ただし、キリスト教徒のアラブ人にはアラブ人としての民族意識は宗派によってばらつきがあり、東方正教会の信者には(パレスチナ難民内にも多くの信者がいることもあり)有力な汎アラブ主義指導者(ジョージ・ハバシュなどのように一部は「テロリスト」とされることもあった)になる者もいる。
その一方で、レバノンのマロン派の信者は古代フェニキアの子孫としての民族意識が、イラクなどのアッシリア人は古代バビロニア、アッシリアの子孫としての民族意識が、エジプトのコプト正教会の信者はコプト語の話者であることから古代エジプトの子孫としての民族意識が強い。
現在ではシリア人、パレスチナ人、エジプト人、マグリブのアラビア語系住民、身体的形質の上では黒人とされる人々を含むスーダンやモーリタニアなどの「ブラックアフリカ」におけるアラビア語話者、さらにベルベル系の諸民族やソマリ人などアラビア語以外の言語を母語とする者までがアラブ人として自己規定する場合もある。ただし、典型的なコーカソイドのアラブ人は、ネグロイドのアラビア語話者をアラブ人と認めないことが多い。
ベドウィンなど、遊牧民や砂漠の民のイメージもあるがこれは一面的な解釈にすぎない。彼らは多くの穀倉地帯を抱えた農耕民族でもあり、インド洋を股にかけた海洋民族でもある。イスラム文化は高度に発達した都市文明の産物であり、西欧を中心に発祥した近代科学にも大きな影響を与えている。 アラブ人を特徴づける遺伝子はY染色体ハプログループJ1である。このタイプは現在アラブ人の分布する中東?北アフリカで高頻度にみられる。特に北アフリカではアラブ人の入植により急速にJ1が広まったものと推定される。人種的なアラブ人は上記の通りなのだが人種的なアラブ人 つまりアラビア半島出自のアラブ人はサウジアラビア オマーン アラブ首長国連邦 カタール バーレーン クウェート ヨルダン(現在パレスチナ系 メソポタミア系の難民が7割を占める)、エジプト チュニジア モロッコ アルジェリアで多い。シリア イラク レバノン はメソポタミア系やイラン トルコ系、リビアはベルベル人 、イエメンは原始アラブ人だが文化的にはアラブ人と定義づけられている。
遺伝子
主なアラブ人国家「アラブ世界」も参照
アラブ首長国連邦
アルジェリア - ただし、人口の約20%はベルベル人である。
イエメン
イラク
エジプト
オマーン
カタール
クウェート
サウジアラビア
サハラ・アラブ民主共和国
シリア
スーダン - ただし、人種では黒人と混血が多数を占め、また半数が非アラビア語を話す。
チュニジア
バーレーン
パレスチナ
モロッコ - ただし、人口の約20% はベルベル人である。
モーリタニア
ヨルダン
リビア
レバノン
著名・有名なアラブ人
ムハンマド・イブン=アブドゥッラーフ(イスラム教の開祖)
アリー・イブン・アビー・ターリブ(シーア派の開祖.4代カリフ)
ハールーン・アッ=ラシード(アッバース朝第5代カリフ)
ハーリド・イブン・アル=ワリード(武将)
イブン・バットゥータ(イスラム法学者、旅行家)
キンディー(哲学者、音楽家)
イブン・ルシュド(哲学者)
バッターニー(天文学者、数学者)
イブン・ハイサム(天文学者、数学者、哲学者)
ウダイ・サッダーム・フセイン
ウサーマ・ビン・ラーディン(テロリスト)
クサイ・サッダーム・フセイン
サッダーム・フセイン(政治家)
ガマール・アブドゥル=ナーセル(政治家)
アブドゥルアズィーズ・イブン=サウード(初代サウジアラビア国王)
ハサン・ナスルッラーフ(政治組織議長)
ムクタダー・アッ=サドル(政治組織指導者)
アンワル・アウラキ(イスラム教指導者)
アブー・ムスアブ・アッ=ザルカーウィー(テロリスト)
アリー・ハサン・エル=サムニー(博士)
師岡カリーマ・エルサムニー(講師、コラムニスト)
オマー・シャリフ(俳優)
マフムード・ダルウィーシュ(詩人)