モリソンは1990年のコラムで、ムーアのスーパーヒーロー作品が1977年に英国で出版された Superfolks(→スーパーな人々)というユーモア小説からヒントを得ていると指摘した[注 53]。ムーアは同書からの影響は特別に大きなものではないと発言しているが、盗用説は根強く残っている[625][624]。
2012年には『ローリング・ストーン』誌のインタビューで「ムーアはレイプに執着しており、レイプが出てこない作品は一握りしかない」と発言した[626]。翌年、「女性や人種的マイノリティの描写に関する批判」について反論を求められたムーアは、自らモリソンの名前を出し、作品や人格を激しく批判し、自身のストーカーだと呼び、モリソンの共作者・出版社・ファンと絶縁すると宣言した[358][356]。 ムーアは自身のコミック作品が映画化不能だと常々語っており[627]、公開された原作映画を公然と酷評している[628]。メディア・フランチャイズ化が当然の前提となっている21世紀のアメリカン・コミックにおいて、このような姿勢は珍しい[629][注 54]。 ムーアの映画化に対する考え方はハリウッドとの関わりが増すにつれてどんどん辛辣なものになっていった[628]。初期の『フロム・ヘル』(2001年)や『リーグ・オブ・レジェンド』(2003年)はいずれも原作から大きく改変されていたが[630]、これらについては映画を見ずにすんで関りを持たずにいられて、オプション料が入ってくる限り、誰も原作と映画を混同したりしないと思って気にしなかったと語っている[631]。ムーアの姿勢が硬化したのは、2003年に映画製作者マーティン・ポール
思想・信条
映画化
ムーアはその後、著作権を手放したコミック作品に自分の名前を載せない意向を示した。さらに映画化されても自身の名前を出さず、原作料も受け取らないと発言した[640]。それ以降の映画『コンスタンティン』(2005年)、『ウォッチメン』(2009年、ワーナー)、『ウォッチメン』(2019年、HBOドラマ)ではこの希望が守られ、ムーアへの原作料は替わりにコミックの作画家に支払われた[26][401][641]。2012年のインタビューにおいて、映画化に協力しなかったことで逃した金額を尋ねられたムーアは「少なくとも数百万ドル」と答え、こう続けた[642]。