イノベーションマネジメントコースで共通して学習するもう一つのフレームワークは、ヘンダーソンとクラークによって提案されているものである。彼らはイノベーションを4つの種類に分けている[18][19]。
革新的イノベーション (Radical innovation) - 「新しいドミナントデザインを確立し、そしてそれゆえに新しいアーキテクチャ内で結び付けられたさまざまなコンポーネントに体現された、一連の新しい中核的設計概念を確立する。」
漸進的イノベーション (Incremental innovation) - 「確立された設計を改良したり拡張したりするものである。そこでは、個々のコンポーネントは改良されても、その根底にある中核的設計概念やコンポーネント間の連携方法は変わらない。」
アーキテクチャ・イノベーション (Architectural innovation) - 「既存のコンポーネントを新しい方法で結び付けるための、既存システムの再構成。」
モジュール・イノベーション (Modular Innovation) - 「技術の中核的設計概念だけを変化させるイノベーション。」
ヘンダーソンとクラーク、クリステンセンが技術革新について語る一方で、サービスイノベーションや組織イノベーションなど、他の種類のイノベーションもある。 2023年までの過去15年間で、世界の平和レベルは約5%低下しており[20]、イノベーションは従来、破壊的なものと考えられてきた。破壊的イノベーションは文字どおり物理的に破壊するものではないが、平和工学的イノベーションは2020年頃から急速に台頭してくる。質の高い証拠とされる統計的文献分析(メタアナリシス)によれば、紛争解決などでも役割を果たす平和工学イノベーションは、従来のイノベーションの定義や原則を根本から変える可能性を秘めている[21]。 オープンイノベーション 複数組織がアセットを組み合わせ、イノベーションを創出する取組みを示す。 イノベーター理論は、1962年にスタンフォード大学の社会学者であるエヴェリット・ロジャースによって提唱され、別名普及学とも言われる。イノベーションが起こってから流行する過程において、その社会を構成するメンバーを「イノベーター」「アーリーアダプター」「アーリーマジョリティ」「レイトマジョリティ」「ラガード」の5種類に分類したものである。 いくつかの指数 (インデックス) が知られている。 米ブルームバーグ通信は毎年国別にイノベーション指数(Innovation Index)を発表している。日本ではイノベーション番付などと呼ばれ、研究開発への投資額やハイテク上場企業の集中度、高等教育の生産性などを基準にしている。 グローバル・イノベーション・インデックス
平和工学イノベーション
イノベーター理論詳細は「普及学」を参照
指数
ブルームバーグ・イノベーション・インデックス 2020[22]RankCountry/TerritoryIndex
1 ドイツ87.38
2 韓国87.3
3 シンガポール85.57
4 スイス85.49
5 スウェーデン84.78
6 イスラエル84.49
7 フィンランド84.15
8 デンマーク83.21
9 アメリカ81.40
10 フランス81.67
グローバル・イノベーション・インデックス 2020[23]RankCountry/TerritoryIndex
1 スイス66.08
2 スウェーデン62.47
3 アメリカ60.56
4 イギリス59.78
5 オランダ58.76
6 デンマーク57.53
7 フィンランド57.02
8 シンガポール56.61
9 ドイツ56.55
10 韓国56.11
イノベーション・インジケータ― 2018[24]RankCountry/TerritoryIndex
1 シンガポール73
2 スイス72
3 ベルギー59
4 ドイツ55
5 スウェーデン54
6 アメリカ52
7 イギリス52
8 デンマーク51
9 アイルランド51
10 韓国51
脚注[脚注の使い方]
出典^ “A Foundation for Innovation