『アルゴ』(ARGO)は、1979年から1980年にかけて発生した在イランアメリカ大使館人質事件を題材とした、ベン・アフレック監督・製作・主演による2012年のアメリカの歴史スリラー映画である。第85回アカデミー賞作品賞受賞作品。 クリス・テリオが書いた脚本は米国CIA工作員トニー・メンデスによる1999年の回想録「The Master of Disguise」と、2007年のジョシュア・バーマン著Wired記事「大脱走:CIAはテヘランからアメリカ人を救出するためにいかにして偽SF映画を使用したか」[4]をもとに脚色された。この映画は、1979年から1981年のイランアメリカ大使館人質事件中に、米国外交官6人をイランのテヘランからSF映画の撮影を装って救出したメンデス指揮「カナダの策謀」を扱っている。 イラン革命により、1979年2月にルーホッラー・ホメイニー率いる反体制勢力が、モハンマド・レザー・パフラヴィー国王をイランから放逐した。 しかしその後、国外に亡命したパフラヴィー元国王をアメリカが受け入れたことに反発したイスラム法学校の生徒を中心とした反米デモ隊が、同年11月にテヘランのアメリカ大使館を占拠し、52人のアメリカ人外交官が人質に取られた。だが、大使館が占拠される直前に6人のアメリカ人大使館員が大使館から脱出し、近くにあるカナダ大使公邸に匿われる。しかし6人が脱出したことを新政府(イスラーム革命評議会)は気づいていなかった。 これを受けて、CIA秘密工作本部作戦支援部のトニー・メンデス(ベン・アフレック)は6人をイランから救出するため、『アルゴ』という架空のSF映画をでっち上げて、6人をそのロケハンのスタッフに身分偽変させ、秘密裏にテヘランから脱出させるという作戦をたてる。 イランに渡り、6人の男女の大使館員に偽のパスポートを渡すトニー。映画スタッフとして実際にロケハンも行い、2日で帰国する予定だった。しかし、作戦中止を指示する上層部。アメリカ大統領が代わり、命令系統が滞ったのだ。イラン側の疑いを肌身に感じて、作成遂行を決心するトニー。CIAも協力して策を講じ、カーター新大統領から承認を取り付けた。 予定通り空港に向かうトニーたち。空港の警備隊長はハリウッドに国際電話をかけて英語でトニーの身分を問い合わせる才人だったが、これもクリアした。搭乗後に身元がバレて駆け付ける兵士たち。だが、スイス航空の旅客機は無事に飛び立ち、イラン領空から離れた。 ※括弧内は日本語吹替
概要
ストーリー「カナダの策謀」も参照
キャスト
トニー・メンデス - ベン・アフレック(森川智之)
ジャック・オドネル - ブライアン・クランストン(内田直哉)
レスター・シーゲル - アラン・アーキン(稲垣隆史)
ジョン・チェンバース - ジョン・グッドマン(島香裕)
ボブ・アンダース - テイト・ドノヴァン(竹田雅則)