抗酒剤とは別に、飲酒欲求そのものを抑制する薬剤物質としてのアカンプロサート(商品名「レグテクト」)が2013年から日本でも使用され始めた。服用に際しては自助グループや精神療法との併用が効果的で望ましい。
アカンプロサート - 脳内の伝達物質(飲酒欲求にスイッチを入れる物質)であるグルタミン酸によって引き起こされる脳内の過剰な欲求を緩和する。即ち、アカンプロサートが、神経細胞の受容体(スイッチによる命令を受け入れる部署)を封鎖して、伝達物質グルタミン酸分子の受容体への付着を防止することで欲求命令の伝達を防ぐ。アルコール依存症者の脳にはこのグルタミン酸が特に多量に見られる(原因は不明)。全ての患者に効能が認められるわけではないが、アルコール依存症者の治療にアカンプロサートが投薬され、一定の成果を挙げている[26][29]。
ナルメフェン
治療者は初診ではまず、受診したことを大きな一歩としてしっかりとねぎらい、患者の困りごとを丁寧に傾聴し、その解決を優先してサポートするという姿勢で、信頼関係を構築することが重要である[41]。その上で、以下のような心理療法を行っていく。 アルコール依存症をはじめ、依存症全般で動機づけ面接法の有効性が確認されている[42]。動機づけ面接法を進めていく中で、患者と治療者の間に共通理解が増え、治療同盟の構築が可能になる[42]。動機づけ面接法による非対決的な関わりと治療同盟、治療者が患者を共感的に理解しようとする温かいまなざしは、高い治療効果を持つ[42]。加えて、人生の目標を実現したり好きなことに取り組んだりできるという断酒のメリットを実感できるよう支援するとともに、短期間の断酒やささいな変化も賞賛して成功体験として認識できるようサポートし、患者に寄り添いながら断酒への動機の形成を援助していく[43]。 認知行動療法の有効性は古くから確認されてきた[42]。認知行動療法では、自らの飲酒衝動や飲酒行動のメカニズムを知り、衝動の回避方法やストレスへの対処方法等を身につけることなどをサポートする[42]。なお、治療にあたっては、認知行動療法単独で実施するのではなく、認知行動療法を他の治療法(薬物療法や動機づけ面接法、自助グループへの参加など)と組み合わせて実施することが推奨される[42]。 アルコール依存では、その他の向精神薬依存治療をも必要なことがある[2][44]。
動機づけ面接法
認知行動療法
多重の中毒
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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