イエスの御名の礼拝
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3人はレパントの海戦に勝利したことを感謝するために天空に浮かぶイエスの御名「IHS」を礼拝している[1][2]。天上には天使たちによるイエスの御名の礼賛場面が展開している[2]

画面左側には審判を待つ人々がおり、右側には怪獣の口を象った地獄が描かれている。この地獄の描写は、エル・グレコのヴェネツィア時代の作品『モデナの三連祭壇画』(エステンセ美術館(英語版)) の中央パネル「天使に冠を授けるキリスト」に描かれている地獄を想起させる。しかし、「天使に冠を授けるキリスト」の地獄には何人かの高位聖職者が登場しているのに対し、本作では皆無であるばかりか、画面中央で主役を務めている。この大きな変化の背後には、1545年から1563年まで開かれたトリエント公会議の影響が見逃せない。この公会議はプロテスタント側が否定する教義や規律、儀式をカトリック側が改めて正当なものとして確認した場であったが、スペインにおいても異端審問所長官フェルナンド・デ・バルデ―スの命によって1559年にバリャドリードで発行された禁書目録の前文で、聖人や高位聖職者を批判することを全面的に禁じているのである[2]
脚注^ a b c 『もっと知りたいエル・グレコ 生涯と作品』大高保二郎、松原典子著、2012年刊行、29頁参照 ISBN 978-4-8087-0956-3
^ a b c d e 『カンヴァス世界の大画家 12 エル・グレコ』、1982年刊行、80-81頁 ISBN 4-12-401902-5

典拠管理データベース

Bildindex

2











エル・グレコ
肖像画

ジュリオ・クローヴィオの肖像』(1571年頃)  · 『ロウソクに火を灯す少年』(1571-1572年)  · 『胸に手を置く騎士』(1580年頃)  · 『フランス王聖ルイ』(1592-1595年頃)  · 『アントニオ・デ・コバルビアスの肖像』(1595-1600年)  · 『自画像』(1595-1600年)  · 『枢機卿フェルナンド・ニーニョ・デ・ゲバラの肖像』(1600年頃)  · 『ホルヘ・マヌエル・テオトコプリの肖像』(1597-1603年頃)  · 『若い貴紳の肖像』(1600-1605年頃)  · 『修道士オルテンシオ・フェリス・パラビシーノの肖像』(1609年頃) · 『枢機卿フアン・パルド・デ・タベーラの肖像』(1609年) · 『フランシスコ・デ・ピサ博士の肖像』(1610-1614年)
宗教画

モデナの三連祭壇画』 (1567-1568年頃)  · 『最後の晩餐』(1568年)  · 『盲人の治癒(ドレスデン)』(1567-1570年頃)  · 『エジプトへの逃避』(1570年頃)  · 『受胎告知(1570年)』(1570-1572年)  · 『盲人の治癒(パルマ)』(1571-1572年)  · 『神殿を浄めるキリスト(ミネアポリス) 』(1570-1575年)  · 『受胎告知(ティッセン=ボルネミッサ美術館)』(1575-1576年頃)  · 『イエスの御名の礼拝』(1577-1579年)  · 『聖衣剥奪』(1579年)  · 『聖セバスティアヌ』(1576-1579年)  · 『聖母被昇天』(1577-1579年)  · 『聖三位一体』 (1577-1579年) · 『悔悛するマグダラのマリア(ウスター美術館)』(1577-1580年)  · 『聖マウリティウスの殉教』(1580-1582年)  · 『十字架を担うキリスト(メトロポリタン美術館)』(1577-1587年)  · 『オルガス伯の埋葬』(1586-1588年)  · 『聖ペテロの涙(ボウズ美術館)』(1580-1589年)  · 『聖ペテロと聖パウロ』(1587-1592年頃)  · 『十字架上のキリストと礼拝する2人の寄進者』(1590年頃)  · 『十字架を担うキリスト(カタルーニャ美術館)』(1590-1595年)『ゲッセマネの祈り』(1590-1595年)  · 『聖家族(タベーラ施療院)』(1590-1596年)  · 『聖アンデレと聖フランチェスコ』(1595-1598年)  · 『聖マルティヌスと乞食』(1597-1599年)  · 『聖母子と聖アグネスと聖マルティナ』(1597-1599年)  · 『神殿を清めるキリスト(ロンドン)』(1600年頃)  · 『受胎告知 (1600年)』(1596-1600年)  · 『羊飼いの礼拝 (1600年)』(1596-1600年)  · 『 キリストの洗礼 (1600年)』(1596-1600年)  · 『 キリストの磔刑 (1600年)』(1596-1600年)  · 『 キリストの復活 (1600年)』(1596-1600年)  · 『聖霊降臨』(1596-1600年)  · 『聖ヨセフと幼子イエス(サンタ・クルス美術館)』(1600年頃)  · 『聖イルデフォンソ(イリェスカス)』(1597-1603年)  · 『聖母戴冠(イリェスカス)』(1603-1605年)  · 『受胎告知(イリェスカス)』(1603-1605年)  · 『慈愛の聖母(イリェスカス)』(1603-1605年)  · 『十字架を担うキリスト(プラド美術館)』(1597-1607年)  · 『無原罪の御宿り』(1607-1613年)  · 『黙示録第5の封印』(1607-1613年)  · 『キリストの洗礼(タベーラ施療院)』(1608-1614年)  · 『羊飼いの礼拝』(1612-1614年頃)


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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