イリノイ州の北東部境界はミシガン湖である。インディアナ州との東部境界はウォバッシュ川の南西部、並びにインディアナ州ビンセンズ(Vincennes)から北に伸ばした線すなわち西経87度30分の経線となっている。ウィスコンシン州との北部境界は北緯42度30分線とされている。ミズーリ州及びアイオワ州との西部境界はミシシッピ川である。ケンタッキー州との南部境界はオハイオ川の北岸にそって走っている[16]。イリノイ州はミシガン州とも隣接しているが、ミシガン湖の水境界となっている[17]。
イリノイ州は全体が内陸平原(Interior Plains)内に位置しているが、3つの主要な地理的区分がされている。初めに、シカゴ市(2020年国勢調査時点での市域人口2,746,388人[18])、その郊外、並びに都市圏が拡大した隣接する準郊外の地域を含むシカゴ大都市圏(MSA人口9,618,502人、CSA人口9,986,960人[18])が大半を占めるイリノイ州北部である。この地域は州間高速道路80号線及び同90号線沿いにあり、連邦政府の定義では、インディアナ州及びウィスコンシン州内のいくつかの郡を含み、アイオワ州境方向のイリノイ州北東部まで延びている。この地域は国際都市となり、人口密度が高く、工業化が進み、多様な民族が住んでいる。第4の都市圏で州内第5位の都市であるロックフォードは州間高速道路39号線と同90号線沿いにあり、シカゴの北西75マイル (120km) ほどの位置にある。シカゴの含まれるクック郡は2020年国勢調査時点での人口5,275,541人[18]を数える、イリノイ州内で最も人口の多い郡であり、全米でもカリフォルニア州ロサンゼルス郡に次いで2番目に多い。
2番目の大きな区分はイリノイ州中部であり、南方と西方に広がり、大半はプレーリーである。イリノイ州のハート(心臓部)とも呼ばれ、小さな町と中程度の大きさの都市があることが特徴である。その西側(イリノイ川の西岸)は当初、米英戦争退役軍人用地の一部であり、イリノイ州の形状を西に出っ張らせることになっている。特にトウモロコシと大豆を主産品とする農業が盛んであり、教育機関や製造業が集まっている。主要都市としては、人口約40万人[18]と州内第3位の都市圏の中核都市ピオリア、州都スプリングフィールド、クインシー、ディケーター、ブルーミントン・ノーマル都市圏、シャンペーン・アーバナ都市圏がある[17]。クアッド・シティズ(正式名称:ダベンポート・モリーン・ロックアイランド都市圏)は2020年時点で人口384,324人[18]であり、シカゴとほぼ同じ経線に位置する。これらの都市は経済、政治および文化の結び付きが強いのでイリノイ州中部に含められることがある。この人口で実際には州内第3位の都市圏となるはずだが、イリノイ州とアイオワ州の2つの州に跨っているので、都市圏の州内順位には含められていない。
3つ目の大きな区分はイリノイ州南部であり、アメリカ国道50号線より南、ミシシッピ川とオハイオ川の合流点に近いリトル・エジプトを含んでいる。この地域は、暖かい気候、異なる農作物(過去には綿花を生産していた)、岩の多い地勢(南端部はイリノイ期とそれ以前に残っていた氷河の作用を受けていない)、さらには小規模な石油埋蔵量と石炭炭田などで他の2地域とは異なっている。人口は他の2地域より少ない。セントルイスのイリノイ側郊外は人口682,761人[18]と州内第2の都市圏になっており、集合的にメトロ・イーストと呼ばれている。もう1つ、イリノイ州南部の中心都市であるカーボンデール(市域人口21,857人[18])を中心とした、ウィリアムソン郡・ジャクソン郡・ジョンソン郡の3郡にまたがる都市圏があり、人口133,435人[18]を数える。
シカゴ都市圏以外の地域は「ダウンステイト・イリノイ」(イリノイ州下部)と呼ばれることが多い。しかし中部と南部イリノイ州の住人はその地域を文化的に異なるものと見ており、必ずしもこの表現を使わない。
イリノイ州最北西部の漂礫岩のない地域は氷河の影響を受けていないために、高度が高く岩の多い地勢となっており、州内でも他にない地域となっている。この地域にあるチャールズ・マウンドは標高1,235フィート (376 m) と州内で標高が最も高い。州内で最も高い建築物は屋上の高さが海抜2,034フィート (620m) となるウィリス・タワーである。ウィリス・タワーそのものの高さは1,454フィート (443m) である。
オールトン市からカスカスキア川までのミシシッピ川の洪水面は「アメリカの底」と言われ、古代カホキアの都市があった所である。ドイツ人が初期に入植した所でもあり、最初の州都カスカスキアがある。カスカスキアはミシシッピ川を隔ててイリノイ州全体とは対岸に位置する[17][19]。
イリノイ州南東部の一部はインディアナ州エバンズビル都市圏の延長であり、インディアナ州とケンタッキー州を併せて3州都市圏とも呼ばれる。イリノイ州内7郡がこの都市圏に入っている。 イリノイ州は南北に400マイル (640km) 近い長さがあり大陸中央に位置するために、気候は幅広く変わっている。州の大半は湿潤大陸性気候(ケッペンの気候区分でDfa)に属し、暑く湿潤な夏と冷涼から寒冷までの冬がある。州の南端部、すなわちカーボンデイルから南は温暖湿潤気候(ケッペンの気候区分でCfa)との境界にあたり、冬は温暖である。年間平均降水量は南端部での48インチ (1219 mm) 以上から北部での35インチ (889 mm) まで変化する。年間平均降雪量はシカゴ地域で38インチ (965 mm) を超えるのに対し、南部では4インチ (102 mm) 以下である[20]。過去最高気温は1954年7月14日にイーストセントルイスで記録した 117°F (47.2℃) だった。過去最低気温は1999年1月5日にコンガービルで記録した ?36°F (?37.8℃) だった[21]。 イリノイ州では年間平均で51日の雷雨があり、国内の平均日数を上回っている。竜巻の発生日数も年間平均35回と多く、年間単位面積当たり回数では5回/10,000平方マイル (5回/26,000 km2)となっている[22]。国内でも被害の大きい竜巻の多くがイリノイ州内で起こっており、1925年の3州竜巻では死者695人を出し、そのうち613人はイリノイ州住民だった[23]。この数字はイリノイ州が歴史的に周辺の州よりも人口が多いことによる部分もあるが、近年の気象予報精度の発展により、竜巻被害の程度は劇的に減少している。 イリノイ州各都市の月別平均最高最低気温(℃)都市1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
気候
カイロ[24]5/-48/-214/421/1025/1430/1932/2231/2127/1622/914/48/-1