イタリアサッカー連盟(FIGC)によって編成されるサッカーイタリア代表は、ユニフォームの青い色からアズーリと呼ばれている[43]。イタリア語で「鍵をかける」という意味の、カテナチオと呼ばれる鉄壁の守備をベースとして現在に至る。しかし近年は攻撃陣のタレントも豊富で、かつての守備だけのチームではなくポゼッションを重視したチームになりつつある。また、伝統的に綿密な戦術を重んじる傾向があり、アリゴ・サッキやジョバンニ・トラパットーニなどの名将が、現代サッカーにおけるフォーメーションを考案してきた。「ミラノダービー」および「イタリアダービー」も参照
1898年に創設されたセリエAは世界最高峰のサッカーリーグの一つであり、UEFAチャンピオンズリーグではACミランが7度、インテル・ミラノが3度、ユヴェントスが2度の優勝を果たしている。コッパ・イタリアと呼ばれる国内のカップ戦も行われている。また、日本人選手でセリエAのビッグクラブに在籍した事があるのは、中田英寿、長友佑都、本田圭佑の3名である[44]。
バスケットボール詳細は「イタリアのバスケットボール(英語版)」を参照
イタリア国内には欧州屈指の強豪リーグである、レガ・バスケット・セリエAと呼ばれるプロバスケットボールリーグが存在している。2006年にNBAドラフト1位指名されたアンドレア・バルニャーニは、NBAの外国人としては史上2人目、ヨーロッパ人としては史上初となった。イタリアバスケットボール連盟により派遣されるバスケットボールイタリア代表は、これまでオリンピックに13回、ワールドカップ(旧:世界選手権)に9回出場している。2004年のアテネ五輪では、アメリカの銅メダルを上回る「銀メダル」を獲得した。さらにユーロバスケットでは、1997年大会で銀メダル、1999年大会で金メダル、2003年大会では銅メダルを獲得している。
モータースポーツ
四輪フェラーリのF1マシン
多数の自動車・バイクメーカーを持つイタリアは、モータースポーツの創成期から多くのコンストラクターとレーシングドライバーを輩出してきた。また、AGVやアルパインスターズといった装備品メーカーも多くイタリアに存在している。F1にはアルファロメオ、マセラティ、フェラーリが1950年の開幕年から参戦。スクーデリア・フェラーリの創業者であるエンツォ・フェラーリは、エミリア=ロマーニャ州・モデナ近郊のマラネッロに拠点を構え、「北の教皇」の異名をとった。1950年代でアルファロメオ・マセラティは撤退してフェラーリのみが残り、現在まで唯一開幕から撤退せず参戦しているメーカーとして名を馳せている。
フェラーリは2000年代前半に黄金時代を築いた「皇帝」ミハエル・シューマッハなど、多くのワールドチャンピオンを輩出している。アルファロメオは2019年にザウバーを買収して復活した。またアルファタウリ(旧:トロ・ロッソ)は、ミナルディを買収して成立した経緯から、非イタリア系でありながらイタリアを拠点としている珍しいF1チームである。また、レーシングコンストラクターのダラーラは、インディカーやスーパーフォーミュラ含む現在世界各地域のワンメイクフォーミュラのシャシー供給を独占している。
WRCではフィアットとランチアが活躍(ランチアの実働部隊はアバルトであった)。特にランチアはラリー037、デルタ・インテグラーレといった名車を多く世に送り出し、現在でも破られていないマニュファクチャラーズ選手権6連覇という偉業をなしとげた。しかしグループA規定を最後に撤退し、以降はアバルトがスーパー2000やグループR-GTにプライベーター向けマシンを細々と供給しているのに留まっている。スポーツカーレースではフェラーリ、ランチア、ランボルギーニが活躍。フェラーリは1940年代?1960年代に何度かル・マン24時間レースで総合優勝を経験し、以降も現在までGTマシンによるプライベーター(ワークス支援含む)の参戦が続いている。
また、2021年からハイパーカーでル・マンに参戦するアメリカのスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスは、イタリアのチームが主体となってマシン製作やチームオペレーションを行っている。なお、日本人ドライバーでイタリアのワークス・チーム入りを果たしたのは、2013年の小林可夢偉が唯一の例である。 2輪ロードレースの世界ではドゥカティ、アプリリア、MVアグスタなどが知られる。MVアグスタは黎明期のロードレース世界選手権(現MotoGP、旧称WGP)において活躍し、空前絶後のライダースタイトル17連覇を達成している。その後MVアグスタは消滅したため、長らく日本メーカーの支配が続いているが、それでも2007年と2020年にドゥカティがコンストラクターズタイトルを獲得している。またヤマハのMotoGPチームは本拠地をイタリアに構えている。 スーパーバイク世界選手権では、ドゥカティのVツイン(V型2気筒)エンジンが規則の優遇も利用して一時期黄金時代を築いた。しかし規則が見直されて4気筒が頭角を表して以降は徐々にタイトルから遠ざかっている。ライダーとしてはジャコモ・アゴスチーニがMVアグスタでWGP500ccクラスと350ccクラスの7連覇という偉業を達成している(このうち5連覇は500ccと350cc同時であった)。MotoGPに改称後はバレンティーノ・ロッシが5年連続ワールドチャンピオンとなった。ほかにもフランコ・ウンチーニ、マルコ・ルッキネリ、リベロ・リベラッティ、ウンベルト・マセッティといった最高クラスでの王者がいる。 ロードレースでは、三大グランツールの一つであるジロ・デ・イタリア、モニュメンツのミラノ?サンレモ、イル・ロンバルディアが開催されるなど人気は高い。
二輪
自転車競技