アラスカ
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自然の諸相オーガスティン火山、2006年1月12日に噴火した[12]

アラスカ州はその無数にある島を含めて全長34,000マイル (54,400 km) 近い海岸線がある。南端から西にはアリューシャン列島が延びている。アリューシャン列島や海岸地域には多くの活火山が見られる。例えばユニマク島にはシシャルディン山があり、北太平洋上に10,000フィート (3,000 m) 以上も噴煙を上げることがある。地球上で最も円錐状に近い火山であり、日本富士山よりも対称性が高い。この火山の連なりは本土のアンカレッジ市の西、スパー山まで続いている。地質学者はアラスカをランゲリアの一部としている。ランゲリアは活発に大陸形成が行われている太平洋岸北西部にあって、アメリカ合衆国とカナダの多くの州を含むものである。

アンカレッジ市の直ぐ南にあるターナゲイン・アームでは世界最大の潮汐が起こる。干満の潮位差は35フィート (10.7 m) にも達する(カナダにはもっと大きな潮位差が出る地域があるとする文献もある)[13]

州内には300万以上の湖がある。北部、西部および南西部の平原では湿原や永久凍土層が188,320平方マイル (488,000 km2) にもなる。氷河は陸地16,000平方マイル (41,000 km2)、海岸部1,200平方マイル (3,100 km2) を覆っている。ユーコン準州との南東部国境近くにあるベーリング氷河は単独で2,250平方マイル (5,800 km2) の大きさがある。氷河の総面積は10万平方マイル (260,100 km2) 以上有り、世界の氷河の半分に相当している。
国立公園、保護区

北アメリカ大陸最高峰のデナリ(旧名マッキンリー山)がある。周囲は広大なデナリ国立公園が広がっている。他の国立公園は、グレイシャーベイ国立公園などがある。

また、自然保護区としてラッセルフィヨルド文化遺産保護区としてアラスカ最南端にミスティフィヨルドがある。

ボーフォート海に面するアラスカ国家石油保留地は未開発の状態が保たれている。
土地の所有形態アラスカ州には国内最大の国有地がある[14]

アメリカ合衆国土地管理局の1998年10月付け報告書に拠れば、州内の土地の65%は連邦政府が国有地として保有・管理している。これには多くの国有林、国立公園、国立野生生物保護区などが含まれている。この中で土地管理局は8,700万エーカー (348,000 km2) すなわち州面積の23.8%を管理している。北極野生生物国家保護区アメリカ合衆国魚類野生生物局が管理している。広さ1,600万エーカー (64,000 km2) に及ぶ世界最大の野生生物保護区である。

残りの土地では、アラスカ州が10,100万エーカー (404,000 km2) を所有している。これは州構成法の下にある権限である。その一部は新しく設立される郡に関する州法の規定により法人化郡に分譲される。小さな土地は田園の小区分などホームステッドに関連する機会に取って置かれるが、これらは遠隔であったり道が無かったりして、あまり人気が無い。アラスカ大学土地認可大学であり、独立で管理するかなりの広さの土地も所有している。

他に4,400万エーカー (176,000 km2) の土地はアラスカ州先住民居住法に従って創設された12の地域および数多い地方の先住民共同体が所有している。地域先住民共同体であるドヨン・リミテッドは広告などの通信分野ではアラスカ州最大の民間土地所有者としてそれ自体を宣伝している。アラスカ州先住民居住法の規定は1981年から共同体の所有する土地を公開市場で販売しても良いこととされていたが、それが実行に移されるまえに撤廃された。実質的にこの共同体は権利(個人には否定される特権など多くの場合に基本的な権利を含む)を保有しているが、土地を売ることはできない。しかし、先住民個別割り当て地は公開市場で販売でき、事実売られている。

様々な民間事業者が残りの土地を所有しており、州面積の約1%である。先住民の保有する土地を除けば、アラスカ州は他州と比べて遙かに民間の所有する土地の比率が小さい州である。
気候

ジュノーなど南東パンハンドル部の気候は、南部が西岸海洋性気候ケッペンの気候区分Cfb)、北部が海洋性亜寒帯気候(ケッペンの気候区分Cfc)である。パンハンドル地域は冬に温暖な気温と年間を通じて降水があり、アラスカ州の中では最も雨が多く暖かい地方である。ジュノーでの年間平均降水量は50インチ (1,270 mm)、他の地方は275インチ (6,985 mm) 以上である。夏は中緯度高気圧、冬は亜寒帯低気圧が北太平洋海上に発達することから、夏・冬ともアラスカ暖流上を通過した湿潤な南西風が吹きつけるため、高緯度にもかかわらず年間を通じて降水量が非常に多い。州内では冬季でも日中の最高気温が氷点を超えるのはこの地域だけである。

アンカレッジ市など南中部は海岸に近いためにアラスカ人の標準からは温暖な方である。南東部よりも雨が少なく、雪が多く、晴天になることが多い。年間平均降水量はアンカレッジ市で16インチ (406 mm)、雪は75インチ (190 cm) であるが、南中部の他地域ではさらに降雪量が多い。夏は短期間で冷涼であり、亜寒帯太洋性気候(ケッペンの気候区分Cfc)である。ウトキアグヴィク(旧名・バロー)は長年「トップ・オブ・ザ・ワールド」の愛称で知られ、アメリカ合衆国最北の都市である

州西部の気候はベーリング海とアラスカ湾の影響が強い。その南西部は海洋性亜寒帯気候であり、北部は大陸性亜寒帯気候である。気温は北の方にあるにしては幾らか温暖である。降水量は所によって大きな差がある。スワード半島北側からコブク川バレーに至る地域は事実上砂漠であり、年間平均降水量は10インチ (254 mm) に満たない。一方ディリングハムとベセルの間の地域では100インチ (2540 mm) を超える所もある。

内陸部の気候は亜寒帯気候(ケッペンの気候区分Dfc)である。州内で最高および最低気温はフェアバンクスの周辺で起こっている。夏の気温は90°F(30℃ 台前半から半ば)に達し、冬は?60°F(?51℃) 以下にまで下がる。降水は稀であり、年間10インチ (254 mm) に満たないことが多いが、冬の降水量は冬季を通じて凍り、流出しない傾向にある。

アラスカ州の過去最高および最低気温は内陸部で観測された。過去最高気温は1915年6月27日にフォートユーコン(北極圏の8マイル (13 km) 内側)で観測された 100°F(38℃) であり[15][16]ハワイ州と共にアメリカ合衆国の州における最高気温としては最も低いものである[17][18]


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