アメリカ軍は文民統制の下に、大統領が最高司令官であり[30]、同じく文民かつ大統領顧問団の閣僚である国防長官が大統領を補佐し、国防総省を統括する。
部隊の作戦指揮は大統領から国防長官を通じ、地域別及び機能別の各統合軍司令官に直接伝達される[31]。統合参謀本部(JCS)は、作戦指揮命令系統に入っておらず、軍事的な助言や作戦計画の立案や兵站要求など参謀としての業務に携わっている。なお陸海軍及び民兵団の編成権・軍律制定権・戦争宣言の権限は連邦議会が有している[32]。 アメリカ軍は次の6つの軍種からなる[10]。そのうち国土安全保障省に属する沿岸警備隊を除く5軍は国防総省の管轄下に属し、アメリカ合衆国大統領の指揮統制下にある。 各軍は部隊の編成・維持・訓練が中心となっており、各統合軍に部隊を拠出する責任を負っている。陸軍は陸軍省[33]、海軍・海兵隊は海軍省[34]、空軍・宇宙軍は空軍省[35]が軍政を司る。指揮命令系統において、海軍と海兵隊の間・空軍と宇宙軍の間に上下関係は無い。有事においては沿岸警備隊も海軍省の管轄となり、海軍に準じた扱いがなされる[36]。なお5軍の部隊の作戦指揮は統合軍が管轄する。 米軍の運用は、軍種ごとではなく、軍種横断的に編成された統合軍(Unified Combatant Command)の指揮のもとで行われており、統合軍は、地域によって編成された7つの地域統合軍と、機能によって編成された4つの機能統合軍から構成されている[37]。 それぞれの統合軍に属する陸海空軍及び海兵隊部隊を1人の統合軍司令官が運用するという編制は統合作戦の円滑な遂行と軍事学的な指揮統一の原則を同時に達成するためである。
軍種
アメリカ合衆国陸軍(United States Army)
アメリカ合衆国海軍(United States Navy)
アメリカ合衆国空軍(United States Air Force)
アメリカ合衆国宇宙軍 (United States Space Force)
アメリカ合衆国海兵隊(United States Marine Corps)
アメリカ合衆国沿岸警備隊(United States Coast Guard)
統合軍詳細は「統合軍 (アメリカ軍)」を参照統合軍の地域管轄地図
地域別
アメリカ北方軍(USNORTHCOM)- 北米担当
アメリカ中央軍(USCENTCOM)- 中東担当
アメリカアフリカ軍(USAFRICOM)- アフリカ担当
アメリカ欧州軍(USEUCOM)- 欧州担当