イスラエルは基本法の中で、自らをユダヤ人と民主主義の国家であり、ユダヤ人の国民国家であると定義している[39]。国は、議会制、比例代表制、普通選挙を採用した自由民主主義国家である[40][41]。首相は政府の長であり、クネセトは立法府である。2019年現在の人口は約900万人[42]で、イスラエルは先進国であり、OECD加盟国である[43]。名目GDPでは世界第29位の経済規模を持ち、現在紛争中の国の中では最も先進的な国である。中東で最も生活水準が高く、軍事訓練を受けた国民の割合[44]、高等教育の学位を持つ国民の割合[45]、GDP比の研究開発費[46]、女性の安全性[47]、平均寿命[48]、革新性[49]、幸福度[50]などで世界の上位にランクインしている。ただし、相対貧困率はOECDで最も高く、ジニ係数も高い格差社会という課題もある[51][52]。 イスラエルという名称はヘブライ語で「神が支配する」「神と競う」「神が勝つ」などの意味をもつと解釈される[53]。これは旧約聖書に登場するヤコブの改名後の名前であり、ヤコブは伝統的にはユダヤ人の祖先と考えられている。そのため、古代にユダヤ人が王国を築いた地域はイスラエルの地(エレツ・イスラエル)と呼ばれた。独立直前にはユダ(Judea)、エレツ・イスラエル、シオン(Zion)、新ユダ(NewJudea)なども国名候補として存在した[54]。国名を「ユダ」とすると、宗教・民族上の「ユダヤ人」と国籍上の「ユダヤ人」の区別が難しくなること。「シオン」とすると、非ユダヤ人国民も「シオニスト」と呼ばれるようになることから、二つは候補から外されたという説がある[55]。漢字表記は、以色列。 古代にはこの地は肥沃な三日月地帯であり、カナンの地と呼ばれ、カナン人をはじめ様々な民族が住んでいた。ユダヤ人の祖先となるヘブライ人も移住してきたが、子孫たちはエジプトに移住しエジプト人の奴隷となっていった。長い期間を経てエジプトを脱出したヘブライ人(イスラエル人)はこの地を征服し、紀元前11世紀ごろにイスラエル王国が成立した[56]。
国名
歴史詳細は「イスラエルの歴史」を参照
古代詳細は「古代イスラエル」を参照イスラエル王国とユダ王国