アルプスの少女ハイジ_(アニメ)
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原作では、ゼーゼマンの妻(クララの母)が亡くなった後に、ゼーゼマン家の家事一切を差配し、使用人を監督し、クララの教育係を務めている「ロッテンマイヤーさん(Fraulein Rottenmeier)」とある[11][注釈 10]。ゼーゼマン家の中で唯一、ハイジを洗礼名(本名)のアーデルハイドと呼ぶ。アーデルハイドとはハイジの実母の名で、洗礼名を問われた際に叔母のデーテが伝えたものである。ハイジのことを、他の使用人たちにお嬢様と呼ばせていた理由は、単にクララの遊び相手だからではなく、ハイジのゼーゼマン家における地位はロッテンマイヤーと同じ程度だからである。髪型は常に夜会巻きで、鼻眼鏡をかけている。家事一切を取り仕切り、大富豪の執事に足る教養を持つ[13]。杓子定規で頭が固く、融通がきかないため、形式に沿わぬことや大騒ぎなどが大嫌い。そのため気さくなおばあさまとは気が合わず、他の使用人たちからの人望もいまひとつで、自由奔放なハイジとの相性は最悪と言える。決して悪人ではないのだが、生活の秩序を守ることや体の弱いクララを第一に考えているため、ハイジへの思い遣りに欠ける面がある。またクララの体が“これ以上悪くならない”ことばかりを考え、クララに無理をさせまいとしてきたため、それがクララの意欲を削いでいたことにも気づいていない。大の動物嫌いで、屋敷を抜け出したハイジが拾ってきた子猫に飛び掛かられて気絶するほどである。アルムを訪ねた時は、ヤギ達やヨーゼフを「けだもの」呼ばわりし、引っ掻き回されハラハラの連続だった。なお原作では、クララと一緒にアルムの山へは行かなかった。淑女然としてはいるものの、ハイジがネズミや猫を連れてきたりした時や、オルガン弾きが連れていたカメを見た時などは驚異的な運動神経を発揮し、一飛びで椅子やテーブルに飛び乗るなど、なかなかの行動を見せてくれる。学校に通っておらず礼儀作法を知らないハイジを、ゼーゼマン家に相応しい秩序ある人物にすべく、粘り強く厳格に教育する。しかし、性格面でのそりの合わなさもあって、過剰なまでの厳格さがハイジの心を追い詰めてしまっていることに自覚がなく、ハイジが山に帰ってしまうことを危惧するクララを慮るあまり、ハイジに「山の話題を一切口に出してもいけないし、思い出してもいけない」という過酷な命令を下した結果、ハイジを心の病に追い込んでしまった。この仕打ちについてはセバスチャンら他の使用人たちだけでなく、優しく温厚なゼーゼマンをも怒らせてしまい、彼から普段の温厚さからは想像もつかないほどの激しい剣幕で叱責された。ハイジがアルムへ戻った後、当初はクララが山に行くことを否定的に考えており、山でも屋敷と同じ生活をするように強要するなど相変わらずな態度であった。しかし山でクララが歩けるようになって以降は態度も軟化し、フランクフルトに戻ったクララのリハビリに厳しい態度で付き添いつつ穏やかに励ましの言葉をかける等、最終的にはクララの山行きに理解を示し、山に行くこと自体も好意的に考えるようになる。余談だが、舞台版では戦前の発音に基づき「ロッテンマイエル」と表記される場合がある。これはペーターを「ペーテル」と発音していたのと同様である。また阿川弘之の小説「犬と麻ちゃん」でも野村耕平が言及するシーンがあるが、ここでの“フロイライン”は名前ではなく敬称の「嬢」であり、ファーストネームではない。
セバスチャン(Sebastian)
声 -
肝付兼太 / 加藤治(総集編)ゼーゼマン家の使用人の中年男性。原作ではロッテンマイヤーではなく彼が執事とされている(ロッテンマイヤーはガヴァネス)。ドイツ語での発音はゼバスティァンに近い。クララの身の回りの世話を全般的に行う。ハイジはセバスチャンを最初に見たとき「おじさん、ペーターに似ている」と話している。物分かりが良く、大らかな性格で、ハイジの良き理解者。ハイジの帰国時には仕事が忙しいデーテに代わってハイジをデルフリ村まで送ってくれた。デルフリでハイジと別れる際にも「山が嫌になったら、いつでもフランクフルトに帰ってきていいんですよ」と言う等、ハイジに対して、まるで父親が娘に接するような振る舞いを見せる。その為、ハイジにとってはおばあさまと並び、フランクフルト滞在時の心の支えとなった優しい人。ただし原作の方のセバスチャンは無条件に優しいだけではなく、用心深くて計算高い一面もある。ハイジが起こした騒動を利用してロッテンマイヤーをからかうシーンなどがある。
