アンディ・ウォーホル
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ピッツバーグの洗礼者聖ヨハネ・カトリック共同墓地に埋葬されている。
作品スロバキアの首都、ブラチスラヴァにあるウォーホルの像

派手な色彩で同じ図版を大量に生産できるシルクスクリーンの技法を用い、スターのイメージや商品、ドル記号など、アメリカ社会に流布する軽薄なシンボルを作品化した。古典芸術やモダニズムなどとは異なり、その絵柄は豊かなアメリカ社会を体現する明快なポップアート、商業絵画としても人気を博した。しかし、そこにはアメリカの資本主義大衆文化のもつ大量消費、非人間性、陳腐さ、空虚さが表現されていると見ることもできる。普遍性を求めた彼の作品は、彼自身や大衆が日々接している資本主義やマス・メディアとも関連しており、また事故のイメージも描かれた。

彼は自身について聞かれた際、「僕を知りたければ作品の表面だけを見てください。裏側には何もありません」と、徹底し「芸術家の内面」をなくし表面的であろうと努めた。彼は有名なものへの愛情を隠さず、スターや政治家や事故、流行品をしばしば画題に取り上げ、それが有名で皆も自分も大好きだからだと理由を述べた。また彼自身がアメリカの有名人物になってからも、ペースを乱すことなく有名人を演じ、作品を制作し続けることを理想とした。
シルクスクリーンによる作品

初期にはアクリル絵具などでキャンバスに描いていたが、1960年代以降は版画のシルクスクリーンを多用している。孔版印刷であるシルクスクリーンの原理は平たくいえば「プリントゴッコ」のようなもので、作家が直接印刷に携わらなくとも制作できる量産に適した手法である。彼は機械で生産するようにシルクスクリーン作品を刷るアトリエ「ファクトリー」を設け多くの若者を雇い制作にあたらせた。一方、同じ版を利用し意図的にプリントをずらしたり、インクをはみ出させた。

シルクスクリーンのモチーフに以下のようなものを選んだ(一例)。

商品: キャンベル・スープ缶「キャンベルのスープ缶」、シャネル N°5コカ・コーラアブソルート・ウォッカの瓶、ブリロ・ボックスなどの有名普及品

有名人: エルヴィス・プレスリーエリザベス・テイラーイングリッド・バーグマンクリストファー・リーブ公女カロリーヌジミー・カータージョン・F・ケネディジャクリーン・ケネディトルーマン・カポーティマイケル・ジャクソンマリリン・モンローマーロン・ブランドミック・ジャガープリンス「オレンジプリンス(1984)(英語版)」、チェ・ゲバラ毛沢東モハメド・アリウラジーミル・レーニン坂本龍一山口小夜子

キャラクター:ミッキーマウスミニーマウス鉄腕アトム (これらもシルクスクリーンを用いて制作された。)

彼による肖像画は高額なギャランティーから当時の有名人らのステイタスとされ、多くの有名人が自分の姿のプリントを希望した。


その他:ドル紙幣、原子爆弾ピストル自由の女神電気椅子、夕日、花、最後の晩餐

映画制作

シルクスクリーンプリント制作の傍ら1963年から1968年にかけ、60を超える映画も手掛けた。ただし実験映画的な作風から、一般公開されたものは少ない。初めて一般に公開された作品は1966年の『チェルシー・ガールズ(英語版)』。最も有名な一本は、眠る男を6時間映し続けた『スリープ( Sleep)(英語版)』(1963年)。彼はアクション映画を好まず(本質的には同じであるにもかかわらず、ささいな差異にこだわっているから)、自らの映画では「本質的に同じのみならず細部まで全く正確に同じであること」を望んだ。延々と変化のない映像は普遍的なものをテーマとしたウォーホルの視点から見ると、理想だったのかもしれない。その後も映画制作をし、劇映画も制作。ニューヨークの有名ホテル「チェルシー」を舞台に、その各部屋で繰り広げられる人間の喜怒哀楽を、任意の2部屋分だけ適宜の時間セレクトし、2つのスクリーンを使いランダムに映し続ける(途中どちらか片方のスクリーンにはニコの貌がランダムに挿入される)、『チェルシー・ガールズ』(1966年)は全米で公開され大ヒットとなった。他にも『エンパイア (1964年の映画)』、『フォースターズ(1967年映画)(英語版)』がある。1970年代に入ってからはそれまでの作品とは一転し、ジョー・ダレッサンドロウド・キアを主演とする『悪魔のはらわた』(1974年)や『処女の生血』(1974年)、『アンディ・ウォーホルのBAD』(1977年)といったホラー映画の総監修も行なった。ポルノ映画ブルー・ムービー』の監督も行った。
『Interview』誌

Interview』は、ウォーホルが企画し立ち上げた、インタビューのみで構成される月刊グラフ誌である。


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