アレシボ天文台
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破損や経年劣化の状況から補修にかかる費用と安全面の問題が大きいと判断したNSFは、同年11月19日、望遠鏡を今後解体する予定で、麓の天文台自体はデータ解析等研究のため存続させると発表した[8]。しかし、その発表の半月後である2020年12月1日午前7時54分頃(現地時間)、かろうじて残っていたメインケーブルの断線により吊り下げられていた900トンのプラットフォームが落下。主鏡を突き破った上、支柱の上部が大胆に折れ、望遠鏡は崩壊した[9][10]
望遠鏡は再建されないことになった。

運営の資金を提供しているアメリカ国立科学財団(NSF)は、2022年10月13日に305メートル電波望遠鏡は再建しないことを発表。理由としては、エンジニアリング会社などに調査依頼をした結果、再建及び将来の運営にもリスクが生じること(土台となる地盤も、かなり痛んでいる)である。

ただし、アレシボ天文台という施設の単位では、12メートル電波望遠鏡や気象観測に使われるLIDARなどの観測装置が残っており、そこへ教育施設を付加することで、天文台としての機能は残存する決定が行われた[11]
アレシボ天文台でなされた発見

1964年4月7日にゴードン・ペッティンギル
(英語版)のチームが水星の自転周期が59日であることを発見した。それまで水星の公転周期と同じ88日だと考えられていた。

1968年のリチャード・ラブラス(英語版)たちによるかにパルサーの天体周期(33 ms)の発見は、宇宙に中性子星が存在する最初の確固とした証拠を提供した。

1974年 ラッセル・ハルスジョゼフ・テイラーが最初の連星パルサーPSR B1913+16を発見。

1989年8月 直径1.8 kmの小惑星(4769)カスタリアを直接観測に成功。

1992年 ポーランドの天文学者アレクサンデル・ヴォルシュチャンがパルサーPSR B1257+12を公転している初の太陽系外惑星を発見した。

脚注^ “世界最大の電波望遠鏡が稼働、中国”. AFP. (2016年9月26日). https://www.afpbb.com/articles/-/3102067 2020年12月2日閲覧。 
^ ナショナル ジオグラフィック プレミアムセレクションDVD 1. 宇宙開発のゆくえ より
^地球を小惑星の衝突から守る「地球唯一の天文台」に存続の危機|WIRED.jp、閲覧2017年7月7日
^全米科学財団、アレシボ天文台の年間予算を大幅削減 近く閉鎖の見通し 2007年11月22日 Technobahn
^ Taniguchi, Munenori. “アレシボ天文台が新体制で存続へ。大学コンソーシアムがNSFと5年以上の運用契約間近 - Engadget Japanese”. Engadget JP. 2018年2月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月9日閲覧。
^ a b “Broken Cable Damages Arecibo Observatory”. セントラルフロリダ大学 (2020年8月11日). 2020年11月2日閲覧。
^ “世界最大級の電波望遠鏡でわずか3カ月に2度の大事故が発生”. Engadget JP (2020年11月12日). 2020年11月19日閲覧。
^ “World-Renowned Arecibo Radio Telescope Set To Be Dismantled”. NPR (2020年11月19日). 2020年11月19日閲覧。
^ “Iconic radio telescope suffers catastrophic collapse”. ナショナルジオグラフィック (2020年12月1日). 2020年12月2日閲覧。
^ “アレシボ電波望遠鏡が崩壊”. アストロアーツ (2020年12月2日). 2020年12月2日閲覧。
^ “崩壊したアレシボ天文台の電波望遠鏡は再建されないことが決定、今後は教育センターとして活用 - GIGAZINE”. gigazine.net (2022年10月14日). 2024年3月16日閲覧。

関連項目.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキメディア・コモンズには、アレシボ天文台に関連するカテゴリがあります。

アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計

007 ゴールデンアイ - 終盤のアクションの舞台となる。

コンタクト

Xファイル - シーズン2第1話「リトル・グリーン・マン」がアレシボ天文台を舞台としたエピソードになっている。

SETI@home(アレシボ天文台からのデータを利用した研究)

外部リンク

公式サイト

民間地球観測衛星IKONOSからの写真

Puerto Rico: The moment the Arecibo Observatory telescope collapsed - BBC。崩壊時の動画

座標: .mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯18度20分39秒 西経66度45分10秒 / 北緯18.34417度 西経66.75278度 / 18.34417; -66.75278










地球外生命
出来事・事物

ALH84001

SHGb02+14a

ケーララの赤い雨

シャーゴッティ隕石

マーチソン隕石

シグナル

CTA-102(誤認だったクエーサー)

PSR B1919+21/LGM-1(誤認だったパルサー)

Wow! シグナル

KIC 8462852

地球外天体

太陽系

エウロパ

エンケラドゥス

タイタン

火星

金星(英語版)

太陽系外惑星

HD 85512 b

HD 40307 g

カプタインb

ルイテンb

プロキシマ・ケンタウリb

くじら座τ星e

くじら座τ星f

ウォルフ1061 c

グリーゼ163c

グリーゼ581c

グリーゼ581d

グリーゼ667Cc

グリーゼ832c

ケプラー22b

ケプラー61b

ケプラー62e

ケプラー62f

ケプラー174d

ケプラー186f

ケプラー296e

ケプラー296f


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