アースロプレウラ
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アースロプレウラ(学名:Arthropleura[6]和名:コダイオオヤスデ[7])は、約3億年前の石炭紀ペルム紀に生息し、アースロプレウラ類に分類されるヤスデの一[15][16][17][18][19][20][4]。横で3部分に分かれ、表面に大小のこぶを生えた背板をもつ[21][17][22][19][20][4]。巨大節足動物として有名な古生物であり、2メートルを超える種類が含まれ、一部のウミサソリと並んで史上最大級の節足動物とされる[22][19][23][4]ヨーロッパ北アメリカ大陸の各地から化石が見つかっている[4]
名称

学名「Arthropleura[6]」はギリシャ語の「arthron」(関節)と「pleuron」(側板、かつて本属の背板左右の肋部を指すのに用いられた語[注釈 2][2])に由来する[7]和名として「コダイオオヤスデ」がある[7]
形態

Arthropleura armata の背面復元図。前方は左側に向く。三葉状背板の総数は推測的。

幅広い背板(tergite、背面の外骨格)が三葉状に分かれ、表面に大小のこぶをもつことが特徴的なアースロプレウラ類のヤスデである[17][22][20]。巨大節足動物として有名な古生物であるが、整った化石標本は希少のうえ、体の前後と腹面構造を良好に出揃ったものは更に少ないため、一部の特徴、特に前方の構造や背板の対応関係は未だに復元しにくい[17][2][23]。知られる外骨格の化石標本は、大きさに反して厚さが2mmで異様に薄いが、これは脱皮[24]で元の外骨格はより分厚く頑丈だったと思われ、また脱皮殻自体も薄さに反してある程度の硬度を保つとされる(後述参照[2][4]アースロプレウラの前方の形態。前端背面の外骨格は頭部ではなく頸板であり、その下にある不明の頭部(余白+破線)はミクロディケンプレクスに基づいて推測的に復元される[15][22]
頭部と頸板

他のアースロプレウラ類であるミクロディケンプレクス(ほぼ完全)[15]とエオアースロプレウラ(大顎のみ)[25][16]から確定的な頭部構造が発見されるのに対して、本属の頭部に関しては未だにほぼ不明で[2][22][26]、かつて頭部と解釈された構造はほとんどが後に別物("顎肢[27]ウミサソリの脚由来の顎基断片、丸い頭部[8][28][29][30]は頸板、後述)の見間違いと見直された[15][16][24][17][22]

最初の三葉状背板の直前には、やや小さく、丸みを帯びた1枚の外骨格がある。この外骨格は左右に1対のくぼみがあり[29][15][22][19]、表面に大小のこぶが生えて、後縁はやや盛り上がって1本の溝に横断される[24][17][20]。21世紀以前では、この外骨格は「丸い頭部」と解釈され[8][28][29][30]、左右1対のくぼみは元々が付く所だと推測された[30]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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