潜在的能力では16位になっている[49]。大型の風力発電所はツイングローブズ、レイルスプリッター、エコグローブ、およびメンドータヒルズにある[49]。 2007年時点で風力発電量はイリノイ州エネルギー生産量の1.7%に過ぎず、将来的にはエネルギー需要の5ないし10%を生産できると見積もられている[50][51]。
農業
製造業
サービス業
エネルギー
石炭
石油
原子力オーグル郡にあるバイロン原子力発電所
風力イリノイ州の風力分布図、地表面からの高さ50m、2009年
Size:181 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
担当:undef