チネッテ(Tinette)
声 -
つかせのりこ / 高山みなみ(総集編)ゼーゼマン家の使用人の若い女性。ハイジが起こした騒動の後始末をすることが多く、そのためか無愛想でハイジに対して少々冷たいところがある。ロッテンマイヤーが所用でゼーゼマン家を空ける時、「あの婆さんがいなくてせいせいする」という言葉通り、どちらかというと彼女はロッテンマイヤーを嫌っている様子。ハイジの起こした大騒ぎでロッテンマイヤーが大慌てするのを見て、セバスチャンと一緒にほくそ笑んだり、ハイジに対するロッテンマイヤーの厳しすぎる躾を快く思わない素振りを見せる一面もあり、彼女自身は決してハイジが嫌いというわけではないようだ。また、タンバリンを上手にたたけるなど、音楽的素養も持ち合わせていたり、ロッテンマイヤー同様にネズミが嫌いのようだが、猫は大丈夫のようである。
ヨハン(Johann)
声 -
根本好章 / 千田光男(劇場版)ゼーゼマン家の御者。白い口髭を生やした小太りの男性で、シルクハットをかぶっている。
ゼーゼマン(Herr Sesemann)
声 -
鈴木泰明クララの父親。貿易の仕事で忙しく、パリに出かけているため滅多に家にはいない。そのためか、一人娘のクララを溺愛している。とても優しく、温厚で紳士的で、ハイジにもクララと同じ位に深い愛情を注いでおり、ハイジがホームシックと夢遊病を併発した時、その原因がロッテンマイヤーの厳しすぎる言いつけにあったことを知った際は珍しく激高し、ロッテンマイヤーに大喝を浴びせ叱責した。ハイジがやってきてからの自宅内がうまくいっていないことを察し、実母であるクララのおばあさまをフランクフルトに呼び寄せる。ハイジがゼーゼマン家のあれこれを乱したから、という解釈ではなく、前々からロッテンマイヤーの少々行き過ぎた管理・躾などを是正するために、実母のおばあさまを呼び寄せたというのが実情と言える。最終回で冬が近づいたためにクララを迎えに来たゼーゼマン家の一同の前でクララが自力で立ち上がり、短時間ながら歩いて見せた時には一同の中で最も驚き、かつ感動のあまり大号泣し、アルムおんじに感謝の言葉を述べた。
おばあさま (Grosmama)
声 -
川路夏子 / 此島愛子(総集編) / 麻生美代子(劇場版)クララの父方の祖母。とても気さくかつ聡明な老婦人で、ロッテンマイヤーをも軽くあしらう。ハイジに挿絵つきのグリム童話の本をプレゼントし本を読み聞かせることで、本への興味を持たせ、字の読み書きを自発的に学んでいけるようにした。また、ホームシックのハイジに気晴らしをさせようと、郊外の森に連れて行ったりと、フランクフルト滞在時のハイジにとって、一番の心の支えになった人物。クララ曰く、高齢ながら別荘で仕事をしているとのこと。アルムの山でのクララの生活ぶり、アルムおんじのクララに対する考えに感銘を受け、おんじにアルムでのクララの滞在を任せる。ペーターにも信頼をおいている。原作によると、ゼーゼマン家の財を築いた人物とされる。
お医者様(Clessen)
声 - 根本好章 /
中庸助(総集編)ゼーゼマンに“冷たい水”を頼まれたハイジが、街中へ冷たい井戸水を汲みに行ったときに偶然出会った老紳士。実はゼーゼマンの友人にしてクララの主治医で、名はクラッセンという。ゼーゼマン家で幽霊騒動が起きたときには科学者の立場で立ち会い、騒動はハイジのホームシックが原因であるとして、ハイジをアルムの山へ帰すよう指示した。普段はハイジやクララ、ゼーゼマンなどの意を汲む温厚で融通の利いた性格だが、ハイジがホームシックと夢遊病を併発しているとわかったとき、一日も早くハイジを(アルムへ)帰すべきと忠言し、ゼーゼマンの「ハイジを元気にしてから、山へ帰そう」との言葉には、「ホームシックは粉薬や丸薬で治る病気と違う」、「今すぐに山へ帰さないと、手遅れになってしまいかねない」と医師として毅然とした態度を示す。クララの体を治すのは、内服薬だけではなく、不便なアルムで懸命に暮らそうというクララ自身の意欲も必要であるということに気付いた。また、クララが実際にアルムに行き一定期間過ごせるのかを直接確認する為にやってきた時には、アルプスの大自然の美しさ、たまたま出会って山小屋まで案内をしてくれたペーターの朴訥で優しい心、意見交換をして知ったおじいさんの考えや心などにより「ハイジがホームシックになるのも無理はない」と、お医者様自身の五感で感じたことを素直な表現で感銘を受けたシーンがある。このことは、クララがアルムにおいて長期滞在をし、自分の足で歩くことが可能であるかもしれないと確信に至る1つのきっかけを作った重要な場面となる。
