アメリカ軍
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

アメリカ軍は予算が巨額な為、防衛と戦力投射の両方に重要な能力を備えており、国外の約800の軍事基地を含む世界中に軍を広範囲に配備できる高度で強力な技術力を創出している[16]。アメリカ空軍は世界最大の空軍であり、アメリカ海軍はトン数で世界最大の海軍であり、アメリカ海軍とアメリカ海兵隊を合わせると世界で2番目に大きい航空戦力である。規模の面ではアメリカ沿岸警備隊は世界で12番目に大きい海上戦力である[17][18]。ちなみに2019年の会計年度現在の軍事備蓄で保有する航空機数は14,061機である[19]
歴史
18世紀以前1775年アメリカ独立戦争に際し軍隊の編成が急務となり、第2次大陸会議により陸海海兵の3軍が編成された。6月14日 - 大陸軍が設立される。10月13日 - 大陸海軍が設立される。11月10日 - 大陸海兵隊が設立される。1783年11月3日 - 独立戦争に勝利したことで小規模な警備部隊を残し大陸軍部隊の多くが解散される。1784年6月3日 - 大陸会議の決議により常備陸軍としてアメリカ陸軍が設立される。1790年8月4日 - アメリカ沿岸警備隊の前身となる税関監視艇部が設立される。1792年5月2日 - 1792年民兵法 (Militia Acts of 1792) により、民兵組織だった州兵の位置付けが明確化された。1794年3月27日 - フランスの私掠船から商船を守るため常備海軍の設置が決定されアメリカ海軍が設立される。1798年7月11日 - 擬似戦争によりアメリカ海兵隊が設立され4軍体制となる。
19世紀1817年4月 - 1812年戦争の結果としてアメリカ・イギリス・イギリス領カナダとの間で、軍縮協定であるラッシュ・パゴット協定が締結された。
20世紀1907年8月1日 - 気球飛行船を運用するため初の航空機部門である陸軍信号隊航空機部門(英語版)が創設された。1945年9月の第二次世界大戦終結後は核兵器の保有と戦力の充実により、ソビエト連邦軍との2大勢力となった。1947年9月18日 - アメリカ陸軍航空軍が改組され、アメリカ空軍が正式に発足して現在の5軍体制となる。1985年9月23日 - アメリカ宇宙軍が設立(2002年に戦略軍へ統合)1992年6月1日 - アメリカ戦略軍が設立。
21世紀1991年12月のソビエト連邦の崩壊・実戦経験・ハイテク兵器などにより規模・質共に他国を圧倒する存在となったが、パイロットなど高度な人材の不足が深刻化しており、アメリカ軍を描いた映画の撮影に協力するなど志願者の獲得に努めている[20]。2009年 - サイバー戦争への対応を強化するためアメリカサイバー軍を設立。2011年9月20日 - 同性愛者(男性:ゲイ、女性:レズビアン)であることを公言して軍務に就くことを禁じた軍務規定が撤廃された[21]。2016年1月、アメリカ軍内のすべての軍事的職業を女性に解放した[22]2018年1月1日からトランスジェンダーの志願者の入隊を受け付ける[23]。2019年8月29日 - 統合軍の一つとしてアメリカ宇宙軍(軍種の設立による混同を避けるため現在はアメリカ宇宙コマンドと訳される)が再度設立[24][25][26][27]。2019年12月20日 - 大統領ドナルド・トランプは20日、アメリカ議会で可決された2020会計年度の国防権限法案に署名し、陸軍や海軍などと同格の軍種の一つとして宇宙軍を創設する法律が成立した。人員は約1万6000人、予算総額は7380億ドル[28][29]
機構

アメリカ軍は文民統制の下に、大統領が最高司令官であり[30]、同じく文民かつ大統領顧問団の閣僚である国防長官が大統領を補佐し、国防総省を統括する。

部隊の作戦指揮は大統領から国防長官を通じ、地域別及び機能別の各統合軍司令官に直接伝達される[31]統合参謀本部(JCS)は、作戦指揮命令系統に入っておらず、軍事的な助言や作戦計画の立案や兵站要求など参謀としての業務に携わっている。なお陸海軍及び民兵団の編成権・軍律制定権・戦争宣言の権限は連邦議会が有している[32]
軍種

アメリカ軍は次の6つの軍種からなる[10]。そのうち国土安全保障省に属する沿岸警備隊を除く5軍は国防総省の管轄下に属し、アメリカ合衆国大統領の指揮統制下にある。

各軍は部隊の編成・維持・訓練が中心となっており、各統合軍に部隊を拠出する責任を負っている。陸軍は陸軍省[33]、海軍・海兵隊は海軍省[34]、空軍・宇宙軍は空軍省[35]軍政を司る。指揮命令系統において、海軍と海兵隊の間・空軍と宇宙軍の間に上下関係は無い。有事においては沿岸警備隊も海軍省の管轄となり、海軍に準じた扱いがなされる[36]。なお5軍の部隊の作戦指揮は統合軍が管轄する。

アメリカ合衆国陸軍(United States Army)

アメリカ合衆国海軍(United States Navy)

アメリカ合衆国空軍(United States Air Force)

アメリカ合衆国宇宙軍 (United States Space Force)

アメリカ合衆国海兵隊(United States Marine Corps)

アメリカ合衆国沿岸警備隊(United States Coast Guard)

統合軍詳細は「統合軍 (アメリカ軍)」を参照統合軍の地域管轄地図

米軍の運用は、軍種ごとではなく、軍種横断的に編成された統合軍(Unified Combatant Command)の指揮のもとで行われており、統合軍は、地域によって編成された7つの地域統合軍と、機能によって編成された4つの機能統合軍から構成されている[37]

それぞれの統合軍に属する陸海空軍及び海兵隊部隊を1人の統合軍司令官が運用するという編制は統合作戦の円滑な遂行と軍事学的な指揮統一の原則を同時に達成するためである。
地域別


アメリカ北方軍(USNORTHCOM)- 北米担当

アメリカ中央軍(USCENTCOM)- 中東担当


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:167 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef