ginkgo は発音や筆記に戸惑う綴りであり、通俗的にk と g を入れ替えてしばしば gingko と記される[31][33][35]。このほか、ゲーテは『西東詩集 (West-ostlicher Diwan)』「ズライカの書」(1819年)で、「銀杏の葉」Ginkgo bilobaという詩を綴っているが、ゲーテ全集初版以降、印刷では "Gingo biloba"と表記されている[35]。これはUnseld (1999)[46] によれば、ゲーテは科学者として学名 Ginkgo biloba を正しく認識していたが、詩人として Gingo という語を創作して付けたという[35]。 種小名の biloba はラテン語による造語で、「2つの裂片 (two lobes)」の意味であり、葉が大きく2浅裂することに由っている[7]。 英語では "maidenhair tree
種小名 biloba
英名
ほかにも fossil tree[10]、Japanese silver apricot[10]、baiguo[10]、yinhsing[10]などと呼ばれる。 漢名(異名)の「公孫樹」は長寿の木であり、祖父(公)が植えると孫が実(厳密には種子)を食べることができるという伝承に基づいている[8][25]。漢方(中国医学)では『日用本草』[註 8]にみられるように[29]、「白果(びゃっか[52]、はっか[25])」と呼ばれることが多い[11][25]。
その他漢名
分類と系統
分類学上の位置・イチョウ目 Ginkgoales
上位分類.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}イギリスで産出したジュラ紀のイチョウ属、Ginkgo huttoniiの葉の化石アメリカの始新世ヤプレシアンの地層で産出した本種 Ginkgo bilobaの葉の化石。「イチョウ類」も参照
イチョウ綱に置かれる。イチョウは雄性配偶子として自由運動可能な精子を作るが、これはソテツと共通である[54]。そのためソテツ類とイチョウ類を合わせてソテツ類(ソテツ綱)とすることもあった[55][56]。また1896年の「精子の発見」以前は球果植物(マツ綱)のイチイ科に置かれていた[44][57]。
元来裸子植物は(化石種を含め)種子植物から被子植物を除いた側系統群と定義された為、側系統群を認めない立場から裸子植物門は解体されてソテツ植物門 Cycadophyta、イチョウ植物門 Ginkgophyta、グネツム植物門 Gnetophyta、球果植物門 Pinophyta の4植物門に分類され[54]、イチョウ植物門は現生種としてはイチョウのみの単型の門となった。
裸子植物の4分類群は形態的には大きくかけ離れ、被子植物の側系統群と定義された為、単系統性は明らかでなかったが、Hasebe et al. (1992) による分子系統解析の結果、現生裸子植物と現生被子植物はそれぞれ単系統群であることが分かり[58]、現在これはChaw et al. (2000)[59]などほとんどの研究で支持されている[60][61]。そこで単系統群としての裸子植物が再び置かれる事になる。これまで裸子植物を分類群として建てる場合は門の階級に置かれ裸子植物門 Gymnospermae とされてきた[53] が、近年では門としてより上位の分類群である維管束植物門 Tracheophyta を立て、その下に小葉植物亜門 Lycophytina と大葉植物亜門(真葉植物亜門)Euphyllophytina を置くことがあり[62]、裸子植物はその下位分類となる。