生息していた年代である440万年という数字は、アルディが発見された地層をはさんでいた火山灰層のどちらからも、アルゴン-アルゴン法でその数値がはじき出されたからである。結果としてアルディのいた地層はその間の100年から1万年程度のうちに堆積したと推測されている[53][54]。
また、一緒に出土したのは森林に生息するレイヨウやサルの一種などの化石や種子・木片の化石などで、その生息環境には森林が身近にあったことをうかがわせる[2]。前述の砂まじりの食物をあまり摂っていなかったらしいという歯の特色も、サバンナで暮らしていたアウストラロピテクス属と違い、サバンナへの本格的な進出をしていなかったことをうかがわせる[36]。アルディが暮らしていた環境は、森林とサバンナが入り混じるようなものだったろうと推測されている[55]。その推測は、かつて広く知られていたイヴ・コパン
(フランス語版)の仮説「イーストサイドストーリー」が誤っていたことを示している[56][注釈 6]。