アルビノ
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ただしこれらには大きな個人差がある[2]

本来メラニン色素を有するはずの組織(体毛・皮膚・虹彩・脈絡膜・網膜色素上皮)にメラニン色素欠乏をきたす。

体毛はメラニンの量によりプラチナブロンド(白金)からブロンド(金髪)である。メラニンがほとんどない場合、日光により黄変していることもある。

皮膚は乳白色である。あるいは皮下の血液により薄紅色を呈する。

虹彩はメラニンの量により無色・淡青色・淡褐色などである。メラニンのない場合は無色半透明で、眼底の血液の色が透け、瞳孔とともに淡紅色となる。

脈絡膜のメラニン欠乏により、瞳孔は眼底部の血管の色が透け、淡紅色となる。脈絡膜に少量のメラニンを持つ場合はぶどう色となる。


脈絡膜および網膜色素上皮における色素欠乏のため網膜上でのの受容が不十分で、視力が弱い。眼球振盪斜視乱視近視遠視を伴うこともある。一般に、色素量の多い人ほど視覚症状は軽い。

虹彩に色素がない(少ない)ため遮光性が不十分で、光を非常に眩しく感じる(羞明という)。

皮膚で紫外線を遮断できず、紫外線に対する耐性が極めて低い。

これらは全て先天的症状で、非進行性である。これら以外の点は、アルビノでない人と同じである。
治療・対策

先天性白皮症の治療法は現在のところ見つかっていないため、処置は以下の対症療法となる[2]

メラニンが不足しているので紫外線防御が常に必要な場合が多い。

視力障害など、眼科でのコントロールが必要な場合がある。

紫外線

メラニンには、日焼けDNAの破壊などの紫外線の害から身体を守る働きがあるが、アルビノの人にはこのメラニンが極めて少なく、あるいは全く欠如しているため、日差しの強い日には短時間でも日光に当たっていると、皮膚が赤くなる日焼けをしてしまう。皮膚がん発病のリスクは、メラニン量の少ない北ヨーロッパ系白色人種よりも遥かに高い。従って、アルビノの人の紫外線対策は非常に重要である。

紫外線の影響を避けるためには日光に当たらないことが望ましいが、日常生活では不可能である。そこで、野外に出るときは直射日光をなるべく避け、SPF値が高く、UV-A・UV-B双方をカットできる日焼け止めクリームを塗り、長袖を着るなどの対策が必要である。また、目の組織も紫外線におかされやすいため、UV-Aカット機能のあるサングラスを着用するとよい(UV-Bは眼鏡のレンズ、UV-Cは大気によってカットされる)。建物の窓ガラス等、外の光を建物の内部に入れるものには、UVカットフィルターを貼るなどすると、さらに安心である。しかし、これらの対策を取っていても、完全に紫外線を取り除くことは不可能であることを留意しておく必要がある[2]
視覚
弱視
アルビノの人は
視覚に様々な障害が現れる。それらのうち光の屈折異常(近視遠視乱視など)は、眼鏡コンタクトレンズの着用により矯正が可能である。しかし、脈絡膜(暗幕の役割をする)の色素欠乏により眼球内で光が散乱し、網膜でのの受容が不十分で、またそれにより、視細胞の発達に必要な適切な光刺激が得られず視細胞が未熟であるため、眼鏡やコンタクトレンズでの視力の矯正には限界がある。そのため、遠くを見るときはオペラグラス、近くを見るときはルーペなども用いてを大きくすれば、ある程度は視覚を補完できる。また、像の境界線が不明瞭なため、色覚による境界線の区別が重要になる。従って点字ブロックなどの黄色い警告色はとても有用である。
眼球振盪
多くの人は水平方向の眼球振盪を伴うため、視界が細かく左右に振れてさらに物が見づらくなる。視界が左右に振れるため、垂直方向より水平方向の線のほうが見やすい。例えば定規を縦に使うと目盛線が水平方向に向くため、読みやすい。また、縦書きの文章は読んでいる行を見失ってしまうため、横書きのほうが読みやすい。
羞明
虹彩で眼球に入る光量の調節ができず、必要以上の光が眼球内に入るため、必然的に光を嫌い、暗い場所を好む傾向がある。明るい場所に出ると非常に眩しく、あまりに光が強いと網膜を傷めてしまうこともある。それを防止するためにはサングラスが有用である。ただし、サングラスをかけることによって色のコントラストが下がり、前述の色覚による境界線の区別がつきにくくなる場合もある。パソコンや携帯電話などの画面は、白黒反転にすると見やすくなる。
種類とメカニズム

メラニンの生成には、チロシナーゼという酵素が深く関係している。メラニンは、以下の手順で生成される。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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