アーキテクチャ
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その後、コンピュータに関する構造や設計全般に「アーキテクチャ」の語が使われるようになり、また歴史を遡りSystem/360以前のマシンにも適用される「ノイマン型アーキテクチャ」という用語にも使われるようになり、またノイマン型とは異なり命令用メモリとデータ用メモリを別々に持つものを指すための「ハーバード・アーキテクチャ」という用語にも使われている。

インテルマイクロアーキテクチャなどは特定の実装を含んでいる。

x86アーキテクチャ」はIntel 8086のアーキテクチャおよびその命令セットアーキテクチャ、およびその後に登場したそれと互換性を備えたプロセッサと命令セットを広く指す。これは当初からシリーズ化するつもりで開発されたわけではなかった。

ARMアーキテクチャ」は、ARM社により設計され、いくつかのライセンスモデルで[1]ライセンスされているもので、この命令セットは「(基本的に)固定長の命令」「簡素な命令セット」というRISC風の特徴と「条件実行、定数シフト/ローテート付きオペランド、比較的豊富なアドレッシングモード」といったCISC風の特徴を併せ持ち、低消費電力、小さなコア、比較的高いコード密度といった優れた特性を持った結果、モバイル機器では圧倒的なシェアを得て標準的な存在となっており、現在皆が持ち歩いているスマホはこの「ARMアーキテクチャ」のほうである。またAppleのMacBook Airなどに搭載されているApple M1Apple M2もこのARMアーキテクチャである。

文脈にもよるのだが、最近では(特に、パーソナルコンピュータやタブレットやスマホなどの個人ユーザ(素人、アマチュア)向けの記事などでは特に説明が無いと)「命令セットアーキテクチャ」の意味で使っていることが多い(前述のSystem/360における定義では、チャネルの仕様が含まれる点が違う)が、今でもコンピュータのプロフェッショナルがさまざまなコンピュータについて話題にする場合は、もっと広い意味で使われることもよくあり、実装を含んだ意味、特定のコンピュータまたはコンピュータシリーズの共通仕様、あるいは企業や組織における採用技術標準化などの意味でも使用されており、代表的な用語には以下がある。

ソフトウェアアーキテクチャ

エンタープライズアーキテクチャ

システムアーキテクチャ

マイクロアーキテクチャ

モデル駆動型アーキテクチャ

そして2010年代後半や2020年代になり、大学や研究所などで研究が熱心に行われるようになってきている量子コンピュータの分野では「量子コンピュータアーキテクチャ Quantum Computer Architecture」[2][3]、「量子計算アーキテクチャ」[4]などという用語も使われるようになっている。
自動車

自動車産業では1970年代から始まった『複数車両で共有される構成部品のセット』という考え方をプラットフォームとよび、より技術的な側面からはこれを『車両アーキテクチャ』ともよんでいる。
社会思想

人間の行為を制約したりある方向へ誘導したりするようなウェブサイトやウェブコミュニティの構造、あるいは実際の社会の構造もアーキテクチャと呼ぶ。

ジョージ・リッツァは著書『マクドナルド化する社会』において、アーキテクチャの具体例としてファーストフード店の硬いイスをあげている。客を長居させず、それによって回転率を上げるような設計になっている。

ローレンス・レッシグは、著書『CODE―インターネットの合法・違法・プライバシー』において、人間の行動を制約するものとして、法律規範市場、アーキテクチャの4つを挙げた。

取締りと刑罰によって行動を制約する(法律)、道徳を社会の全員に教え込んで行動を制約する(規範)、課税や補助金などで価格を上下させて行動を誘導する(市場)といった手法のほかに人間の行動を制約する手法として、社会の設計を変えることで社会環境の物理的・生物的・社会的条件を操作し人間の行動を誘導するという、「アーキテクチャによる制約」が考えられる。社会の仕組みを変え、ある選択肢を選びやすくする・ある行動を採ることが不快になるようにするといった環境に変えることにより、社会の成員が自発的に一定の行動を選ぶように誘導し、取り締まりを行ったり子供たちに規範を教育するよりも安いコストで社会を管理することができる。
経済学

行動経済学の分野で、「選択アーキテクチャー」という言葉が使われている。
経営戦略

最新の経営の分野では、アーキテクチャ[5]を産業連関のビジネスモデル、構成、仕組み、構造、構築という意味で使われている。システムより上位概念である。昨今のネットワーク化した社会においてのエコシステムも、アーキテクチャである。

アーキテクチャの視点で経営戦略を構築する必要が出てきた。

アーキテクチャは、ビジネスアーキテクチャとテクノロジーアーキテクチャからなっている[5]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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