アメリカ国土安全保障省
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このほかにアメリカの国土安全保障において特に重要な役割を担う行政機関としては、保健福祉省司法省エネルギー省がある。各州においては、連邦のDHSに相当する機関として、OHS(Office of Homeland Security、国土安全保障局)が設けられている。
経緯

2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件では、多くの事前情報があったにもかかわらずテロ攻撃を許してしまった経験から、それまで国内の安全情報に関する情報機関が多数に分立し縦割り行政となっていた事に問題点を見たアメリカ合衆国議会の主導によって提案された。ジョージ・W・ブッシュ第43代アメリカ合衆国大統領が署名し、2002年11月25日にこれら22の国内組織を統合し、総勢17-18万人(現在は20万人以上)の職員を有する巨大組織が設立された[5]

国家安全保障法以来の過去50年にない規模での省庁再編の結果、アメリカの行政機関の内、3番目に巨大な省として誕生した(1番目は国防総省・2番目は退役軍人省)。平時・戦時にかかわらず24時間態勢で活動し、大統領の命令に直接的に従うものとされている。

“Preserving our Freedoms, Protecting America”(我等の自由を保ち、アメリカを守る)がモットーであり、これは創設当時のブッシュ大統領の演説に因む[6]
沿革

2001年9月11日 - アメリカ同時多発テロ事件が発生。

2002年11月25日 - 国土安全保障省設立法にブッシュ大統領が署名し、設立が決定される。当初、本省が置かれていたネブラスカ通り合同庁舎

2003年1月24日 - 正式に業務開始。しかし、ロサンゼルス空港などでは係官1,000人以上をわずか数か月で養成したため、日本人を含む外国人に対して誤認逮捕などが起こった。

2009年 - 新型インフルエンザの大流行の際、メディアに頻繁に登場した。

2013年 - ネブラスカ通り合同庁舎からセントエリザベス病院西地区に移転。同地には沿岸警備隊本庁もある。

組織

現在、DHSは主に以下の5つの部門から構成されている。

連邦・地方連絡センター

国土インフラ脅威・危険分析センター

監視・警告

国境及び化学・生物・放射能・核・強化高性能爆薬兵器の脅威分析

国土環境脅威分析

内部組織は多岐にわたるため、上院議員100名全員がこれらの組織を監督する何らかの委員会や小委員会に属しているとされている[5]

2004年では、DHSは大きく4つの分野に分かれており、多くの政府機関の機能を統合運用する形となっている。

国境警備および運輸保安

緊急事態への準備・対応

科学・テクノロジー

情報分析および社会基盤(インフラ)の保護

カッコ内は基となった部署のある機関を示す。以下の部署名は暫定的な訳であり、日本語訳は定まっていない。
国境警備および運輸保安

税関・国境警備局(CBP)

国境警備隊司法省

関税監査局(財務省

農業検査局(農務省


市民権・移民局(USCIS):市民権、永住権、非移民ビザ・滞在・就労許可、難民、亡命申請の審査・裁定を行う、職員数は約19,000人

移民・帰化局(司法省)


移民・関税執行局(ICE):20,000人以上の職員を擁する大きな局

関税局(財務省)

連邦航空保安局(運輸省、連邦航空局、民間航空警備部?):航空保安官(スカイマーシャル)関係

連邦防護局(FPS)(一般調達局からの分離):中央地方を問わず連邦合同庁舎の保安


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