アルバータ州
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西にはブリティッシュコロンビア州があり、州境はロッキー山脈に沿って北西にあがり、北西付近からノースウエスト準州までの西経120度線を州境とする。最高標高はブリティッシュコロンビア州との州境にあるコロンビア山で、高さ3,747mある。

南東部のエリアを除き、州内は川や湖が多く水資源が豊富で、水泳水上スキー魚釣りなどウォータースポーツが盛んである。州内には3つの大きな湖があり、ウッドバッファロー国立公園内のアサバスカ湖(7,898km2、琵琶湖のおよそ12倍の面積)と、アサバスカ湖のすぐ西部のクレア湖 (1,436km2)、エドモントンの北西にあるレッサー・スレーブ湖 (1,168km2) とがある。

南北で1,200km、東西の長さは最も広いところで600kmあり、北緯49度と北緯60度では気候が大きく異なる。標高も高原地帯は州南部の1,000m(カルガリーは1,000?1,200m、レッドディアでおよそ850m)から北部に向かって650mまである。西部のロッキー山脈が壁になり、東部にはプレーリーが広がっていることから、気象もまた地形の影響を受けやすい。バンフ国立公園のモーランツ・カーブ
気候

州北部の多くは針葉樹林が広がっており、ステップ気候の南部と比べ森林が多い。南部は夏が暑く、他の州よりも降水量が少ない。西部の気候は山脈に囲まれていることから比較的穏やかで冬のチヌーク風フェーン現象)の影響を受け、暖かいことも多い。南東部は平坦で乾燥したプレーリーが広がっているため、寒暖差が激しい。気温は冬季は -35℃(-31°F)になることもあれば、夏季は 38℃(100°F)になることもあるなど、季節によって気温が大きく変化する。

針葉樹林とプレーリーの境にあたる北西部にはアスペン(ポプラの一種)が多く分布している。州内の中央付近は、オンタリオ州南部に次いで竜巻の多い地方である。夏には激しい雷雨が発生しやすく、特に州の中央と南部で見られる。カルガリー・エドモントン街道周辺では、ロッキー山脈の影響を受けるため、カナダ国内で最もの発生率が高い。

冬は全般的に寒く、平均気温は比較的温かい州の南部でも -10℃(14°F)、州の北部に至っては -24℃(-12°F)である。ロッキーの麓ではチヌーク(ロッキー山脈を越え東に吹く風でフェーン現象をもたらす)のために寒さが和らぐことがときおりあり、この現象は2月から3月に多く見られる。短時間で気温が上がることもあり、20℃(68°F) を越えることもしばしばある。夏の平均気温はロッキー山脈(谷間)および北部の 21℃(70°F) から南東部の乾燥したプレーリーでは 30℃(86°F) 近くになる。乾燥した気候を受け年間日照量が多く、州東部はカナダ国内でも最も年間日照時間が多い地域で、平均2,500時間を越える。
人口動勢主要記事:Demographics of Alberta

近年の経済発展を受け、人口は高い成長率を見せており、国内外からの流入も多い。2016年統計で州人口はおよそ407万人で、都市部の人口は81%に上る。カルガリー、エドモントンを中心に各都市で高い成長が見られ、1901年には人口7万3,022人だったのが2006年には337万5,763人にまで増加した。

民族構成は22.7%がカナダ人で、以下イングランド系(22.6%)、ドイツ系(17.9%)、スコットランド系(17.7%)、アイルランド系(15.0%)、フランス系(10.3%)、ウクライナ系(9.3%)と続く[4]

アルバータ人の多くはキリスト教徒であり、福音派の割合が他州よりも多い傾向にある。反対に無宗教派の割合も多く、国内ではブリティッシュコロンビア州に次いで割合が高い。モルモン教徒は南部に多く、フッター派再洗礼派の流れを汲むメノナイトのほか、第7安息日再臨派の数が多い。ウクライナなど、東ヨーロッパからの移民が多いことから、この地域の宗派も見られる。

ヒンドゥー教徒シク教徒イスラム教徒なども存在し、北米で最も古いモスクがエドモントンにある。また、州内のユダヤ教徒の多くがカルガリーやエドモントンに存在する。
主な都市カルガリージャスパー

アルバータ州の地方行政区を参照のこと。

カルガリー

エドモントン(州都)

レッドディア

レスブリッジ

セントアルバート

メディシンハット

グランドプレーリー

フォートマクマレー

バンフ

ジャスパー

ドラムヘラー

経済主要記事:Economy of Alberta

主な産業は、石油鉱業農業畜産業、そして観光である。石油による収益が大きいため、カナダの財貨サービス税(GST)が導入される以前は、商店での買い物には税金がかからなかった。

石油産業の発展は、1914年に最初の油田が発見されたことが端緒となった。第二次世界大戦後には新鉱区が発見。一気に油田地帯として注目を浴びるようになった。近年はオイルサンドを採掘して得られる重質油が主力になっている。一部鉱区では、日本の石油資源開発の子会社のジャパン・カナダ・オイル・サンズ(JACOS)がオペレーターになっているほか、開発に携わっている。フォートマクマレーのオイルサンド採掘場


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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