アンタッチャブル_(映画)
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10回目2021年4月28日[7]

実話との相違点

エリオット・ネスは実在の人物であるが、その実像は映画やテレビで描かれてきたものとは大きくかけ離れている。これは晩年に多額の借金で苦しんでいたネスが、自叙伝をドラマチックに仕上げたためである。事実は当時、連邦政府から“国家の敵No.1”とされたカポネ摘発のための任を受けた司法省の検事、ジョージ・ジョンソンが、所得税法違反と禁酒法違反の2つのルートでカポネを挙げようと考え、目立ちたがり屋のネスを禁酒法チームの捜査主任に抜擢したのであるが、実際は脱税での摘発が本命で、ネスを囮に使ったのが真相であると云われる。

アンタッチャブルのメンバーは、映画ではネスが3人を選んでいるが、実際は財務省が任命した11人の役人であった。

映画には妻子ある人物に描かれているが、現実には彼が家族を持ったのはカポネの逮捕の後である。

カポネ傘下の酒醸造所を摘発しているが、銃撃戦を交えたり、メンバーが殺されたこともない。

自伝にも銃撃戦の描写があるが、メンバーは「一度も銃を撃つことはなかった」と証言している。実際のネスのチームは誰も喪うことなく職務を全うしている(ただし、正式メンバーでないネスの運転手が殺されている)。

誰も買収には応じなかったとされているが、実際はメンバーの数人は買収されていた。

映画では、脱税での立件もネスが主導しているが、実際は脱税チームが起訴したもので、ネスの禁酒法違反容疑での立件は見送られている。

ネスが生のカポネを目にしたのは、法廷での審理が初めてである。

フランク・ニッティは映画中では死ぬことになっているが、実際は逮捕・収監されたカポネの跡を継いでボスになり、1943年に逮捕される恐怖から自殺している[8]

トリビア本作で使用された大階段(Grand staircases)

フランク・ニッティは当初はアンディ・ガルシアが演じる事になっていたが、ガルシアの演技力の高さからアンタッチャブル側のジョージ・ストーン役へと変更となり、ビリー・ドラゴがニッティ役へとなった。

シカゴ・ユニオン駅でのカポネ一派との銃撃戦において、『戦艦ポチョムキン』の有名なオデッサの階段のシーンが引用されており、公開当時から話題になった。なお、デ・パルマによるともともと引用する気はなく、列車を舞台にした大がかりなアクションシーンを撮ろうとしたが、予算がなくなったので仕方なく「階段落ち」を思いついたとのこと。

当初アル・カポネは制作会社の意向によりボブ・ホスキンスが演じる予定であったが、監督のパルマがカポネ役にデ・ニーロを強く推した。デ・ニーロは他のキャストと異なり、スケジュールが多忙で最短で出演シーンの撮影を行った、またデ・ニーロは頭髪を剃りアル・カポネを演じた。体重は直後に別の映画出演が決まっていたので太るわけにいかず、ボディスーツを着用したが、顔だけは太らせて撮影に挑んだ。

007シリーズ以降のショーン・コネリーはヒット作に恵まれないスランプ状態で、マネージャーは当時新人だったドルフ・ラングレンのマネージメントを兼任し高額なデニーロに反してギャランティが低く抑えられていたが、本作でアカデミー助演男優賞を受賞したことを切っ掛けにその後も長く活躍することになった[9]

作品の評価
映画批評家によるレビュー

Rotten Tomatoesによれば、批評家の一致した見解は「表面は滑らかだが技巧的なタッチが満載のブライアン・デ・パルマの古典的なギャングスリラーは、古い時代のシカゴの犯罪を鋭く概観し、一流のキャストが素晴らしい演技を見せている。」であり、62件の評論のうち高評価は82%にあたる51件で、平均点は10点満点中7.62点となっている[10]Metacriticによれば、16件の評論のうち、高評価は13件、賛否混在は3件、低評価はなく、平均点は100点満点中79点となっている[11]
受賞歴

賞部門対象結果
第60回アカデミー賞助演男優賞ショーン・コネリー受賞
美術賞パトリツィア・フォン・ブランデンスタイン
ウィリアム・A・エリオット(英語版)
ハル・ゴーズマン(英語版)ノミネート
衣装デザイン賞マリリン・ヴァンス=ストレイカー(英語版)
作曲賞エンニオ・モリコーネ

脚注
注釈^ 2018年1月22日放送されたもの。


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