イェール大学は植民地時代の創立で、アメリカ合衆国で植民地議会に認可を受けた大学としては、ハーバード大学、ウィリアム・アンド・メアリー大学に次いで3番目に長い歴史を持つ[6][15]。
1701年にコネチカット植民地議会(General Court)によってコネチカットの Collegiate School として設立が承認された[6]。創立当初の短い期間は、ボストンとニューヨークの間に位置するコネティカット州キリングワース
(英語版)とオールド・セイブルック にあったが、1718年に約40kmほどニューヨーク寄りのニューヘイブンに移り今日に至る[6]。同市はニューヨークから北東へ110kmほどに位置している。同市が面している海は、実際にはロングアイランドとの海峡であり、大西洋には直接面していない。大学は町の中心部にあり、この町の住民にとって最大の職場となっている。創設当初の名称はThe Collegiate Schoolであったが、東インド会社総督だった篤志家エライヒュー・イェール(英語版)に因み、1718年に現在の名称へと変更された。その後、20世紀初頭にシェフィールド理科学校を併合した[8]。
モットーはLux et Veritas(ラテン語「光と真実」) である。アメリカで最初に設立されたハーバード大学では単にVeritas(「真実」)であったが、ハーバードの世俗化を批判して創設されたイェールではこれにLux(「光」)を付け加えた[16]。
1969年になって初めて女性が学部に受け入れられるようになった。
1993年からアイビー・リーグ史上最も長く学長を務めていたリチャード・レビン(1947年4月7日生)は、2013年6月30日に退任し、後を継いだ心理学者ピーター・サロベイ(1958年生まれ)が2024年5月現在も学長を務めている[17]。
組織
イェール・カレッジ(Yale College) - 学部教育
イェール文理大学院(Yale Graduate School of Arts and Sciences) - 1847年に、北米最古の学術大学院として創設され、1861年に、北米の大学としては初の博士号(Ph.D.)を授与した。現在、約2,300人の大学院生が在籍しており、その3分の1が、外国人大学院生である。博士号(Ph.D.)及び修士号(M.Phil.、M.A.、M.S.)を授与している。
専門職大学院 - 設立順に医、神、法、美術、音楽、林学・環境学、看護、演劇、建築、経営、国際関係。
イェール医学校(Yale School of Medicine)
イェール工学・応用科学大学院(Yale School of Engineering & Applied Science)
イェール神学校(Yale Divinity School)
イェール・ロー・スクール(Yale Law School)
イェール美術学校(Yale School of Art)
イェール音楽院(Yale School of Music)
イェール林学・環境学大学院(Yale School of Forestry & Environmental Studies) - 1901年に、林学大学院として設立され、1972年に、現在の校名になった。林学修士(M.F.)、森林科学修士(M.F.S.)、環境科学修士(M.E.Sc.)、環境経営学修士(M.E.M.)を授与している。
イェール看護大学院(Yale School of Nursing)
デイヴィッド・ゲフィン演劇学校(David Geffen School of Drama ) - 1924年に、演劇学部が設立され、1955年に演劇大学院として独立した。美術学修士(Master of Fine Arts)、美術学博士(Doctor of Fine Arts)を授与しているほか、修了証(Certificate)を授与している。イェール・レパートリー・シアターなどで学生による演劇が行われている。
イェール建築学校(Yale School of Architecture)
イェール経営大学院(Yale School of Management)
イェールジャクソン国際関係大学院(Yale Jackson School of Global Affairs)- 2010年に設立されたジャクソン国際関係研究所が、2022年に専門職大学院に移行した。
特徴Harkness Tower
スコット・フィッツジェラルドの小説 『グレート・ギャッツビー』など文学作品では上流階級やエリートの象徴として描かれ、アイビーリーグの中でも伝統・格式を重んじる校風で知られる[18]。