この地に先住するエスキモー、インディアン、アレウトは、本土のインディアンと同じくアメリカ内務省の出先機関であるBIA(インディアン管理局)の管理下に置かれ、アメリカ連邦政府=BIAが認定した部族のみが、連邦条約のもと、村落単位で保留地(Reservation)を領有している。
アラスカ・エスキモー(ユピク、イヌピアット)はイヌイットとは言語も違う別部族であり、「イヌイット」とは呼ばない。
もともと移動狩猟民であるアラスカ・エスキモーは、20世紀になって衣食住の援助や地下資源の所有権と引き換えに「保留地」を受け入れ、移動生活を破棄している。現在、アラスカのエスキモーは観光用以外犬ぞりは使っておらず、スノーモービルが主流となっている。
石油などの地下資源に関しては、開発容認派と伝統派の賛否両論で部族村落が二分しているところも多い。大雪原を分断するアメリカ本土の石油パイプライン建設計画も、自然環境と併せ彼らの生活への大きな影響が懸念されている。
1990年代、全米の産業・軍事用高濃度核廃棄物の埋め立て処分場として、アメリカ連邦政府は本土の(アメリカ連邦条約上、外国である)インディアン保留地のいくつかを候補地とし、各廃棄物受け入れの見返りとして2億5000万ドルの援助金を提示。これに対し、ニューメキシコ州のメスカレロ・アパッチ族部族会議が名乗りを上げたため、メスカレロ・アパッチ族部族員はこれに猛反発。部族会議は北米自由貿易協定をもとに、この高レベル核廃棄物をそのまま他部族の保留地へ丸投げする計画を表明した。これを受けてアラスカ州サスカチェワンの自治組織メードウ湖畔部族会議が受け入れ表明したため、周辺の部族が猛反発し、大論争となった。1994年にこの高濃度核廃棄物のアラスカへの「たらい回し」は正式に頓挫した。
現在6つの部族・団体が連邦認定を拒否され、アラスカ先住民としての権利を行使できずにおり、連邦による認定を要求中である。
2008年1月18日、約100人のアラスカ・インディアンが、アラスカ立法府が「インディアンの国(Indian country)」の認定可否について連邦裁判所と係争するために100万ドルを費やすことについて抗議デモを行った。彼らは太鼓を打ち鳴らし部族の歌を歌いながら平和と主権を叫び、フェアバンクスからコルドバまで行進した。アラスカ・インディアンの活動家チャールズ・エトック・エドワードセンは「主権は売り物や商品ではない。土着民の見出し付けなど制定できるものなのか」とコメントしている。
≪アメリカ連邦政府が公式認定しているアラスカ部族・村落≫
アフォグナク村落
アクヒオク村落
アキアチャク共同体
アキアク共同体
アクタン村落
アラカヌク村落
アラトナ村落
アレクナギク村落
アルガーシク村落
アラカケット村落
アンブラー村落
アナクツブク村落
アンドレアフスキ・ユピート族
アングーン交流協会
アニアク村落
アンヴィク村落
ヴェネティー北極村落
アトカ村落
アサ=カーサーミウト族
ヒューズ村落
ハスリア村落
ハイダバーグ組合協会
イギウギグ村落
イリアンナ村落
北極斜面のイヌピアット共同体
イクルミウト伝統派会議
イワノフ湾村落
カグヤク村落
組織化されたカケ村落
カクトヴィク村落
カルスカグ村落
カルタグ村落
カナタク村落
カールク村落
組織化されたカサアン村落
カシグルク村落
ケナイツェ族インディアン村落
ケッチカン族・インディアン組合
キアナ村落
アグダアグス村落
先住キングアイランド協会
キングサーモン族村落
キプヌク村落
キヴァリナ村落
クラウォク組合協会
クルチ=カアア村落
クニク族
コブク村落
コクハノク村落
新しいコリガネク村落部族会議
コンギガナク村落
コトリク村落
コツェブエ村落
コユク村落
コユクク村落
クゥエスルク村落
クウィギリンゴク村落
クウィンハガク村落
ラーセン湾村落
レヴェロック村落
レスノイ村落
リメ村落
下カルスカグ村落
マンリー温泉村落
マノコタク村落
マーシャル村落
メリーのイグルー村落
マクグラス村落
メコリュク村落
メンタサ伝統派部族会議
メトラカトラ族インディアン共同体
ミント村落
ナクネク村落
ナンワレク村落
ナパイミュート村落