イギリス海軍
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また、2000年の時点で3万9000人だった海軍将兵は、2015年には2万9000人にまで落ち込んでいる[8]

イギリス連邦加盟国であるオーストラリア海軍カナダ海軍ニュージーランド海軍インド海軍パキスタン海軍(英語版)に対して同型艦や旧式艦を売却・譲渡しており、かつて英植民地であった国々と軍事的に結びつきが強い。
習慣と伝統キングジョージ5世号でのラム酒の支給(1940年)

イギリス海軍には、海軍旗とシップス・バッジズの使用に関して、正式な習慣と伝統が存在する。航海中の時と港では、海軍艦艇はいくつかの海軍旗を掲揚させる。就役した艦艇と潜水艦は、日中の間、ホワイト・エンサインを艦尾に掲揚し、航海中の間はメインマストに掲揚する。国旗(国旗はユニオン・フラッグだが海軍ではユニオン・ジャック)は艦首に掲揚されるが、これは軍法会議が進行中であることを合図している場合か、ロード・ハイ・アドミラルを含み司令官が乗艦していることを示す場合のいずれかである[9]

フリート・レビューは、君主の前に艦隊を整列させる観艦式で、不規則な伝統である。公式に行われた最初のものは、1400年であった。その他に続いている伝統は、オーストラリア海軍と行うクリケット試合のジ・アッシズがある。

第二次大戦終結までは飲酒に関して寛容であり、特に水兵らに支給されていたラム酒(後にはグロッグ)に関する逸話が多い。また軍艦の進水式には国内で蒸留されたウィスキーが使われることもある(クイーン・エリザベスなど)。その他の食文化については近世イギリス海軍の食生活を参照。

海軍カレーウィスキーなど一部の文化は、大きな影響を与えた大日本帝国海軍を経由し海上自衛隊にも受け継がれている。
組織機雷掃海のためペルシャ湾へ展開する艦隊

イギリス海軍の儀礼上の長はロード・ハイ・アドミラルであり、2011年から2021年まで、エディンバラ公がこの地位にあり、それ以降は空席となっている。この地位は1964年から2011年まではエリザベス女王が就いていた。イギリス海軍の事実上の長は、英国国防会議のメンバーであるファーストシーロード(海軍参謀総長)。国防会議はアドミラルティ・ボード(海軍委員会)に海軍の管理を委託している。アドミラルティ・ボードは艦隊を管理するネイビー・ボード(海軍会議)を指揮する。これらはロンドンホワイトホールにある国防省舎 (MoD Main Building) に所在している。
指揮系統

2023年1月現在

ロード・ハイ・アドミラル:該当者なし

ファースト・シー・ロード(第一海軍卿・海軍参謀総長):サー・ベン・キー大将(英語版)

セカンド・シーロード(第二海軍卿・海軍参謀次長):マーティン・コネル中将(英語版)

艦隊司令官:アンドリュー・バーンズ中将(英語版)

准士官:カール・スティードマン准尉(英語版)

人員
海軍はイギリス海軍とイギリス海兵隊から成り、2019年9月の時点で教育訓練を経た正規兵は、29,090名(定員30,600名)であった。[10]
艦隊トラファルガー級潜水艦、タイアレス (HMS Tireless)
潜水艦
イギリス海軍はヴァンガード級戦略原子力潜水艦を運用しており、潜水艦発射弾道ミサイルトライデント2スピアフィッシュ魚雷を装備しイギリス海軍唯一の核戦力として作戦を遂行している。イギリス政府は2030年代初頭までに4隻のドレッドノート級に置き換える予定である。[11]また攻撃型原子力潜水艦としてトラファルガー級1隻とアスチュート級5隻を運用しており、さらに2隻のアスチュート級が2026年までに就役し、トラファルガー級は退役する予定である。クイーン・エリザベス級空母クイーン・エリザベス (HMS Queen Elizabeth, R08)
航空母艦
現在クイーン・エリザベス級2隻が新世代の航空母艦として就役している。計画の遅延と国防予算の縮減により、1番艦の「クイーン・エリザベス」は、売却や2番艦就役後予備役とすることも一時期検討されていた。現在は2番艦の「プリンス・オブ・ウェールズ」とあわせてF-35B ライトニング IIが運用される予定である。インヴィンシブル級を基に設計されたヘリ空母の「オーシャン」は航空母艦を補完していたが2018年に退役した。クイーン・エリザベス級が同艦の任務も後継する。海軍補助艦隊に導入された4隻のベイ級ドック型補助揚陸艦と2006年と2007年に導入された2隻のアルビオン級ドック型揚陸プラットホームは海軍の水陸両用作戦能力を強化した。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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