家庭教師の先生
声 - 島田彰クララの家庭教師。丸眼鏡に灰色の髪の中年男性で、一人で様々な科目をクララに教えている。ハイジが来てからは、並行してハイジにも勉強を教えることになるが、字の読み書きもできないハイジにクララと同じ内容を教えるよう、ロッテンマイヤーに指示され苦心する。2010年代に制作された家庭教師のトライのテレビCMでは、この家庭教師に代わってオリジナルキャラクターの「トライさん」が登場している。
その他
シュトラール (strahl)
声 -
峰恵研デルフリ村の住民でユキの飼い主。短気でおんじに対しては誰よりも不仲だが、逆に睨まれて怯えるほど小心者な一面も持つ。ユキが少しも成長せず良い乳が出ないことからユキを殺処分しようとするが、それを知ったハイジは密かにユキをおんじの下に隠される。ユキが良い乳が出るようになってからは考えを改め、ハイジの懇願でユキへの殺処分を取り下げる。
デルフリ村の牧師
声 - 不詳→永井一郎アルムおんじがデルフリ村在住当時の隣人だった教会の牧師。丸眼鏡に灰色(後に白髪)の初老男性。村人とは違っておんじを恨んでおらず、前述のトラブルのことから村人との和解やハイジを学校へ通わせることを勧めにおんじの下へ訪れるが、拒否されてしまう。
パン屋夫妻
声 - 峰恵研(店主)、山本圭子(妻)アルムおんじが毎回買いに行ってたデルフリ村のパン屋の夫婦。おんじがいつも購入していたパン(黒パン)の量が変わっていたことに気づき、怒ったおんじはついに口論になり絶交を言い渡される。その後は既に和解しており、フランクフルトから帰ってきたハイジを一緒に村まで送って行くが、おんじ宛ての荷物を預けられることになる。
ストリートオルガンの少年
声 - 野沢雅子フランクフルトの街中で手廻し式のストリートオルガンを演奏しており、ペットのカメを連れている。迷子のハイジを道案内する。クララの歓迎会にも参加している。
教会の塔守
声 - 水鳥鉄夫フランクフルトにあるカタリーナ教会の塔を管理する塔守の老爺。アルムの山を懐かしがるハイジに懇願され、ハイジを塔に上らせた。しかし山が見えず落ち込むハイジを慰めようと、生まれたばかりの仔猫を贈った。
森の少年たち
声 - 山賀裕二、清水秀生フランクフルトの郊外の森で遊んでいた少年たち。おばあさまの提案で出かけたピクニック先の森で知り合い、ハイジが「お陽さま」を取りに再度森へ出かけた際には、クララへの土産に蝶を集めた。
ナレーション
声 - 沢田敏子
登場動物
ヨーゼフ(Joseph)
本作品のオリジナルキャラクター。フランクフルト編以外のほぼ全話出演。アルムおんじの飼っている犬で、普段は昼寝ばかりして無愛想でマイペース。だが、ペーターの替わりにヤギの番をしたり、崖から転落したハイジを自らの体をクッションにして受け止めるなど、いざというときにはとても頼りになる。好物は
カタツムリ(食べるところを見たロッテンマイヤーが、酷く狼狽する場面がある)。ハイジが興味を示す物に関心を持つのか、雪割草を掘り出してみたり、樅の木に降る雪がどんな音なのか耳を澄ませてみる仕草をする。また、ハイジ曰く、時々意味不明なことをするらしく、意味なく山小屋前の地面に穴を掘り続けたかと思いきや、穴を埋め戻すことなく澄ましていたりする。ハイジがアルムにやってきたばかりの頃はその体格の大きさや、昼寝している最中に執拗に声をかけてきたハイジに突然吠えたこと、彼女の目の前でカタツムリを平然食べたことなどからあまり良く思われていなかったが、ハイジが家の中で保護していたひな鳥のピッチーを暖炉の火から守るために口にくわえて助けた一件で、ハイジから信頼をおかれるようになる。
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