アレスリン
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したがって、S体かR体かの2種類が3箇所で、23種類、すなわち、8種類の立体配座が存在する[注釈 1]

なお、アレスリンは、一部を立体選択的に合成する場合もある。2種の立体配置異性体のみで構成されている部分的にエナンチオ純粋なアレスリンIは、ビオアレトリン(英語版)(bioallethrin)と呼ばれる。
生理活性

アレスリン類は、哺乳類および鳥類に対しては毒性が低い。しかしながら、魚類および昆虫に対しては高い毒性を示す。アレスリン類に曝露された昆虫は、アレスリン類が神経毒として作用するため、死亡する前に麻痺状態となる。このため、飛んでいた昆虫は、まず地面に落下して、その後しばらくしてから死亡する。

なお、いくら哺乳類や鳥類に対しては毒性が低いとは言えば、全くの無害ではない。さらに特異体質の場合には、アレルギーを引き起こし得る。特に喘息患者は、注意を要する。
用途

アレスリン類は、RAIDや蚊取線香といった多くの室内用殺虫剤に、殺虫成分として使用されている。

また、屋外での対策のための超微量散布スプレー(英語版)にも使用されている。
歴史

アレスリン類は1949年に、Milton S. Schechterによってアメリカ合衆国において初めて合成された[1]。アレスリン類は初めて合成されたピレスロイドである。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 立体異性体には、立体配置異性体だけでなく、立体配座異性体も含まれる。立体配座異性体は、立体化学的に嵩張っていて単結合の部分の回転が抑制されているなどの要因が無いと、分離できない。なお、立体配置異性体には、鏡像異性体であるエナンチオマーと、鏡像異性体ではないジアステレオマーが含まれる。

出典^ Schechter, M. S.; Green, N.; LaForge, F. B. (1949). “Constituents of Pyrethrum Flowers. XXIII. Cinerolone and the Synthesis of Related Cyclopentenolones.”. J. Am. Chem. Soc. 71 (9): 3165?3173. doi:10.1021/ja01177a065. 

参考文献

Oregon State University (1996). ⇒
Allethrin. Retrieved October 26, 2005.

Illinois Department of Public Health ⇒Pyrethroid Insecticides Fact Sheet. Retrieved October 26, 2005.

World Health Organization (WHO) ⇒d-Allethrin. Retrieved October 26, 2005.

外部リンク

Pyrethrins and Pyrethroids Fact Sheet - National Pesticide Information Center

Allethrin Pesticide Information Profile - Extension Toxicology Network


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