ヘンダーソンとクラーク、クリステンセンが技術革新について語る一方で、サービスイノベーションや組織イノベーションなど、他の種類のイノベーションもある。 2023年までの過去15年間で、世界の平和レベルは約5%低下しており[20]、イノベーションは従来、破壊的なものと考えられてきた。破壊的イノベーションは文字どおり物理的に破壊するものではないが、平和工学的イノベーションは2020年頃から急速に台頭してくる。質の高い証拠とされる統計的文献分析(メタアナリシス)によれば、紛争解決などでも役割を果たす平和工学イノベーションは、従来のイノベーションの定義や原則を根本から変える可能性を秘めている[21]。 イノベーター理論は、1962年にスタンフォード大学の社会学者であるエヴェリット・ロジャースによって提唱され、別名普及学とも言われる。イノベーションが起こってから流行する過程において、その社会を構成するメンバーを「イノベーター」「アーリーアダプター」「アーリーマジョリティ」「レイトマジョリティ」「ラガード」の5種類に分類したものである。 いくつかの指数 (インデックス) が知られている。 米ブルームバーグ通信は毎年国別にイノベーション指数(Innovation Index)を発表している。日本ではイノベーション番付などと呼ばれ、研究開発への投資額やハイテク上場企業の集中度、高等教育の生産性などを基準にしている。 グローバル・イノベーション・インデックス
平和工学イノベーション
イノベーター理論詳細は「普及学」を参照
指数
ブルームバーグ・イノベーション・インデックス 2020[22]RankCountry/TerritoryIndex
1 ドイツ87.38
2 韓国87.3
3 シンガポール85.57
4 スイス85.49
5 スウェーデン84.78
6 イスラエル84.49
7 フィンランド84.15
8 デンマーク83.21
9 アメリカ81.40
10 フランス81.67
グローバル・イノベーション・インデックス 2020[23]RankCountry/TerritoryIndex
1 スイス66.08
2 スウェーデン62.47
3 アメリカ60.56
4 イギリス59.78
5 オランダ58.76
6 デンマーク57.53
7 フィンランド57.02
8 シンガポール56.61
9 ドイツ56.55
10 韓国56.11
イノベーション・インジケータ― 2018[24]RankCountry/TerritoryIndex
1 シンガポール73
2 スイス72
3 ベルギー59
4 ドイツ55
5 スウェーデン54
6 アメリカ52
7 イギリス52
8 デンマーク51
9 アイルランド51
10 韓国51
脚注[脚注の使い方]
出典^ “A Foundation for Innovation” (英語). www.brainfacts.org. 2023年5月13日閲覧。
^ 小稲義男 編代『研究社 新英和大辞典』(5版)研究社、1980年、1089頁。
^ Edison, H., Ali, N.B., & Torkar, R. (2014). Towards innovation measurement in the software industry. Journal of Systems and Software 86(5), 1390?407.
^ ヨーゼフ・シュンペーター 著、塩野谷祐一・東畑精一・中山伊知郎 訳『経済発展の理論』岩波書店。