イソニアジドは、血清内、脳脊髄液内、乾酪病変内で治療濃度に達する。イソニアジドは肝臓でアセチル化を経て代謝される。アセチル化にかかわる酵素には2つの形質があるため、患者によっては他の患者よりも薬を速く代謝することがある。したがって、半減期は二峰性の確率分布をとることになり、米国人の場合だと1時間と3時間のところにピークが生じる。代謝物は尿に排出される。腎不全の場合でも、投薬量はふつう調整する必要はない。 イソニアジドは、4-メチルピリジンを酸化してできるイソニコチン酸を、エステル化したのちヒドラジンと反応させて合成する[13]。また、4-シアノピリジンを塩基加水分解してアミドを生成させ、それからアミノ基部分をヒドラジンで置換することによって合成しても得られる(下図)。
イソニアジドの別称と略語
イソニコチルヒドラジン
イソニコチン酸ヒドラジド
アイナ (INH, INAH)
H(「ヒドラジド」を意味すると同時に、世界保健機構における公的略号でもある)
合成法
関連項目
結核
結核菌
リファンピシン
ストレプトマイシン
ピラジナミド
エタンブトール
薬剤誘発性ループス
パラアミノサリチル酸
エチオナミド
脚注^ 日本人の場合、およそ9割が薬を速く代謝するrapid inactivatorsであり、薬の代謝が遅いslow inactivatorは10%以下であるとされる[4]。
出典^ Meyer H, Mally J. “On hydrazine derivatives and pyridine carbonic acids” (German). Monatshefte Chemie verwandte Teile anderer Wissenschaften 23: 393–414.
^ Hans L Riede (2009). “Fourth-generation fluoroquinolones in tuberculosis”. Lancet 373 (9670): 1148–1149. doi:10.1016/S0140-6736(09)60559-6
^ a b 長尾 拓 編集 『医薬品の安全性』 p.89 南山堂 2004年4月5日発行 ISBN 4-525-72641-5
^ “ ⇒イスコチン原末/イスコチン錠100mg” (2011年11月). 2016年7月19日閲覧。
^ ⇒http://www.rxmed.com/b.main/b2.pharmaceutical/b2.1.monographs/CPS-%20Monographs/CPS-%20(General%20Monographs-%20I)/ISONIAZID.html
^ ⇒Isoniazid-induced psychosis
^ ⇒Suicidal psychosis secondary to isoniazid ⇒Isoniazid-associated psychosis: case report and review of the literature
^ 石井賢二、飲食物とクスリの相互作用(ヘッドライン:食品の科学)