アンゲラ・メルケル
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これは、EU データ保存指令[15]の実施のために、刑事訴訟法及び通信法を改正したものであった。この立法が官報に掲載された翌日に、3万人以上の原告が抽象的違憲審査訴訟を連邦憲法裁判所に提起した。原告らは、この立法が通信の秘密を脅かすと主張した。

また、この年メルケルはイスラエルを訪問し、イスラエル議会で演説をした。演説は、メルケルの母語であるドイツ語で行われ、中にはドイツ語を聞くのは耐えられない、として議場を離れたユダヤ人議員もいたが、ごく少数だった[16]
首相2期目首相2期目(2009年)

2009年9月27日の総選挙でCDU/CSUが勝利。SPDとの大連立を解消し、新たにFDPと連立政権を樹立することで合意。10月28日に第2期政権が発足した。メルケル政権は、支持率60%を長らく維持していた。しかし2010年3月、2年前に導入された通信法及び刑事訴訟法の関連規定が連邦憲法裁判所の違憲判決によって一部無効となった[14]。さらに4月のギリシャ財政破綻問題ではドイツが多額の財政支援を行わなくてはならなくなった。そして内閣支持率が40%台程まで急落した。

2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故により、ドイツ国内でも脱原発の機運が上昇。原子力発電推進派として稼働年数を延長する政策を採ってきた首相も、この動きを見て3月14日に計画の凍結を表明した[17]。しかし、ドイツ国内の原子力発電所不信は拡大していき、地方議会選挙で緑の党が躍進するなど与党が相次いで敗北。5月30日には「2022年までに国内17基すべての原発を閉鎖する」という方針を示し[18]新たなエネルギー政策へと舵を切った。
首相3期目首相3期目(2013年)

2013年9月22日に行われた総選挙では、CDU/CSUは議席を伸ばし第1会派の座を維持したものの過半数には届かなかった。一方で、支持が低迷していた連立相手のFDPは惨敗し、全議席を失ってしまった。このため、CDU/CSUとSPDで3か月にわたる協議の末再び大連立を組むことになり、12月17日に第3次メルケル内閣が発足した。メルケル本人の発言通りであれば、首相としては最後の任期となる。

2014年4月8日、EU データ保存指令について欧州司法裁判所が違憲判決を下した[19]。同年9月15日現在、マルウェア問題が取りざたされている[20]。同年6月にドイツ政府はベライゾン・コミュニケーションズと結んでいた契約の破棄を発表している。首相の携帯電話などを盗聴していた米国家安全保障局の要求に応じ、ベライゾンは顧客の通話履歴など膨大なデータを提供していたとされている。しかし、アメリカ合衆国連邦政府の干渉は依然として続いている。

2015年には100万人を超える難民のドイツへの移入の許可を行った[21]。そして同年12月、通信事業者に対する通信履歴保存義務が再導入された[22]。この件には二度も違憲判決が下っているにもかかわらずである。ドイツは、少なくともヴァイマル共和政時代から電気通信事業にゼネラル・エレクトリックなどのアメリカ資本が大量導入された歴史をもっている。2016年1月にはケルン大晦日集団性暴行事件を受けて、難民の受け入れについて、女性から抗議運動がなされている[21]
首相4期目首相4期目(2017年)

2017年9月24日に行われた総選挙ではCDU/CSUは246議席を獲得して第1会派を維持したが改選前より議席を減らした。また極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD)の台頭を許したことから、「2015年の難民受け入れによる結果である」とロイターに報じられた[23]。過半数に届かず連立協議が開始されたが難航したため、メルケル政権は「権勢を落とした」「レームダック化」したとロイターやBBCなどで報道された[24][23]

2018年3月になってようやくSPDが党員投票を経て再び連立政権に入ることとなり[25]、3月14日に第4次メルケル内閣が発足した[26]

しかし同年10月14日のバイエルン州10月28日のヘッセン州での州議会議員選挙でCDUは苦戦を強いられ連敗。10月29日にメルケルはCDUの会合にて、首相職を2021年の任期限りで勇退し政界からも引退する意向を表明した[27][28]

2019年6月18日、ウクライナゼレンスキー大統領を迎える屋外の式典で発作が起き、30℃近い気温だった為「水分不足だった」とコメントしている[29]


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