イタリア
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北イタリアではフランス語などに近い西ロマニアの言葉であるガロ・イタリア語を使用する[注釈 6]

イタリアは歴史的に別の国に分かれていた期間が長いため方言の差が激しいとされているが、そもそも言語成立の過程にも複雑な事情が絡んでいる。古代ローマで話されていた言葉(ラテン語)の俗語形である「俗ラテン語」が、ローマ消滅以降にかつての統治領(イタリア・フランス・スペインなど)ごとに統一性を失って方言化した際、イタリア各地のラテン語方言がイタリア地方特有の変化を遂げたと判断した人々が、近世になってこれらをひとつの言語体系(イタリア語)と定めたことに起因する。

言語と言語の違いを研究する作業は古くから言語学の分野で行われていたが、どの程度の類似性をもって「同じ系統の言語」(方言)とするのか、あるいは「異なる系統の言語」とするのかの客観的判断はほとんど不可能で、結局は個々人の価値観に頼るしかなく、民族問題や領土主張との兼ね合いもあって政治的判断が下されるケースが多い(「言語とは軍に守られし方言である」という皮肉も存在する)。よってイタリア語も方言の集合体とするか、無数の独立言語とするかは政治的に決定され、当時の民族主義政策に基づいて方言であるとされた。近年はEU統合の流れから欧州各国で方言を地域言語と認める動きが芽生え始めており、イタリアでも方言を地域言語として承認するべきかどうか盛んに意見が重ねられている。こうした現象はイタリアだけでなく、同じ経緯を持つほかのロマンス諸語でも発生しているほか、ゲルマン語派のドイツ語でも方言の尊重と権利拡大が進められている。

現在、エスノローグはイタリア共和国内に以下の少数言語の存在を認めている。

イタリア語(国家公用語)

ガロ・イタリア語(ヴェネト州以外の北イタリア)

ヴェネト語(ヴェネト州)

ナポリ・カラブリア語南イタリア

シチリア語(シチリア州と南部の一部)

サルデーニャ語(サルデーニャ州

外国語

一部の特別自治州、ヴァッレ・ダオスタ州でフランス語、トレンティーノ=アルト・アディジェ州ではドイツ語も使用する。フリウリ地方ではフリウリ語、南ティロルではラディン語という、イタリア語よりラテン語に近いレト・ロマンス語系の言葉を母語とする住民もいる。また、最南部のカラブリア州には東ローマ帝国統治下(マグナ・グラエキア)の影響を残すギリシャ語系のグリコ語の話者も存在する。さらに、オスマン帝国時代のアルバニアからイタリア南部に定着した人々の子孫はアルバニア語の方言を母語とする。サルデーニャ島では、イタリア語系のサルデーニャ語(イタリア語の一方言とする説もある)が話される。アルゲーロではアラゴン=カタルーニャ連合王国支配の影響からカタルーニャ語の方言が話される。
婚姻

婚姻においては基本的に夫婦別姓となっているが、結合姓も認められている。

子の姓に関しては、伝統的には父親の姓としていたが、父親の姓としなければならないという法律は存在しないとの理由で、母親の姓を子の姓としてよいことが裁判を通し2012年に認められた[26]

また、イタリアはきわめて離婚が少ない国として知られている[27]
宗教バチカン市国南東端にあるカトリック教会の総本山、サン・ピエトロ大聖堂詳細は「イタリアの宗教」を参照

イタリアの宗教 (2018年12月)[28]宗教%
キリスト教8686 
カトリック教会7979 
東方/オリエント正教55 
プロテスタント11 
他のキリスト教諸派11 
その他の宗教33 
無宗教1111 
無神論77 
不可知論44 
合計100100 

2014年の推定では、キリスト教カトリック教会が75.2%[注釈 7]と最大で、残りの大半が無宗教または無神論者で、数%のムスリムのほか、その他宗教が1%未満となっていた[29][30]

4分の3と最大多数のカトリックであるが、信条はリベラルであり、カトリック教会の教義に反して同棲離婚妊娠中絶などについては大多数が肯定的であるとの報告も出ている[31]

プロテスタントは少数で、アラブ系移民の増加により、イスラム教は近年増加傾向にある。「イタリアにおける信教の自由(英語版)」も参照
教育詳細は「イタリアの教育」を参照

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保健詳細は「イタリアの保健(英語版)」を参照

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医療詳細は「イタリアの医療」および「イタリアの福祉」を参照

イタリアの医療は、1978年より税金を原資とするユニバーサルヘルスケアが施行されており[32]、公営・民営の混合制度となっている。公営制度はServizio Sanitario Nazionaleと呼ばれる公費負担医療であり、保健省が方針を定め、現場は地方自治体が運営している。保健支出は2008年にはGDPの9.0%ほどであり、OECD各国平均の8.9%より若干上であった。2000年にはWHOより、医療制度の効率性は世界2位、市民の保健状態については世界3位と評されている[33]

平均余命は82.7歳[34]、2013年には世界8位であった[35]。健康上のリスクとしては、イタリアはほかの西欧各国と同様に肥満者が増えており、人口の34.2%が太りすぎと自己申告、また9.8%が肥満だと自己申告している[36]。日常的な喫煙者は2008年では人口の22%であり[37]、2005年からは公共のバー、レストラン、ナイトクラブにおいては隔離された喫煙室が設けられるようになった[38]
治安詳細は「イタリアにおける犯罪(英語版)」を参照

イタリアの治安は、ヨーロッパ諸国の中で最も不安定さが顕著な状態となっている。イタリア政府は犯罪組織(マフィア)の取締りの強化ならびに不法移民問題の解消などを中心とした総合的な治安対策に取り組んでおり、その甲斐もあって効果が現れて来ている。

2016年のイタリア内務省の統計によると、犯罪認知件数は約250万件で前年と比較すると7.99%減少している。しかし、それに反してスリが約16万件(前年比6.39%減)、ひったくりが約1.7万件(前年比6.22%減)と多数発生していることから、イタリアに滞在中はこれらの犯罪に対して用心と予防が必要となって来る。

また、外国人観光客の犯罪被害報告が多く寄せられており、都市部ではローマやミラノ、フィレンツェ、ナポリなどの観光地に被害が集中している。これらの観光地における日本人観光客などの犯罪被害は依然として多く、窃盗車上荒らし置き引きやひったくり、スリ)をはじめとして強盗(睡眠薬強盗など)や押し売りバーぼったくり行為が発生しており、さらには警察官になりすました外国人犯罪者が偽札違法薬物の捜査などと称し、所持品検査を装って現金やクレジットカードを窃取する事件なども相次いで発生していることから滞在中の外出や散策は常に警戒を強める姿勢が求められている[39]

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「イタリアの組織犯罪(英語版)」も参照
法執行機関詳細は「イタリアの法執行機関(英語版)」を参照

イタリアにおける法執行は国家レベルで集中化されている面が強く、複数の警察組織やその他の公的機関が様々な公務や任務に参与している。また、法執行制度も複雑であると捉えられており、実際に少数の限定された地方機関からの助力を得たり、複数の省庁によって執行を実施されていることが多い[40]

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警察詳細は「イタリアの警察」を参照


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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