それから4年後、『THE FLASH/フラッシュ』も9年間の物語に幕を下ろすこととなった2023年、『THE FLASH/フラッシュ』のシーズン・ファイナル 第9話の予告映像内で「アローバース」という単語が用いられた[9]。 2014年頃のアローバースでは、スーサイド・スクワッドが登場し、デッドショットやアマンダ・ウォラーといったキャラクターが大々的に扱われていた。このスーサイド・スクワッドは好評であり、メンバーにハーレイ・クイン[注 1]を加えることが構想されたほか、キャストからスピンオフの可能性が言及されるほどだった[10]。しかし、DC社が2016年の映画『スーサイド・スクワッド』の公開にあたり、デッドショットやハーレイ・クインといったスーサイド・スクワッドのキャラクターの使用を制限したことで、アローバースはスーサイド・スクワッドの使用を控えざるを得なくなった[11][12]。このことは結果的にキャストが数名降板する事態へと繋がった。 同様に『ARROW/アロー』の主要人物として使用されていたスレイド・ウィルソン/デスストロークも、映画(DCエクステンデッド・ユニバース)で使用する計画が立てられたことで、『ARROW/アロー』シーズン3から登場回数が激減した[13][14][15]。 なお、映画でスレイド・ウィルソン/デスストロークを使用する計画は2019年までに中止となり[16]、スレイド・ウィルソン/デスストロークは実写テレビシリーズ『タイタンズ』のシーズン2で使用されるようになった。この頃のアローバースでは、複数のスレイド・ウィルソンではないデスストロークと、名称をゴースト・イニシアチブに変更したスーサイド・スクワッドが登場した[注 2]。 アローバースではスーサイド・スクワッドやデスストロークの件の他にも、『ARROW/アロー』シーズン3で登場予定があったテッド・コード/ブルービートルをレイ・パーマー/アトムに置き換えたり[17][18]、『レジェンド・オブ・トゥモロー』シーズン1で登場予定があったアラン・スコット/グリーンランタンをレックス・タイラー/アワーマンに置き換えたり[19]と、キャラクターが使用できなかったことで度々計画が変更になっている。とは云え、『SUPERGIRL/スーパーガール』のレックス・ルーサーのように、使用できなかったキャラクターが後に使用できるようになることもある[20]。 DCコミックスの著作物の使用制限は、アローバース以外の作品でも起こっている。例えば、DCコミックスのバットマンを原案とするFOXの実写テレビシリーズ『GOTHAM/ゴッサム』は、バットマンの宿敵であるジョーカーに当たるキャラクターを登場させながらも、緑色の髪という象徴的なデザインと「ジョーカー」という名前を最後まで使用できなかった[21][22]。また、アローバースの前身と謂えるDCコミックスのスーパーマンを原案とする実写テレビシリーズ『SMALLVILLE/ヤング・スーパーマン』は、映画側に計画があったためにブルース・ウェイン/バットマン、ゴッサム・シティ、ダイアナ・プリンス/ワンダーウーマンを使用できず、それどころかスーパーマンの物語にとって重要なクリプトンやロイス・レインすら使用できない時期もあった[注 3][23][24]。
製作
DCコミックスの著作物の使用制限