アーマード・コアシリーズ
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最初に「殲滅戦」を行い、最後に巨大兵器との「ボス戦」となるミッションもある[2]
ミッション

斡旋業者から提示されたミッションは単に敵を倒すだけではなく、依頼主の要求に合わせた条件が付けられている。概要は依頼文や斡旋業者からの情報で大まかに掴めるが[2]、依頼内容との齟齬もあり、敵の増援や他の傭兵による妨害、依頼自体がプレイヤーをおびき寄せる罠ということもある。ミッションは指定条件をクリアすると成功、護衛対象が破壊されるなど指定条件をクリアできない場合や自機のAPが0(行動不能)になると失敗となる。一部のミッションでは、失敗すると即座にゲームオーバーとなる場合もある。

ミッション中にはオペレーターからアドバイスや指示が行われ、プレイヤーはこれをヒントにミッションを進める。

ミッション終了後に収入と経費が精算される。経費は機体の修理費はもとより、使用した弾丸の代金も請求される。経費が報酬を上回るとミッションが成功しても赤字となってしまう。弾薬費の安価な銃器や発生しないENを消費する武器の他、格闘武器も存在し、これらを使い分けることで節約する事が出来る。特に格闘武器は射程が短いものの、基本的に使用回数は無制限で費用がかからないことが特徴となっている。
AI

『AC』シリーズではNPCが複雑な地形の三次元空間を高速で移動しながらプレイヤーを捕捉する必要があるため、これらに対応した高度なゲームAIの開発を自社で行っている[7]。シリーズ初期には障害物に引っかかることも多かったが、シリーズが進むにつれてより自然な動きをする様になっている。
データコンバート機能

『AC』シリーズでは作成したセーブデータを次作に引き継げるという特徴がある。これはユーザー側、開発側双方にメリットがあり、ユーザー側は組み立てた機体や作成したエンブレム等を次作に持ち込むことで、無駄なアセンブルの時間削減によってプレイする時間を確保することが可能になり、開発側も次作製作時に同じ開発環境でゲームを開発することが可能で、開発期間や納期の短縮により開発コストを削減することが可能である。

欠点は、対応機種の移行時や世界観が一新された作品が発売された時にデータを引き継げないこと、他機種間同士でのデータコンバートが不可能であることだが、同じ機種で発売された作品ではエンブレム等に限定されるがデータの引き継ぎは可能となっている。
他作品との関連・比較

フロム・ソフトウェアは本作の開発以前、大型汎用機向け業務アプリケーションを手がけていた頃に、パソコン向けとして『迷宮状の地下空間でロボットを操作する3Dアクションゲーム』を開発していたことがある。これは『AC1』の設定と酷似しているが、この時点では3Dグラフィックの表示や記憶媒体の容量など、ハードウェアの制約により実用に耐えるシステムを作ることが出来ず断念したという経緯がある。しかし、地下迷宮の探検というコンセプトはPlayStation登場時に『キングスフィールド』によって実現した。これによって蓄積した3Dゲーム開発のノウハウを生かして制作されたのが『AC』である。

同時期に発売された他の3Dロボットゲームがアクションを重視したシューティング系だったのに対し、『AC』ではカスタマイズした通りの挙動を示すロボットを操縦するシミュレータの要素、施設内部の探索から市街地へのテロ攻撃まで多彩な依頼、以前襲撃した相手から雇用されたり依頼に偽装した騙し討ちを受ける、報酬と必要経費のバランスを考えなければ赤字になるといった傭兵稼業のシミュレーションを両立した作品である。

二足歩行兵器を操縦する3Dゲームとしては1995年にアーケードゲームとして電脳戦機バーチャロンがリリースされていたが、ロボットによる1対1の対戦格闘ゲームとして設計されていた。1996年にセガサターンでリリースされたガングリフォンは、機体のカスタマイズ要素はなくストーリーに従って戦う3Dシューティングと位置づけられていた。またパーツ組み替えによってロボットをカスタマイズするというコンセプトは「フロントミッションシリーズ」や『機甲兵団 J-PHOENIX』などがあったものの、ゲームジャンルが異なったりカスタマイズ範囲やパーツ数の制約が厳しく、『AC』と競合するまでに至らなかった。PCゲームでは『メックウォーリアー』や『ヘビーギア』などがあり比較されることもあるが、家庭用ゲーム機への移植が積極的に行われず、競合しないままシリーズが終息している。

ゲーム以外で類似したコンセプトを持つ作品として、1983年放送のアニメ『装甲騎兵ボトムズ』は荒廃した世界観、主人公が二足歩行兵器を操る傭兵、賭の対象となる模擬戦闘(バトリング)などが描かれており、同作に登場したパイルバンカーと同等の武装が『3』で導入された。1992年の漫画『ブレイク・エイジ』では機体の構成を自宅のPCでカスタマイズし、ゲームセンターの大型筐体で戦わせる大規模オンラインゲームが描かれている。この作品の小説化は、『アーマード・コア』の小説も手がけた篠崎砂美が行っており、篠崎は自作ロボットを戦わせるコンピュータゲーム『マッチメーカー』を製作している。

フロム・ソフトウェアは複数のロボットゲームをリリースしているが、いずれも『AC』シリーズとの差別化が図られている。2004年に発売した『METAL WOLF CHAOS』は、シンプルな操作体系、ハリウッド映画風のストーリーやキャラクター、リアリティを無視した荒唐無稽な武装と弾薬量という『AC』シリーズと対照的なゲームデザインが話題となった[8]。2006年に発売された『クロムハウンズ』は戦闘よりも陣取りゲームとしての側面が強く、アーマード・コアのような高速機動が出来ず人型ではない歩行兵器、レーダーやロックオンが使用できず目視による照準のみ、オンラインでボイスチャットを併用するチーム戦が主軸など、よりコアなユーザー向けとなっている。
演出
オープニング

オープニングはグラフィックス部門のムービー制作チームが担当している[9]

『AC1』と『PP』は機体をアセンブルするシーンでパーツごとに異なるパラメータが表示される、肩のキャノンは発射する前に構え動作を行うなど、ゲームシステムの解説的内容だったが、『MOA』から制作環境が3ds Maxに変更されたことで画質が向上し、世界観や新たに追加された機能(オーバードブーストなど)を使用するシーンが描かれており、オープニング単体でも話題が集まっている[10]

オープニングに登場するACは重量過多で出撃できなかったり[注 1]、システム上再現できない構成[注 2]もある。


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